営業の成約率を高める方法とは?営業成約率が平均から上がらない原因まで徹底解説

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要約SUMMARY
  • 営業成約率とは、商談数のうちの契約数の割合のこと。契約数 ÷ 商談数 × 100で求めることができる。
  • 営業成約率を測定する際は、業界の平均値・自社における過去の傾向・ビジネス目標に対するパフォーマンスを考慮する。
  • 営業成約率が上がらない原因は「営業を個人に一任し属人化しているケース」「必要な営業担当者を理解していないケース」の2点が考えられる。
  • 営業成約率を高めるには、「営業プロセスの可視化」「営業担当者の目標の細分化」「営業活動の標準化」が効果的。

営業成約率は、個人やチームの営業活動の効率性が現状どれくらいなのかを測る際に重要な指標です。営業成約率が高い企業は少ないリソースでより多くの成約を獲得できるため、必然的に継続的な売上向上や自社の商材にあった優秀な人材の育成が見込めます。

しかし、なかなか営業成約率が上がらずに悩んでいる営業担当者も少なくありません。そこで今回は正しい営業成約率の計算方法から、成約率が上がらない原因、そして高めるための3つの方法まで詳しく解説していきます。

営業成約率とは?

「売上が低迷している」「契約がなかなか取れない」「どこに原因があるのか特定できない」などの課題で行き詰まっている場合は、営業成約率の測定を行うと分析しやすくなります。まずは営業成約率の意味を確認しつつ、計算方法と自社における基準を知りましょう。

営業成約率とは

営業成約率とは、商談に入った案件のうち、実際に契約や受注につながった案件の割合のことです。例えば、今月20件商談を行ったうちの5件が契約や受注につながった場合、成約率は25%になります。

営業成約率の把握は、質の高い営業組織作りができているかの判断材料にもなります。もしマーケティングと営業の連携がきちんと取れていない場合は、マーケティングが目標とするリード数(見込み客数)を達成していたとしても、契約につながる商談数が著しく少なくなります。

営業成約率が落ちている場合は、マーケティングが質の悪いリードばかりを獲得している可能性が考えられるからです。この場合は、マーケティングと営業でターゲット顧客の定義からすり合わせが必要となってきます。

このように営業成約率を把握することで、営業活動の効率性を図ることができます。現状の成約率から営業担当者が目標達成に対してどのくらいのパイプラインが必要になるのか、どれくらいの収益を上げることができるのかを予測することもできるので、正しい営業成約率を計算することが重要です。

営業成約率の計算方法と平均

営業成約率は以下のような計算式で求めることができます。

営業成約率 = セールスがクローズした案件の数 ÷ 当該期間に抱えている案件の数 × 100

例えば、当月に20件の案件を抱えており、5件の案件が成約に至った場合の計算式は、

5 ÷ 20 × 100 = 25 %

となり、成約率は25 %です。

一般的な営業成約率は20%〜50%が平均値とされていますが、業界や商材によって契約までの難易度は変わってくるため、厳密には業界によって異なります。以下は業界別の平均成約率になります。

そのため、自社の営業成約率を測定する場合は、自社の業界の平均値をベンチマーク(基準・指標)とするだけでなく、自社の過去の傾向やビジネス目標に対してどのくらいのパフォーマンス(効率・成果)だったかを考慮することが重要です。

営業の効率性を上げたい場合は「セールスベロシティ」という成約率を含む営業プロセス全体の生産性を表す指標の測定が必要になってきます。気になる方は以下の記事もご覧ください。

あわせて読みたい:営業効率を測る!セールスベロシティとその活用方法とは

営業成約率が上がらない原因

自社の業界の平均値や過去の傾向を加味して現実性のある目標数値を設定しており、マーケティングと営業の連携も上手く行っているはずなのに、営業成約率がなかなか上がらない、という方もいるのではないでしょうか。営業成約率が上がらない原因には主に2つのケースが考えられます。

営業を個人に一任している

営業を個人に一任している場合、営業ノウハウ・進捗状況などの全てが属人化されてしまうため、長期的な成果に繋がらないことが多いです。「営業はアートだ」「優秀なので個人の裁量に任せている」などの方針を持つ営業チームでよく見られます。

