マーケティングオートメーション(MA)の運用に必要な5つのスキル

インターネットの普及により、現代では買い手が自分で知りたい情報を取得できるようになりました。そのため、無鉄砲に自社のサービスを売り込むのではなく、買い手の購買行動に合わせたマーケティング戦略がビジネスの成功には欠かせません。

そこで注目されるようになったのがMA(マーケティングオートメーション)です。それぞれのリードの興味関心に応じたアプローチを実現し、マーケティングプロセス全体を自動化します。運用できれば日々のマーケティング業務を効率化することができるため、近年導入する企業が増えています。

しかし、MAを導入した企業の内8%しか優れた成果を出せていません。その1つの原因は、MAを正しく運用できる人材が社内にいないことです。MAには豊富な機能が搭載されていますが、導入するだけで効果が出る魔法の道具ではありません。人によって管理されて初めてマーケティング活動を手助けします。

MAを既に導入している、または導入を検討している企業は、MAを運用できる人材を確保することが必須課題です。本記事では、MAを運用するために必要な5つのスキルセットを解説します。

1. データマネジメントに関する知識

MAを活用したマーケティング活動は、リードの属性情報や行動情報などの「データ」が全ての基盤となります。そのため、データを適切に取得し、抜け漏れなく管理する必要があります。

必要なデータを取得する

まず、リードに関する必要なデータを集めます。例えば、マーケティング施策の結果を分析するためには、メール開封率やクリック率などの結果データが必要です。必要な情報を明確にし、データを整理します。MAで取得できるリードの属性データや行動データには以下の様なものがあります。

MAとCRM・SFAツールを連携した場合に取得できるリードの属性データや行動データには以下の様なものがあります。

MAとCRM・SFAツールを連携させることで、さらに多くの情報をMA上で管理できます。

MAとCRMを簡単に連携させる方法と、連携に対応しているツールをこちらの記事でまとめています。

データの取り扱い

一度データを整理して終わりではありません。担当者の異動や転職などにより、リードの情報は変化がつきものです。データの重複や表記ゆれなどの問題が発生する可能性があります。

また、部門間で異なるツールを使用している場合、データの管理方法や運用方法が異なるケースが多いです。一貫したデータの運用ルールがなければ、データが煩雑してしまいます。

リードのデータを正確に管理するためには、これらの状況に対して、どのシステムを使って誰がどのように変更や管理をするのか、丁寧な運用ルールを定めておくことが重要です。合わせて、データベース構造や自社のシステム構造、運用体制の理解も欠かせませんそのため、リードデータの取り扱いには多くの知識や経験が必要とされます。

データを分析する

データの収集・整理ができたとしても、集めたデータを分析して課題を発見し、改善していかなければ意味がありません。データを有効活用するためには、

  • どのルートから獲得したリードのCV率が高いのか
  • スコアリングは適切であるか
  • どのようなシナリオ設定で実施したリードの育成が収益に結びついているのか

など、様々な観点からインサイトを抽出し、MAの運用プロセスを継続的に改善します。

2. マーケティングプロセス全体に関する知識

マーケティングに関する知識

MAを活用するためには、リードを獲得・育成するためのマーケティング活動が必要です。そのため、MAと特に関連が深いインバウンドマーケティングに関する基本的な知識が求められます。また、マーケティングの手法自体も年々進化しているため、最新のマーケティング情報にもキャッチアップしておきたいところです。

マーケティングプロセス全体に関する知識

マーケティングに関する知識に加え、マーケティングプロセス全体の理解も欠かせません。

マーケティングプロセスとは、

  • マーケティングの観点から市場を分析
  • 製品を売りたいターゲットを決定
  • 市場の中での製品のポジショニング
  • 価格やプロモーションの選定

といった一連のプロセスのことです。

マーケティングプロセスを把握していれば、自社・顧客・競合への理解が深まり、バリュープロポジションが明確にまります。バリュープロポジションが明確であることの1つのメリットとして、MA運用に失敗する1つの要因である「コンテンツ不足」を解消できます。

MAはリードに効果的にアプローチするためのツールであるため、そもそものリード数が足りていなければ、効果を発揮することはできません。しかし、コンテンツの作成は人によって企画・制作しなければならない業務であるため、重要度の高いコンテンツから優先的に着手する必要があります。

重要度を決めるうえで、バリュープロポジションが明確になっていることは必須条件であるため、マーケティングプロセスを理解していなければなりません。

3. ツールの理解

MAの理解

まず大前提として、MAを運用するためにはMAの機能を熟知している必要があります。

MAと一口に言ってもサービスによって機能や特徴が異なるため、MAの導入を検討している企業は自社の目標や課題解決に最適なサービスの選定が欠かせません。

導入するサービスの決定後は、そのMAの機能に合わせてシナリオ設計やペルソナ設計、スコアリングを行います。

【2019年版】BtoB向けマーケティングオートメーション(MA)を徹底比較

他ツールの理解

MAはCRM・SFAツールと連携させることで情報を一元管理し、機能を最大限に活用できます。そのため、MAだけでなくCRMやSFAを代表とした他ツールへの知識も、費用対効果を出すためには不可欠です。

4. リーダーシップ

MAの運用にはセールス部門との連携が必要です。それには、

  • 育成したリードに関するセールスからのフィードバックを基に、MAでのリード育成方法を改善する
  • ホットリードの定義を擦り合わせる必要がある
  • 一貫した顧客体験を生み出す
  • セールスが利用するCRM・SFAツールとMAを連携することで情報を一元管理する

といった理由があります。

連携が取れていないと部門間での調整が上手くいかず、計画が後ろ倒しになり、導入の失敗や機会損失になりかねません。

そのため、部門間で積極的にコミュニケーションをとり、個人やチームを指導・統率するリーダーシップがMAの運用には求められます。

5. 論理的な戦略設計

MAを運用することは、より効率的・効果的に優れた顧客体験を創造し、「収益を増加させる」という目的を達成するための手段にすぎません。そのため、最終的な目標から逆算して全体戦略を策定し、その戦略を確実に実行するためのMA運用法を構造的に考えなければなりません。

MAの使用目的が明確になったら、MAに期待される個々のリードの行動や属性に合わせたマーケティング活動を実現するために、顧客情報を設定します。

誰に対してどんなアプローチをするのか「対象者の設定」を適切に行なわなければなりません。この設定を間違えると、顧客体験に悪影響を及ぼしかねません。そのため、対象者の絞り込み条件や実行するアクションを論理的に組み立てる能力が求められます。

戦略はいわば設計図であり、MAを運用するための土台です。そのため、論理的に戦略を練るスキルが求められます。

マーケティングオートメーション(MA)を運用するためには

MAを運用するために必要な5つのスキルセットを紹介しました。MAを活用するためには様々なスキルが求められますが、運用できた場合のメリットは大きいです。こちらのToDoリストでは、MAを導入するために必要なタスクを一覧にまとめています。

一方で、専門性の高い知識や経験によって得られるスキルが多いため、社内のマーケティングチームで運用を試みると、普段の業務の負担になりかねません。

近年、その役割を担う「Marketing Ops」という組織の存在が重要視されるようになりました。この組織はマーケティングチームに属さず、

  • データ管理・分析
  • 全体最適なマーケティングオペレーションの構築
  • ツール導入のためのテクノロジー基盤の整備

などを専門に部門横断的に担当します。

Marketing Opsが注目を浴びるようになった背景や具体的な役割をこちらの無料e-bookで解説していますので、よろしければこの機会にご覧ください。

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