目的・企業別 おすすめ CRM 厳選6ツール(2023年最新版)

要約SUMMARY
  • CRM ツール(顧客関係管理システム)を導入する企業が増えている
  • 現在、顧客の購買行動・企業の販売行動は多くの業界で複雑化しており、顧客との関係性のマネジメントの重要性が増している
  • 本記事では企業のタイプと目的別にどのような CRM を導入するべきかご紹介

CRM は、企業の特色や導入の目的によって合うツールと合わないツールが存在します。

自社に合わないツールを選び失敗しないためにも、ツール検討の際は、 CRM の役割を十分に理解したうえで、ツール導入によって実現させたい目的を明確にしましょう。

本記事では、企業のタイプと実現させたい目的ごとに、6つのツールをご紹介します。

以下資料では、米国の主要企業が CRM を最大限活用するために使用している「Sales Engagement Technology」についてご紹介していますので、合わせてご覧ください。

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CRM とは

CRM (Customer Relationship Management)は、顧客や見込み顧客とのあらゆる関係ややりとりを管理するためのシステムのことです。

企業は CRM ツールを使用することで、自社にとって必要な顧客情報を収集することができます。

また、企業は集まったデータを適切に分析・顧客理解に役立てることで、顧客との良好な関係を築き、自社の収益向上につなげることができます。

合わせて読みたい:CRM 戦略とは?メリットや実践の極意を徹底解説

CRM ツールでできること

CRM にできることは大きく二つあります。

①顧客情報を一元的に把握できる

②蓄積されたデータをもとに、戦略的な営業活動ができる

H4 顧客情報を一元管理できる

企業は CRM を活用すると、顧客分析に必要な多くの情報を1つのデータベース上で一元管理することができます。

登録できる情報は、顧客の基本情報(個人情報、企業情報)に加え、自社との取引履歴、問い合わせ履歴などです。

顧客の購買履歴や購買前の行動データが可視化されることで、「購入が半年以上途絶えている顧客の特徴」や「ロイヤルティの高い顧客がよくとる行動のパターン」がすぐにわかるようになります。

企業が CRM に登録できる情報は、以下のようなものです。

■CRM ツールに登録できる顧客情報

  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 企業名
  • 役職
  • 購買履歴
  • 過去の商談内容
  • 問い合わせ履歴

蓄積されたデータをもとに、戦略的な営業活動ができる

顧客情報が集まれば、企業はデータに基づいて顧客を管理し、スピーディーに施策を立案できるようになります。

近年、消費の「所有から利用へ」のトレンドに伴い、顧客と長期的な信頼関係を構築すること(顧客エンゲージメント)の重要性が増しています。

顧客に長く自社のサービスを利用し続けたいと感じてもらうためには、顧客に対する正しい理解を持ち、それを部署横断的に共有することが重要です。

CRM を使えば、顧客接点から得られるデータを使える状態で管理し、部門横断的に共有することができます。

例えば、満足度の高い顧客の特徴(業種、サービス形態等)を知ることができれば、アプローチの際に見込みの高い顧客を事前にリスト化して、効率よく営業をかけることができるようになります。

これからの営業のあり方を考えるうえで重要となる「顧客エンゲージメント」の考え方は、以下の無料ダウンロード資料でも記載しています。

無料ダウンロード:最先端の営業哲学:顧客エンゲージメントとは

目的・企業別おすすめ CRM  厳選6選ツール

一口に CRM ツールといっても、サービスにより特徴があり、目的に合わせた強み・弱みがあります。

残念ながら、「これが正解」という万能なツールが CRM にあるわけではありません。

また、一度導入したツールには導入の工数や費用はもちろん、移行するためには長い時間を要したり、システム上のトラブルを発生してしまうこともあります。

できる限り導入前に、自社が求めるスペックに合うツールを幅広く検討したうえ、準備を進めましょう。

企業のタイプや導入目的によって以下の表のとおり6つに分類しました。

導入目的スタートアップのおすすめツールエンタープライズのおすすめツール
①営業の活動を共有し管理したいkintoneMicrosoft Dynamics 365
②社内データを活用した売上の向上させたいHubSpot CRMSalesforce Data Cloud
③パイプラインの問題を特定したいmonday.comZoho CRM

