営業代行によって自社の利益を最大化させるには?

要約SUMMARY
  • 営業代行とは、自社の営業活動を他社の営業業務を引き受ける代行業社に任せることである
  • 本記事では、その中でも7社の企業を紹介

営業代行とは、「自社の営業活動のすべて、または一部を他社の営業業務を引き受ける営業代行業者に任せる」ことであり、「営業外注」とも称されます。

営業代行は、営業派遣や自社採用による「営業の専門性」と「新規顧客開拓」の問題を解決することもできます。ただ、企業によって「専門性」や「料金形態」が異なるため、営業代行業社の情報収集が欠かせません。

また、営業代行業者に委託することで満足してしまうのではなく、委託することで得られる利益を最大化させる策をとることが望ましいです。

その策の一つとして、「営業代行に活用できるサービスの同時活用」が挙げられます。

Magic Momentでは、CRM やCS BPOとの併用により、営業代行による「安定成長性」というデメリットを補うことができます。

Magic MomentPlaybook ご紹介

また、以下の資料では、営業組織の育成について扱っています。併せてご活用ください。

>> 無料ダウンロード:営業組織の育成ハンドブック – Accel by Magic Moment

営業代行を依頼するための基礎知識

営業代行とは?業務内容

営業代行とは、「自社の営業活動のすべて、または一部を他社の営業業務を引き受ける営業代行業者に任せること」です。

代行できる業務内容は以下の通りです。

  • テレアポ代行
  • インサイドセールス代行
  • 商談代行
  • フォーム送信代行
  • 営業コンサルティング

営業外注では、次の3つのケースで検討されています。

  • 人的リソースが不足している
  • 営業活動のノウハウが蓄積されていない
  • 新規開拓が難航している

しかし、営業代行は単なる代替ではありません。

既存の営業組織にプラスαで良い影響をもたらすものとして、導入している企業が現れています。

営業代行と営業派遣、自社採用、それぞれの特徴

営業代行と営業派遣の大きな違いは、「マネジメントを誰が担当するのか」です。

派遣スタッフの場合、スタッフの教育やマネジメント業務は自社のマネージャーや管理職が行います。そのため、比較的安価で人員を導入できます。

一方で、教育・マネジメントの工数がかかる、新規顧客開拓などで環境が整っていない場合には向いておらず、営業力は期待できないといったデメリットがあります。

自社採用の場合、営業派遣よりもさらに自社へのロイヤルティが高いメンバーを雇用できるため、ある程度の「営業力」を担保できます。

ただ、教育・マネジメントの工数が発生する他、新規顧客開拓は派遣と同様に難しさが伴う、また営業力に専門性があるとは言えません。

そういった「営業の専門性」と「新規顧客開拓」の問題を、解決するのが営業代行というサービスです。

社内にノウハウが残らない・費用がかかるといった問題があるものの、米国労働統計局の調査1)によると、卸売さらに製造販売担当者の全体的な雇用は2021年から2031年にかけて、4%増加すると予測されており、10年間で毎年平均して約170,000人の募集が予測されています。

営業をサポートするシステムとして、営業代行業界は成長を続けている市場です。

営業代行の契約形態による料金相場

料金形態は大きく分けて「固定報酬型」と「成果報酬型」の2つです。

「固定報酬型」のメリットは、以下の通りです。

  • 実績によって金額が変動しないので予算が決めやすい
  • 行動量の担保をして拡販していきたい場合や営業活動の行動履歴からマーケティングを行いたい場合に向いている
  • 情報が少ない新規事業などで利用することにも向いている