この場合、仮に優秀な成果を上げるハイパフォーマーがいたとしても、その営業ノウハウが共有されないため、ローパフォーマーの成果を上げることができずに、チーム全体の成約率はパフォーマーの成績に依存する状態になります。この状態でハイパフォーマーが離職してしまうと、貴重なノウハウを蓄積できないまま売上が低迷するリスクもあります。

一部のハイパフォーマーに全てを一任している場合、マネジメント層も進捗状況や営業手法を把握しづらくなり、成果予測や正確な意思決定を迅速に行うことが難しくなるので注意が必要です。

逆に営業を個人に一任せずに標準化しているチームであれば、ハイパフォーマーの営業ノウハウを他のメンバーにも共有することで、再現性のあるノウハウを蓄積することができます。こうして全ての営業担当者の成績を上げることができれば、全体の営業成約率も上がっていくはずです。ノウハウを蓄積できれば、ハイパフォーマーの離職による売上ダウンを抑えることもでき、マネジメント層も予測や進捗状況を把握できるので、迅速な意思決定を行うことができます。

あわせて読みたい:営業プロセスの見える化とは?効率化・標準化を実現する方法

どのような営業担当者が必要なのかを理解できていない

「営業プロセスを標準化している」「CRM を利用して商談ステージも管理している」など、チームで情報や営業ノウハウをしっかり共有しているのに成果に繋がらない場合は、どのような営業担当者が必要なのかを理解できていない可能性を疑ってください。どのような人材が必要なのかを理解していないということは、営業成果を個人の能力に大きく依存していることになるため、営業組織として成果を得る可能性も低くなってしまいます。

営業プロセスの標準化や組織化が進んでいたとしても、成約に繋がる営業を体系化できていない場合はなかなか成果につながりません。

例えば、営業成約率を上げるには質の良いリードの獲得が重要ですが、最も効果的に質の良いリードを獲得する方法は既存顧客からの紹介とされています。既存顧客からの紹介を受けるということは、知り合いにも紹介したいほど既存顧客の満足度が高いということです。

こうした状況を勝ち取るには、既存顧客が満足できるような関係を作るための確かなノウハウを体系化していくこと、それに伴う営業担当者が必要になってきます。成約率をあげるためには、従来のオペレーションをただ分解するだけでなく、成約までのフローを体系化できるか、適切な人材を配置できているかどうか見極めるのを忘れないようにしてください。

商材もニーズも多様化するなか、いかに顧客ロイヤリティを高め、収益基盤を形づくるかは多くの企業が直面する課題となっています。以下の記事でその実装法と顧客起点の営業プロセスを解説しています。

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営業成約率を高める 3 つの方法

営業成約率を高めるには「営業プロセスの可視化」「営業担当者の目標の細分化」「営業活動の標準化」と、3つの方法があります。この3つの方法を上手く浸透できれば、営業における多くの課題が見えてくるので、徐々に改善を進めることが可能です。

営業プロセスの可視化

営業成約率をあげるためには、データをもとにリード獲得からアフターサポートまでのデータをプロセス毎に数値化して共有する「営業プロセスの可視化」から取り掛かる必要があります。営業プロセスを可視化することで、「何に対して」「どれくらいの量・質で」「どういう時間軸で」動いているのかが明確になるため、プロセス全体で特に弱点となっているボトルネックを見つけることができます。可視化からどこを解消するべきかの示唆を得ることができます。

例えば、営業成約率が悪い場合の解決策として単純に「母数を増やそう」と指示するのと、「確度の高いターゲットに焦点を当ててアプローチしよう」と具体的なターゲット像を提示するのとでは、営業の効率性が変わってきます。営業プロセスの可視化によって、それまで曖昧だった原因箇所が数値で明らかになるため、マネジメント層は的確な指示を出すことができ、チーム全体で無駄な業務が減るので、営業効率の向上が期待できます。

また、営業の見える化を行うことによるメリットとして、「成果につながるステップの明確化」や「営業活動の最適化」、「営業活動の標準化」が可能になる点も大きいです。具体的には全体のフローと数値が明らかになれば、成約率を上げるために必要な行動と、改善すべき付随する指標が見えてきます。