スタートアップとエンタープライズのここでの違いは、必ずしも規模の大きさではなく、以下のような状況をそれぞれ想定しています。

・スタートアップ…導入・運用にかかる費用を抑え、短期間でスムーズに導入できるツールのニーズが高い企業

・エンタープライズ…導入・運用にかけられる予算はある程度まであるが、自社独自のシステムや組織体制に対応できる柔軟性の高いツールのニーズの高い企業

それでは、目的①~③の順で、それぞれ見ていきましょう。

目的① 営業チーム内の活動を共有し管理したい

CRM の用途として、顧客管理に続いてニーズが高いのが「組織内の活動を可視化させ、共有・管理すること」です。

とくに営業の活動は担当者任せに陥りやすく、部内でも情報を共有できる仕組みがないまま

ブラックボックス化してしまっている組織が多く存在します。

例えば、「顧客対応時の肝心な記録が抜けている」、「個々の担当者が今何をしているのかわからない」といった問題が発生したことはありませんか?

必要な情報が必要な時に手に入らない状態になっていると、トラブル発生時、問題解決に多くの時間を要してしまいます。

また、このような組織では、長期的な成果を出すための新たな施策やナレッジが蓄積されていかないため、新人がすぐに育たない問題が発生してしまいます。

このような問題を抱えている場合は、活動を個人に依存させるのではなく、きちんと各々の活動をデータで共有することが望ましいでしょう。

普段から、組織内の情報をデータで集積させていれば、マネージャーがチームを管理する上で全体を見渡しやすくなり、人材育成もよりスムーズになるはずです。

スタートアップのおすすめツール『kintone』

中小企業やスタートアップ、複雑なシステムの構築を求めていない企業の場合は、サイボウズ社の「kintone(キントーン)」をおすすめします。

社内にある顧客や案件、営業活動の情報をまとめて可視化させることができ、二重対応や対応漏れを防ぐことができます。

一番の特徴は、他社のサービスに比べ費用が比較的安価で、多くの機能を企業ごとに自由度高くカスタマイズできるところです。汎用性が高く標準的なオペレーションを採用している企業にはマッチしやすいのではないでしょうか。

ただ、あくまでもパッケージとしての色が強いため、より柔軟な設計を求めたい場合は他社のシステムをおすすめします。

このツールのデメリットとして、外部システムや外部アプリとの連携が苦手であることが挙げられます。「kintone」 以外のシステムを後から導入したり連携させる必要がある場合は、事前によく検討してから導入することが重要です。

利用形態

クラウド

価格

  • スタンダードコース:1ユーザー当たり月1,500円
  • ライトコース:1ユーザー当たり月780円

エンタープライズのおすすめツール『Microsoft Dynamics 365』

マイクロソフト社の「Microsoft Dynamics 365」は、規模が大きく複雑なシステムを抱えている企業でも導入できるツールです。

複数のプラットフォーム連携が可能で、顧客とのファーストコンタクトから、営業活動、アフターフォローまで顧客との接点を統合的に管理することが可能になります。

一番の特徴は、最新のテクノロジーを自社に取り込めることです。

しかしその分、他のツールよりも導入・運用にかかる費用も大きくなることから、社内で十分な活用が見込めるかどうか、十分な検討をしてから導入する必要があります。

利用形態

クラウド、オンプレミス

価格

  • 1つめのアプリ:月212,500円
  • 2つめのアプリ~:月125,000円~

目的②:社内データを活用し売上を向上させたい

次に紹介する2ツールは、社内データが十分に活用できていないという課題感がある企業に適しています。

近年、社内で活用されていないデジタルデータを経営に役立てる重要性が見直されています

セールスフォース社が実施した日本のビジネスリーダー1,000人以上を対象とした調査「Untapped Data Research」によると、多くの企業がデータに基づく経営判断の重要性を理解していながらも、実際の意思決定に活かせていない現状を指摘しています。