デメリットは、実績が出なかった場合でも一定の費用が発生することです。

一般的な「固定報酬型」の相場は、月額500,000円〜700,000円が目安になっています。

「成果報酬型」のメリットは、余剰コストを削減できること、狙っているターゲット層が狭い場合でもお試しで導入できることです。

デメリットは、成果を上げにくい場合、営業代行会社は利益が得られないため、営業に力を入れてくれない場合があることです。

一般的な「成果報酬型」の相場は、代表的な成果指標であるアポイント単価だと15,000〜50,000円ほどです。

営業を代行してもらうことによる効果

営業の専門性が確保できる

単純に、営業を専門に代行するスタッフがいるので、営業力が向上します。

あわせて読みたい:【営業スキル】必須のスキルアップの方法と具体的な取り組みについて – Accel by Magic Moment

しかし、営業代行業者の中にはクライアントが提示した目標を達成するために、独自の方法で、独自のペース、独自のルートで営業を展開するところがあります。

しかし、それではクライアント企業は、日々の営業活動や営業プロセスを確認することができません。

そのような状態では、仮に営業目標が達成できても、自社に営業ノウハウは蓄積されず、自走して生産性を上げることができないでしょう。

営業外注を導入した際には、手放しで営業代行業者に任せるのではなく、綿密なコミュニケーションと情報共有が欠かせません。

自社の営業担当者を営業に同行させてもらったり、定例会を開いたり、営業レポートを提出してもらったりすることで、営業代行業者の営業活動を見える化することが重要です。

営業代行業者ごとに特化している分野がある

また、営業代行会社ごとに、特化している分野があるのも利点です。

自社が新規開拓したいターゲット層に合う企業に営業を代行してもらえたら、効果的でしょう。

新規開拓しやすい

新しい業界や市場に足を踏み入れる際には、ツールを導入する費用、人件費、労力、時間、マーケティング計画に関する諸コスト、労力など、大きなコストがかかります。

しかし、営業を代行企業に任せることで、そういった下準備をしなくても、新規事業に参入できます。

ただ、社員育成のノウハウや新規事業に関する情報が、自社の手元に残らないデメリットもあるため、営業代行業社への依存度が増す懸念もあります。

費用対効果が明確である

営業の代行にかかる費用は、営業代行業社や代行してもらう業務の内容に応じて、異なります。

また、営業代行業者に頼む場合、上記で示したようにそれなりの金額がかかるので、その費用に対する恩恵を自社が適切に受けられているのか、検討すべきです。

費用対効果を検証する際には、さまざまな測り方が存在します。

CPA

CPAとは英語で「Cost Per Acquisition」の略であり、1件の成果を獲得するためにかかるコストのことを指します。

CPAは、以下の計算方法によって導き出せます。

 CPA=広告費用÷成果(コンバージョン)件数

成果は目的によって変化しますが、具体的には商品売却やサービスへの無料登録などが挙げられるでしょう。

例えば、広告費用を500万円使って5,000件のコンバージョンを達成したのであれば、CPAは以下の通り1,000円になります。

 CPA=500万円(広告費用)÷5,000件(コンバージョン件数) =1000円

CPAの指標が良い業者は、同じ費用でもより多くの成果を出してくれる可能性が高いと言えるでしょう。ただし、CPAを改善させようと広告費を削ってしまうと、肝心な成果まで減少してしまう可能性があります。

CPO

CPOとは英語で「Cost Per Order」の略であり、受注を1件取るためにかかる費用を表す指標です。

CPOは、以下の計算式で導き出せます。

 CPO=広告費÷受注件数

例えば、1,000万円の広告費をかけて2,000件の受注を得られた場合、CPOは以下の通り5,000円になります。

 CPO=1,000万円(広告費)÷2,000 =5,000円

CPOはサービスや商品1件当たりの広告費用を示す指標であり、成果を対象としているCPAとは異なります。

ROI

ROIとは英語で「Return On Investment」の略であり、投資した額に対してどれだけの収益を上げたのかを表す指標です。

ROIは以下の式で計算できます。

 ROI=(売上-売上原価-投資額)÷投資額×100(%)

例えば、500万円の投資をして3,000万円の売上を出し、売上原価に500万円かかっているとすると、ROIは以下の通り400%になります。

 ROI=(3,000万円-500万円-500万円)÷500万円×100(%) =400(%)

ROIを用いることで投資規模の違う事業の効果測定・比較ができるようになります。

投資によってどれだけの利益が出たのかを正確に測れるため、案件が成功したか否かを判断する基準にできます。

営業代行会社5社の比較一覧

営業代行会社が取り扱う業務は幅広いため、法人向け(BtoB)の営業に絞って、代行会社を5社紹介します。

株式会社アイランド・ブレイン

2004年から営業支援事業を開始。今年で20年目に入る企業です。

2023年現在、55業種、3000種を超える企業様に利用されており、経験や実績を多く持っています。

料金は成果報酬型なので無駄な営業コストを発生せず、売上に貢献してくれるでしょう。

また、新規開拓営業のプロが御社の即戦力となり、販路拡大を徹底サポートし、定めた条件を満たした高品質アポイントのみ提供してくれるのが特徴です。

アズ株式会社

2006年設立。今年で18年目に入る企業です。

専属の担当者が月に1度訪問し、成果報告と営業戦略の提案をしてくれます。

過去1,800社を超える法人営業支援実績に基づき、弊社独自で開発された7つのセールスプロセスマネジメントの実行により、着実に理想顧客にたどり着けるスキームを策定します。