つまり、その指標改善のためのリソースの再配分や部門を超えてのプロセスのブラッシュアップが可能になります。ブラックボックスを解消し、的確で迅速な改善を行うことができ、営業活動を最適化できるのも大きなメリットです。

各担当者の数値ややり方を可視化することで、優秀な営業の効果的なアプローチ手法などを共有するなど、営業活動の標準化によって組織全体の売上向上や人材の入れ替わりによるダメージも防ぐことができます。

このように営業の見える化により、課題点や気づきを導き、改善のための的確なアクションを検討・実行できるようになるため、営業効率化と共に成約率の向上につながります。

あわせて読みたい:データを活用できない原因とは?データをもとに売上を上げる Magic Moment Playbook

営業担当者の目標の細分化

営業成約率を上げる方法としては、現状の課題に即した具体的なアクションや成果目標を設定する「営業担当者の目標の細分化」も効果的です。

前項で営業成約率が上がらない原因として、必要な営業担当者が理解できていないケースを挙げましたが、まずは理想的な営業担当者とはどんな人材かを定義することから始めてみてください。理想的な営業担当者は、営業プロセスの可視化によって抽出した、自社の営業における課題やインサイトを元に社内で検討して決めると良いでしょう。

続いて理想的な営業担当者の条件を元に、理想的な活動量・成果を設定します。例えば、理想の営業担当者から逆算して、下記図のように定量的・定性的な目標を細分化することができます。

目標が細分化されていることによって、営業担当者も求められている役割を明確に認識することができるため、具体的に改善すべきポイントがわかり、営業の効率性が向上します。このように設定した目標を実行しやすいように仕組化・標準化することで、効率的で質の高い営業活動を実現できるため、成約率の向上につながる成果の出しやすい環境を作れるのです。

営業活動の標準化

定量・定性的に目標を細分化した後は、定期的に PDCA を行い改善していきます。成約率を上げていくには、こうして改善された理想的な営業担当者が設定した活動量や成果を実行しやすい仕組みが浸透するように、営業活動の標準化を行っていくことが重要です。この標準化が上手くいくと、組織全体の効率性を底上げすることができるので、営業成約率の向上につながっていきます。

例えば、録音したトップセールスの商談や電話から得たノウハウを元にトークスクリプトを作成し、社内でマニュアルとして共有、使用を徹底します。組織全体で最適な営業の型をつくることができれば、営業の属人化を防ぐことができ、チーム全体の営業成果につなげることができるでしょう。

しかし、このような営業の型は作成するだけではなく、運用しながら定期的な改善を何度も行って、顧客のニーズに答えていくことが必要不可欠です。

成果を出すトークスクリプトの利用についてはこちらの記事で詳しく説明しています。トークスクリプトを運用しているが、成果にバラつきがあるなどの悩みがある方はご確認ください。

あわせて読みたい:営業責任者向け|同じ営業トークスクリプトでも差が出る「喋り方」の心理学

まとめ

営業成約率とは、商談案件数のうちの契約件数・受注件数の割合のことで、営業組織全体の効率性を判断するのに重要な指標です。正しい計算方法で数値を求め、業界の平均値や自社の過去の傾向・ビジネス目標に対するパフォーマンスを考慮して測定するようにしてください。

営業成約率が上がらない原因としては、ハイパフォーマーが持つ営業ノウハウが全体に共有できない上にマネジメント層が状況を把握できなくなる「営業を個人に任せて属人化している」ケース、顧客満足度を高める適切な人材が配置できていない「必要な営業担当者を理解していない」ケースの2点が考えられます。

営業成約率を高めるには効果的な3つの方法を試してみてください。まずはデータを数値化して「①営業プロセスの可視化」を行うことで、課題の抽出や改善アクションなどを浮き彫りにします。次に見えてきた課題から逆算して理想的な営業担当者を定義し、定量的・定性的な「②営業担当者の目標の細分化」により、具体的で分かりやすい目標設定を行います。

最後にトップセールスの営業手法などを元に作成した営業の型を共有し徹底する「③営業活動の標準化」により、組織全体の効率化を図ります。この3つの方法を定期的に見直し、改善を繰り返していくことで、営業成約率を上げていくことができます。

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