図1:データ活用について

データは貴重な経営資源です。

CRM は、現場から多くのデータを集めることができますが、そのデータをどう活用するかは導入前に検討しておく必要があります。

集めたデータをその後どのように経営に役立てるのか、ツール導入がもたらす効果を最も高められる方法を社内に浸透させるようにしましょう。

スタートアップのおすすめツール『HubSpot CRM』

CRM をはじめて導入するような企業でも、気軽に顧客データを管理し、活用できるのが、HubSpot 社の 「HubSpot CRM」です。

ダッシュボード機能、営業活動レポートや生産性レポートの作成、メール自動化機能などの機能が揃っていて、これらをすべて無料で始めることができます。

大きなポイントの1つは、1,160を超える外部サービスと API 連携が可能で、会計ソフト「freee」や「Outlook」「Salesforce」など、豊富な機能と接続ができることです。

多くの企業が充実したサービスを提供しているので、自社が求める機能を高いクオリティで実現できる可能性が高くなるはずです。

無料プランのままでもサポート体制が充実していて、「ユーザーに寄り添う姿勢」を大切にしていることも、多くのユーザーから支持を得ている理由の1つです。

利用形態

クラウド

価格

多くの機能は無料で使用できますが、より細かい機能の設計や利用するサービスを拡大させたい場合は下記のような有料プランがあります。

  • スターター(2人の有料ユーザー、1,000件のマーケティングコンタクト):月1,800円
  • プロフェッショナル(最大10チーム、最大300件のワークフロー):月96,000円
  • エンタープライズ(最大300チーム、最大1,000件のワークフロー):月432,000円

エンタープライズのおすすめツール『Salesforce Sales Cloud』

日本の企業でも、トヨタや日本郵便のような大企業から、小規模の会社まで数多くの実績を誇っているのが有名な Salesforce 社の「Salesforce Sales Cloud」です。

世界では、18万5000社以上の採用実績があり、多くの企業から信頼を得ています。

「Salesforce Sales Cloud」は、顧客・案件管理など、基本的な機能はもちろん、営業活動での顧客とのやり取りや詳細な情報を記録し、データベースにまとめることができます。

「HubSpot CRM」同様、外部のツールと連携しやすいのが特徴です。

リアルタイムの顧客データをあらゆるシステムと連携させることで、企業の事業環境の変化等にも柔軟に対応することができます。

「HubSpot CRM」との違いは、サービス利用料がユーザー数に応じて加算されることです。最も使われているエンタープライズプランでは、月ごとに1ユーザー当たり19,800円かかります。

現場で正しく運用されるためには研修等で定着を図る必要もあるので、事前に、費用対効果を見積もったうえで導入するのが良いでしょう。

利用形態

クラウド

H4 価格

  • プロフェッショナル:月9,600円(1ユーザー当たり)
  • エンタープライズ:月19,800円(1ユーザー当たり)
  • アンリミテッド:月39,600円(1ユーザー当たり)

※30 日間無料トライアルあり

目的③:パイプラインを整理し問題を特定したい

3つ目に紹介するのが、パイプラインを可視化し、管理するために役立つツールです。

CRM では、製品や市場ごとのパイプラインを営業プロセスごとに細分化してデータを収集できます。

営業組織の抱えている課題は状況が常態化していることが多く、どこから手を付けて解決したらよいのか、糸口が見つかりにくいことがよくあります。

ツールで活用すると、ブラックボックス化しているパイプラインを可視化できるので、テコ入れすべき弱点を自然と見つけることができます。

例えば、営業担当者がリード開拓、商談、成約等の各段階で取っている1人1人の行動をデータとして取得することができれば、その中で優れているアクションや結果を残しているメンバーのノウハウをチーム内で共有できるようになります。