株式会社エグゼクティブ

平成14年から営業開始、営業請負実績1000社の企業です。

組織体制としては女性の比率が高く、専門分野ごとに分業しています。

物量で攻める営業よりも、ターゲットに対して策を練って一件一件、丁寧に営業する教育をしているため BtoB向けと言えるでしょう。

相談から、約2週間で営業部隊が動き始めます。1ヶ月単位、成功報酬型の料金で、いつでも活用可能です。

コミットメント株式会社

NTTコミュニケーションズ代理店全国No1の営業会社による営業代行サービスです。

アポ率3%以上を堅守する営業効率で、平成22年にはNTTコミュニケーションズのひかりライン月間販売数で1位を獲得しています。

全国12000人の営業マンの訪問代行体制をひいています。

成果重視だからこそ、月2社限定の営業代行で高い成果を叩き出している企業です。

株式会社ウィルオブ・ワーク

セイヤクを運営するウィルオブ・ワークは25年以上の営業実績があります。

営業適正のある人材に絞った採用活動と、セイヤク独自の研修により帰属意識を持った人材の固定配置が特徴です。

徹底したコンプライアンス遵守による管理体制を行う。行動規範の制定・社内研修の定期開催・専門チームによる内部監査制度によりリスクマネジメントを徹底しています。

営業代行会社を効率的に利用する方法

営業代行会社にただ委託するだけでは、思うような成果が得られない可能性があります。

営業代行会社を効率的に利用する方法を理解することで、自社の顧客体験の向上を目指しましょう。

自社の現状を把握する

自社や組織の現状分析を行い、課題を特定し、営業代行による目的と成果判断基準の設定を行いやすくすることが重要です。

自社の現状を適切に把握するためには、業績以外にも顧客のニーズや顧客満足度顧客ロイヤルティなどの可視化、データ統合、などが大きな役割を果たします。

現状の取り組みや、これからのアクションに伴う課題を正しく認識して可視化していくことが重要です。

あわせて読みたい:ビジネスの意思決定が難しい理由と効果的な解決策とは? – Accel by Magic Moment

目的と判断基準を設定する

営業代行を行うと決まってから最初にやるべきことは、「業務委託目的の明確化」です。

社内で業務委託の目的を明確化させ、何を持ってプロジェクトを成功とするのか、条件を定義しておくことで、営業代行の進捗やその効果を適切に判断できるでしょう。

それらの判断をもとに、計画や調整を行うことで、営業代行による利益を最大化させることが可能です。

「業務委託目的の明確化」を行う際には、以下の目的が考えられます。

  • 運用コストの削減
    • インフラストラクチャーにかかる費用を大幅に節約する。事業運営のための技術や人材リソースの調達に、時間とエネルギーを投資する必要がない。
  • コア業務へ集中する

これらの目的に応じた適切な代行サービスとの連携が欠かせません。

しかし、営業代行会社やbpoサービスへの知識と経験が必要であるため、判断は慎重に検討すべきです。

あわせて読みたい:営業戦略とは?戦略の立て方と分析方法について解説 – Accel by Magic Moment

TAT・レスポンスを考慮する

TAT(ターンアラウンドタイム)とは、システム処理要求を送ってから結果の出力が終了するまでの時間のことで、この速さを意識することで効率的な業務を展開できます。

レスポンスとは返信速度のことです。

これらは問題発生時の解決能力や、営業代行業社と「自社の目的」や「委託範囲」、「営業の質」などの共有と直結する課題です。TATやレスポンスが遅い企業とは、トラブルが起きやすいので注意すべきでしょう。

