売上分析はエクセルで行えるのか?メリット・デメリットや活用方法を解説

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要約SUMMARY
  • 売上分析は、現状を正しく把握し、ゴールに向けた課題や問題点を把握するために重要な取り組みです。
  • エクセルではピボットテーブルや ABC分析を活用して売上分析を行えますが、属人化しやすくデータの信頼性や他データベースとの連携に課題があります。
  • データ活用の流れとして米国を中心に売上/トレンドの予測の自動化を備えた機能を持つセールスエンゲージメントプラットフォームが台頭しています。

毎月、毎年の営業目標を達成できる組織を作るためには、現時点の営業実績を可視化し、データを分析・活用することが大切です。

営業組織を率いる担当者や役員の方々の中には、

  • 売上分析は Excel で実施しているが十分なのだろうか
  • 蓄積した売上データを分析して次の商談やマーケティングに活用したい

とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、営業組織における売上分析について、そもそも売上分析とはなぜ行うのか?エクセルで売上分析を行うことのメリットとデメリット、正しく売上分析を行うためのポイントについて解説します。

営業組織の生産性向上には、正確かつリアルタイムなデータを一元的に管理し、分析/インサイトの抽出/改善のフローを回していくことが大切です。

Magic Moment では、米国の情報技術企業で活用が進む新たなデータ分析のテクノロジーとデータ活用の要諦をまとめた資料を無料で提供しています。ぜひ、ご活用ください。

また、弊社が提供している営業支援 SaaS 「Magic Moment Playbook 」も同じく営業組織の生産性を向上させるツールとして利用できます。

リマインド連絡の自動化や、ネクストアクションの自動提案といった煩雑な営業業務を効率化・自動化する機能を通して、営業組織の生産性を向上させて、顧客に向き合う時間を生み出します。詳細はプロダクトページからご確認ください。

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売上分析が必要な理由

営業組織にとって売上分析が必要な理由は、営業活動の現状を把握し、ゴール(営業目標)に向かうための道筋を可視化、もしくは軌道修正するためです。

営業は毎日の業務に忙殺されることも多いですが、一旦立ち止まり売上を分析することは非常に重要です。事前に分析した売上予測と営業の進捗を随時照らすことで、現実的な利益目標の達成の見込み、営業活動に潜むボトルネックの把握、リソースの再分配などが可能になります。

経験値や勘に頼るのではなく、数値ベースの営業分析をすることで、組織の売上の予測可能化、意思決定のサポートにもつながります。議論の中では、達成すべきゴール(営業目標)との現実のギャップを埋めるために必要な方針転換やアクションを設定することが肝要です。下記の記事で、具体的な分析のロードマップを知ることができます。

あわせて読みたい:【徹底解説】Gartner が示す営業データ分析の戦略的ロードマップと来るべき5つの未来 – Accel by Magic Moment 

売上分析をエクセルで行う方法

一般的に売上分析にはエクセルを活用することが多いでしょう。本章では、売上分析をエクセルで行う際に覚えておきたいピボットテーブル、ABC 分析について解説します。

ピボットテーブル

ピボットテーブルとは、エクセル上で表形式に入力されているデータをさまざまな軸で整理・集計できる機能です。具体的には、取引先・商品・カテゴリー・担当者・日付などの元データを整理・集計し、主要な取引先や売れ筋の商品を判断するなどに活用できます。

ピボットテーブルは、行ラベルエリア・列ラベルエリア・値エリア・レポートフィルターエリアの4つのエリアで構成され、それぞれのエリアに配置する項目を選び集計を行います。

例えば、行ラベルに「取引先」、列ラベルに「売上日」、値エリアに「売上金額(円)」を配置すると、売上日は自動的に月ごとに集計され、月ごとの売上金額の総計、また取引先ごとの売上総計が表示されます。また、フィルターエリアに「商品名」を配置すると、特定の商品の売上について、取引先ごとの売上総計、月ごとの売上総計を把握できます。

ピボットテーブルを使えば手動で計算することもなく、必要な売上データを集計できます。

ABC分析の活用

ABC 分析とは、重点分析とも呼ばれる分析手法の一つです。多くの商品データを分析する際に、どの商品の重要度が高いのかを判断するために使われます。ABC 分析を実施することで売れ筋製品や販促に注力すべき製品がわかる一方、改善が必要な製品や取り扱いの停止を検討すべき製品を可視化できます。

具体的な分析の方法は、アイテムごとの売上高を大きい順に並べ、アイテムごとの売上高の全体売上高におけるシェアを割り出します。パレートの法則(※)にのっとり、全体売上高におけるシェア80%までを占めるアイテム群を A ランク、80~90%を占めるアイテム群を B ランク、90%~100%に位置付けられるアイテム群を C ランクと位置付けます。

(※ パレートの法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見したもので、物事を構成する中の8割は、全体を構成する2割の少数の要素が生み出しているという法則です。)

< ABC ランクごとの取り扱い方法>

A 群:売上高のシェア80%をしめる重要商品群、在庫を切らさず販促を進めるべき

B 群:販売手法や商品の改善も視野に入れるべき商品群

C 群:早急な商品改善が必要もしくは取り扱い停止も検討すべき商品群

あわせて読みたい:営業成績を高めるための分析方法、SFAを活用した方法も紹介

エクセルで売上データ分析を行うメリット・デメリット

エクセルで売上分析を実施するにあたってのメリット・デメリットを解説します。

エクセルで売上分析を行うメリット

エクセルで売上分析を行うメリットは、2点あります。

使い慣れたソフトウェアであること

エクセルは操作に慣れている場合が多く、一般社員でも使いやすいソフトウェアです。簡単な関数や表計算を使える担当者も多く、使い始めるハードルが低いです。また誰でも使えるため、管理担当者が異動や退職で変わっても引き継ぎしやすいこともメリットです。

