MA運用を成功させる鍵とは?CRMと簡単に連携できるMAツール4選

執筆者

日々の業務を効率化するために、MAやCRMを導入する企業が増えています。

しかし、「期待通りの成果が出た」と感じている企業は決して多くありません。MAを導入した企業の内8%しか優れた成果を出せていない事実が分かっています。

その原因を紐解いてみたところ、「ツール間でのデータ連携」が重要であることが分かりました。Automizy社の調査によって、MAの運用に失敗する20%の原因がツール間でのデータ連携であることが説明されています。

ツールを連携していないと、異なるツールを利用している部門間で情報が分断され、

  • マーケティング部門とセールス部門の連携が疎かになる
  • 無駄なデータ移行コストが発生する
  • 売上と紐づいたマーケティング施策の効果測定ができない

といった弊害が生じます。MAと他ツールを連携することの重要性や、連携する際の注意点をこちらの記事で解説しています。

こういった課題を解決するためには、自社が利用している・導入を検討しているMAツールを他ツールと連携させることが非常に重要です。

本記事では、CRMとのネイティブ連携に対応しているMAツールと、連携する際の注意点をまとめています。

ネイティブ連携とは

ツールを連携させる方法は2通りあります。

最も簡単なのがネイティブ連携です。ネイティブ連携は、ツール同士を直接繋げます。ツールを提供している企業からのサポートを受けられるケースが多いです。

一方で、ツール同士をサードパーティーのデータ連携サービスを利用して、間接的に繋げる方法もあります。高度な開発技術やサードパーティーとの連携が必要となるため、ネイティブ連携よりも手間や時間がかかります。

ネイティブ連携以外でツール同士を連携させる手段である、「API連携」に関してはこちらの記事で解説しています。

BtoB SaaSにおけるAPI連携の重要性と3つの落とし穴

CRMとネイティブ連携できるMAツール

Pardot

PardotはSalesforce社が出しているMAです。そのため、自社が出しているCRMのSalesforceとスムーズなネイティブ連携が可能です。

PardotからSalesforceに、SalesforceからPardotに、どちらからも情報を上書きすることができます。同期すると、PardotとSalesforce上の情報に一画面でアクセスできるようになり、使い勝手が改善されます。

連携する際に注意するべきなのは、Salesforceのユーザー同期です。これは、PardotとSalesforceのユーザーをより連携・管理しやすくするために、2018年3月に実装された新機能です。

ユーザー管理及びセキュリティ管理が効率的に行えるようになりますが、一度有効化すると元に戻すことができません。SalesforceとPardotの両方がSalesforceのログイン情報に一元化されるため、同期済みのユーザーはPardotのログイン情報ではログインできなくなります。

Marketo

Marketoは

  • Salesforce
  • Microsoft Dynamics 

とのネイティブ連携に対応しています。情報が5分ごとに双方向で同期されます。

SalesforceとMarketoの同期は、リード・取引責任者・Salesforceキャンペーンについてのみ双方向で同期されます。それ以外の情報は、SalesforceからMarketoからのみ同期されます。

Microsoft Dynamics とMarketoの同期は、リードと取引責任者の情報のみが双方向で同期されます。それ以外の情報は、Microsoft DynamicsからMarketoのみ同期されます。

注意点として、Salesforceとの契約が「Enterprise Edition」以上であることを確認する必要があります。それより下の契約の場合は、「WebサービスAPI」の機能を有効化することでMarketoと連携することができますが、追加費用が発生します。

ネイティブ連携できる 料金(月額)
Salesforce Essentials 3000円
Lightning Professional 9000円
Lightning Enterprise ✔︎ 18000円
Lightning Unlimited ✔︎ 36000円

Salesforce側の契約に加え、Marketoとの契約にオプション機能の「Native CRM Conector」が含まれていることも必要です。契約していない場合、MarketoとSalesforceの双方向同期ができません。

HubSpot Marketing

HubSpot Marketingは

  • HubSpot CRM(自社製品)
  • Salesforce

とのネイティブ連携に対応しています。

HubSpot CRMは無料で提供されていて、外部のCRMと連携させることなく活用できます。

Salesforceとの連携設定は全てHubSpotの画面で行うことができるため、特別な開発を必要とすることなく簡単に連携することが可能です。

SalesforceとHubSpot Marketingを連携する前に、自社の契約内容を確認する必要があります。

ネイティブ連携をする前提条件として、HubSpotの「Professional Edition」以上の契約と、Salesforceの「Professional Edition」以上の契約が必要です。

ネイティブ連携できる 料金(月額)
Starter 6000円
Professional ✔︎ 96000円
Enterprise ✔︎ 384000円
ネイティブ連携できる 料金(月額)
Salesforce Essentials 3000円
Lightning Professional ✔︎ 9000円
Lightning Enterprise ✔︎ 18000円
Lightning Unlimited ✔︎ 36000円

Eloqua

Eloquaは、

  • Salesforce
  • Microsoft Dynamics 
  • Oracle CRM On Demand(自社製品)

とのネイティブ連携に対応しています。

CRMとEloquaのネイティブ連携において、注意すべきなのは連携するCRMのバージョンです。Microsoft Dynamicsには、Oracle社からサポートが提供されていないバージョンがあります。最新のバージョンを使用していれば問題はありませんが、2016年にリリースされたMicrosoft Dynamics 365より前のバージョンを利用している場合は確認が必要です。

MA運用を成功させるためには

CRMとのネイティブ連携に対応しているMAツールと、連携する際の注意点を解説しました。MAとCRMを連携することで部門間の情報分断を防ぎ、ツールの機能を最大限に活用することができます。

MAを運用するためには他ツールとの連携に加え、データ分析基盤の構築や、運用できる人材の確保も必要です。MAを運用する人材に求められるスキルセットはこちらの記事で詳しく解説しています。

MAを運用するために行うべきタスクを一覧にまとめていますので、この機会にご覧ください。

マーケティングオートメーションを始めるためのToDoリスト