インフラストラクチャーの整備を行う

自社の施設や環境に合っているサービスかどうかは、必ず確認すべき部分です。

高速インターネット接続、電話、ハードウェア、ソフトウェアの接続などより良いインフラストラクチャーが、シームレスなワークフローを可能にします。

しかし、「それらが自社に整っているのか」、「整備できるコストがあるのか」は考慮すべきです。

例えば、インフラが整備できていない状態で、オンラインの営業代行業者(Webチャットサービスを展開しているなど)と契約した場合、営業代行業社による成果を思うように得られないかもしれません。

営業代行業社の情報を収集する

営業代行業者の情報収集は必須です。しかし、「どこを比較すればいいのか」、「何を確認すべきか」などが曖昧な方も多いでしょう。

企業ごとの特徴が大きく、比較できる材料になる部分を以下にまとめています。

料金形態(固定報酬型か成功報酬型)

営業代行業社の料金形態は、固定報酬型か成功報酬型の大きく2つに分けられます。

両者のメリットは上記の章にて紹介している通りで、自社にあった料金形態かどうかは、選定材料になります。

実績・経験

実績や経験があれば、自社にあっているかというとそうではありません。

しかし、「自社の業界や市場規模が同じくらいの会社が利用している」などは、参考になります。単に数値的な実績や経験を見るのではなく、その実績の中身(企業、業種)などを確認すると良いでしょう。

セキュリティ・コンプライアンス体制

自社だけでなく、営業先の相手の情報も取り扱う点、そして自社の名を使用して営業を行うため、委託先のセキュリティ・コンプライアンス体制は把握すべきです。

主な確認事項は以下の通りです。

  • プライバシーマークの取得
  • 端末とオフィスのセキュリティ体制
  • コンプライアンス違反を犯した場合の、代償を契約書に書いておく

業務の専門性

営業代行といっても企業にとって、特化している分野(テレアポに特化している、BtoB企業を狙った一件集中型営業…)や業界(食品業界か医療業界か…)があります。

業務の専門性の有無は大きな比較材料になります。

「何が苦手なのか」、「何が得意なのか」という点に注目することで、自社に合った企業選びができるでしょう。

営業代行に活用できるサービスとの併用

営業代行の利益を最大化させるコツを紹介しました、

しかし、これらを既に実行しているものの、営業代行による恩賞を十分に得られていないという方も多いのではないでしょうか。

また、営業代行を依頼することによる営業のブラックBOX化や、ノウハウが消失することによる自社の安定成長性の減少といった課題が多いのが現状です。

そこで営業代行に活用できるサービスとの同時活用をおすすめします。

CRM

CRMツールを使用すれば、営業活動のほとんどの情報を一元管理できるため、データ分析の自動化とそれらのリアルタイムでの実現を可能にします。これによって、先ほど述べたような営業のブラックBOX化を阻止することができます。

また、営業活動の記録や結果の情報を自社で保管することができるので、営業の標準化をもたらし安定成長性を高めることができます。

CRMの具体例は、Sales Cloud、HubSpotCRM 、ZOHOCRM、eセールスマネージャーなどが挙げられます。

導入・運用コストが発生することや、CRMツールへの入力作業の定着が難しいなどの問題はあるものの、CRMを使いこなすことができたら、営業代行業社の課題を解決することができます。

あわせて読みたい:CRM データを最大活用する最先端テクノロジー

CS BPO(Magic Moment)

CS BPOは、顧客のインサイドセールスチームの一員として商談機会の創出から営業オペレーションの構築までを一気通貫で担うサービスです。

特に、売上にこだわった成約率の高い商談の創出へ力を入れており、営業の効率化を促進させるシステムになっています。

営業活動のノウハウがMagic Moment Playbookに蓄積され、ノウハウの移管や組織の急大化が容易になるため、営業代行業社による営業活動を確実に自社に記録できます。

図1:CS BPOの特徴

Magic Moment Playbookの詳細はこちら

CSBPOの詳細はこちら

導入事例はこちら

《引用文献》

1)米国労働統計局 Occupational Outlook Handbook, https://www.bls.gov/ooh/sales/wholesale-and-manufacturing-sales-representatives.htm#:~:text=%2D2%25-,Overall%20employment%20of%20wholesale%20and%20manufacturing%20sales%20representatives%20is%20projected,increased%20demand%20for%20sales%20representatives, (参照:2023-7-31)