新たな費用がかからないこと

エクセルのソフトウェアは多くの企業で導入されており、新たに導入費用がかかりません。また、大多数の人が使い慣れているため、教育費もほぼ不要で使い始められることがメリットです。

エクセルで売上分析を行うデメリット

エクセルで売上分析を実施する際のデメリットは3点あります。

データ統合や連携が難しい

エクセルでは異なるデータソースから集められたデータを自動的に取得、統合ができません。また、担当者のパソコンに(ローカル)にインストールしたエクセルでは複数人での同時編集ができません。結果的に、分析ファイルの中身や使い方を知っている担当者のみしかそのデータを扱えないことにつながります。分析データが属人化することで、部署間の情報断絶の原因にもなり得ます。

データの断絶問題は、営業活動の分業化が進む昨今、大きなボトルネックとなりつつあります。下の図のようにマーケティングと営業間でツールが異なる、または横断的な管理になっていないことで、顧客情報がうまく伝わらず思わぬ機会損出を生んでしまいます。

図1. 「データが分断されている理由とは②」(『組織変革プレイブック』より Magic Moment 作成)

また、これらデータの統合には莫大な金銭的及び時間的コストがかかります。欠損したデータの収集と整形、システムの再設計には多くの企業が多額の費用を投じている状況です。

図2. 「理想的なデータプラットフォームの構築にかかる膨大なコスト」(『組織変革プレイブック』より Magic Moment 作成)

データがタイムリーに入力されない

エクセルで取り扱うデータがタイムリーに入力されるかどうかは、入力担当者次第です。担当者が不在であったり、入力が遅れてしまうとデータそのものがいまの顧客情報を表しているとは限らず、信頼性を損ないます。また、リアルタイムで情報を可視化できないため、問題発見の遅れの原因になる可能性もあります。

データが活用できる状態でないことも

致命的なデメリットとして、データが活用できる状態ではないという問題です。担当者の記入漏れや記入ミスによって、データの網羅性・正確性の欠如が起きる可能性があります。

イレギュラーな入力項目がある場合は、運用マニュアルを作成して対応する必要もあり、データの粒度が合わないため分析に活用できないといった問題が起きる場合もあります。

米国の企業では、これらデータの設計や収集・分析をテクノロジーで人ではなくテクノロジーで担う動きが出てきています。

セールステックと呼ばれる領域では、近年セールスエンゲージメントプラットフォームと呼ばれるデータ分析や売上/トレンドの予測の自動化を備えた機能を持つグループが台頭しています。最新動向を以下の資料で知ることができます。

無料ダウンロード:【最先端】SalesTech(セールステック)ガイド〜SalesTech 市場トレンドと BtoB 営業の変化の考察

正しく売上分析を行うためのポイント

自社データの信憑性を確認する

元も子もない話ではありますが、データの信憑性が売上分析の中核となります。データが正しいかどうかが不透明であれば、分析の結果にも信憑性がなくなります。

データの信憑性を確認する際には、自社にデータガバナンスが確立されているかが大きな目安になります。ポイントは全社的にデータの収集から運用/保守までのルールや体制があるかどうかです。加えて、自社のデータが以下のポイントを押さえているかを確認してください。

  • 何のためのどんなデータ項目が必要か社内で合意が取れている
  • データ項目が標準化され、同様の構造のデータとして管理されている
  • どの部門も同様のデータを管理していて、データに欠損がない
  • データがリアルタイムに更新されている
  • データに誰もがアクセスできる透明性が担保されている

以上の5点が担保されているかを確認しましょう。これらの条件を満たしていない組織では、将来の売上予測の信頼性、営業活動の改善策、リソースの最適化などにおいて危うさを抱えています。以下の資料で、データドリブンな組織形成のためのデータ活用の5つのステップを紹介しています。

無料ダウンロード:企業のデータ活用の鍵を握るデータの「質」〜データの質を向上させるデータマネジメントの5つのステップ〜 – Accel by Magic Moment 

ツールの導入検討

エクセルで対応できるデータ分析ではないと判断したら、目的に合ったツールを探すことがおすすめです。多くのソフトウェア開発会社から SFA (営業管理ツール)や CRM (顧客管理ツール)、BI ツール(ビジネス・インテリジェンスツール)が提供されています。

一口にツールといってもその特徴や機能はさまざまです。自社の分析目的やデータの仕様にあった機能が搭載されているツールを選ぶ必要があります。詳しくは別の記事で詳細を解説しているのでご覧ください。

分析と示唆の抽出までを正確に自動化したいという方には、セールスエンゲージメントプラットフォームの活用がオススメです。

Magic Moment では、データの分析を自動化し、営業担当者が迷わずデータドリブンな営業活動ができるセールスエンゲージメントプラットフォーム「Magic Moment Playbook」を提供しています。組織の本来持つ売上のポテンシャルを最大化していくことができます。

図2. 「Playbook は、売上ギャップを解消する」(『Magic Moment Playbook 入門ガイド』より Magic Moment 作成)

自社で活用した際の ROI を知りたい方は こちら からお問合せください。

その他、Magic Moment Playbook の機能についての詳しい情報は こちらの記事「営業改革を実行するための主要機能」 をご覧ください。

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