スタートアップのおすすめツール『monday sales CRM』

monday.com 社の「monday sales CRM」は、ノーコードで誰でも簡単にパイプラインを管理することができます。

シンプルな設計で操作性が良く、多くの機能を1つの管理画面でわかりやすく使用できるのが特徴です。

一目でパイプラインを整理できるため、パイプラインの可視化を重視したい企業に適していると言えます。

他にも、連絡先の管理、見込み客管理、見込み客獲得、顧客プロジェクト、マーケティング、オンボーディング、チームの共同作業などの機能があります。

基本的な機能は少額から利用できるので、スタートアップや中小企業は導入しやすいでしょう。

一方、懸念点として、導入後に受けられるサポートに不安が残ります。

開発・販売元が HubSpot や Salesforce のように海外の企業ですが、同社ほど日本企業向けのサポートが充実してない可能性があるため、自社の求めるニーズに合っているかどうか、事前に確認することをおすすめします。

利用形態

クラウド

価格

  • ベーシック:3ユーザー当たり月1,560円
  • スタンダード:3ユーザー当たり月2,180円
  • プロ:3ユーザー当たり月4,250円
  • エンタープライズ:要問い合わせ

エンタープライズのおすすめツール『Zoho CRM Plus』

複雑な組織構造やカスタマージャーニーにも対応したい場合は、ゾーホージャパン社の「Zoho CRM Plus」がおすすめです。

基本的な CRM の顧客管理機能に加え、営業やマーケティングに適した様々な業務の効率化が図れます。

パイプライン機能があるので、各商談の進行状況を把握できます。SNS 管理や顧客アンケートの実施もできるので、マルチチャネルで顧客の行動を細かく把握したい企業にも対応可能です。

機能が多いため、オーバースペックにならないよう注意が必要です。現在使用しているツールとの連携やシステムの環境、十分なノウハウやスキルなど、自社で期待通りの運用が見込める場合のみの導入をおすすめします。

「monday.com」同様、「Zoho Corporation」は海外の企業で、本社は南インドにあります。サポート体制が充実していないというユーザーの声もあるようなので、導入検討時にはぜひサポート体制の確認を行ってください。

利用形態

クラウド

価格

  • スタンダード:1ユーザー当たり月1,680円
  • プロフェッショナル:1ユーザー当たり月2,760円
  • エンタープライズ:1ユーザー当たり月4,800円
  • アルティメット:1ユーザー当たり月6,240円

CRM で企業の利益向上につなげるには?

CRM をはじめとして、社内に導入されるツールは必ずしも導入するだけで売上に貢献できるとは限りません

ある調査によると、 SFA/CRM を導入した企業の約8割が「(社内にツールが)定着している」と回答したものの、できたのは顧客管理だけで、本質的な課題である売上拡大や顧客増加といった成果には結びついていませんでした。

図2:SFA/CRMでも根本的な解決はなされていない

多くの企業は、CRM ツールを導入しても、顧客情報を電子化させることだけしかできていないのが現状なのです。情報をただ蓄積させただけで使える状態になっていなければ、結果で見れば紙の状態で管理しているのと大した変化がありません。

CRM によって集められる情報は、貴重な経営資源です。そして、情報は使える形で適切に蓄積させ、企業の売上に繋げる必要があります。

質の高いデータを集め、インサイトが得られる組織にする

データは、上手に活用することができれば、他社に差をつける自社の強みを作り、企業を成長させる大きなチャンスを生み出します。

重要なのは、データを活用して、どう売上にどうつなげるかです。

図3:インサイトを得られている営業組織

とくに、企業の収益を支える営業部門では、集まったデータを「どう次のアクションにつなげるか」が売上を左右します。

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