営業効率を測る!セールスベロシティとその活用方法とは

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働き方改革が注目される昨今、営業活動にもさらなる生産性の向上が求められています。しかし、生産性の向上に向けて何からメスを入れればいいか、悩まれている方も多いのではないでしょうか?

まずは定量的な数字に注目してみましょう。自社の営業活動を正しく評価する上では、感覚的に成果を追うのではなく、営業活動の生産性を定量的に測る必要があります。高単価な案件を受注できても、成約するのに途方もない期間を要したなら費用対効果は悪く、営業効率は悪いと言えます。一概に成約件数が多いから、平均受注金額が高いから、といった特定の KPI では営業効率は測ることができないのです。

本記事では、営業チームの生産性を定量化する”セールスベロシティ”を紹介し、その活用方法について説明します。

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営業効率を測定!セールスベロシティとは?

セールスベロシティ( Sales Velocity )とは、訪問→ヒアリング→提案→見積もり→クロージングまでの一連の営業活動における効率性のことです。セールスベロシティを測定することで、営業チームの効率性がわかるだけでなく、営業パイプラインの中でボトルネックとなっている部分を洗い出し、改善策を打ち出すことができます。

セールスベロシティの求め方

営業効率を測るセールスベロシティの求め方について説明していきます。

セールスベロシティの構成要素

セールスベロシティは4つの要素から成り立っています。

  • リード数(営業機会): パイプライン上にある商談数(セールスのコンタクト開始からクロージングまでの数)。
  • 成約率: 案件の内クロージングできた案件の割合。成約案件数÷案件数で求められます。
  • 平均取引額:成約案件一つ当たりの平均取引単価です。
  • 平均商談期間:セールスのコンタクト開始からクロージングまでに費やした期間です。

セールスベロシティの計算式

セールスベロシティは以下のような計算式で求められます。

それでは以下の条件におけるセールスベロシティを求めてみましょう。

ある営業担当のセールスベロシティを計算する

ある営業担当 A の2018年2Q の仕事の内訳を見てみます。2018年2Q に担当した商談数は10件で、成約した案件数は4件のため、成約率は40%になります。成約した商談の平均金額は100万円となり、成約した商談の平均商談期間は95日です。

  • リード数(営業機会):10
  • 成約率:40%
  • 平均取引額:1,000,000円
  • 平均商談期間:95日

結果、営業担当 A の2018年2Q のセールスベロシティは、

セールスベロシティ
=(10×0.4×1,000,000)/95
=42,105円/日

この場合のセールスベロシティは42,105円/日です。
この数字は、業界業種・取り扱う商材によって大きく異なります。まずは、自社セールスチーム全体の平均値やチームメンバー個人に注目して計算し、比較していくことが大切です。

営業効率を最大化するために

次にセールスベロシティを参考にしながら、営業効率を最大化していくための4つのポイントを具体的に確認していきます。

1.営業案件を増やす

コンテンツマーケティングの実施

オフラインではセミナーや展示会がわかりやすい施策です。これを試されている企業様は多いのではないでしょうか?

オンラインでは、オウンドメディアやメルマガなどの有益コンテンツを配信することが有意義な施策になります。リードジェネレーションからリードを案件化まで温めるリードナーチャリングを行って、リードの獲得・案件化の導線を設計します。

休眠顧客の掘り起こし

休眠顧客の休眠理由を把握し、購入可能性が再燃したタイミングを見逃さないことも大切です。また、顧客にカスタマイズされたメールや電話で、再度興味を喚起させるアプローチも必要になります。

営業案件の全体像を把握した後は、単に休眠顧客を掘り起こすアクションを取るのではなくマーケティングチームと連携しながら優先順位を付け、適切なタイミングで適切なコンテンツからアプローチする戦略が大切になります。

2.成約率をあげる

MQL ( Marketing Qualified Lead )の抽出

ここは、マーケティング・セールス間の情報連携など、マーケティング部門との連携が大切です。顧客に対するデータを一本化することで成約率の向上に寄与することができます。

マーケティング部門が優先度の高いリードを抽出できているかが鍵になりますが、獲得したリードをスコアリングして収益性の見込める順に優先度を明確にしておきましょう。

SQL ( Sales Qualified Lead )の抽出

SQL には、マーケティング部門から渡された MQL を受け入れた SAL と、営業部門が自ら作り出した SGL が存在します。何れにしても、インサイド/フィールドセールスにより顧客の課題とニーズを正しく捉え、後の祭りとならないような提案の機会と商談機会を創出することが、成約率のアップにつながります。

3.成約までに要する期間を短くする

無駄足営業をなくす

営業パイプラインを俯瞰して見ることが大切です。「その訪問はメールや電話では代用できないのか。」「一回あたりの商談時間に蛇足は含まれていないか。」など考えてみましょう。移動時間や商談時間を改善することは、商談期間を短縮するのに効果的です。

加えて、商談を進めていく上でリソースを割きすぎているところはないか、チェックすることも有効です。例えば、提案資料の作成に時間を割きすぎているならば、資料内容の見直しやテンプレート化も検討できます。

ツールの導入

営業支援ツールなどを利用することで、リードや既存顧客に関する営業情報の管理や記録、スケジュール管理ができるので業務効率が上昇し、商談期間の短縮に寄与します。

CRM や SFA などの営業支援ツールに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

4.取引単価を増やす

妥協しない価格提案

プロダクトが SaaS などで価格にオプションがある場合は、価格で妥協させるのではなく、顧客の課題に最適なソリューションであるなら高額なプランも積極的に提案しましょう。プランの単価を上げるだけでなく、顧客の情報を網羅的に把握できていれば、アップセル・クロスセルを狙い、トータルの取引単価を増やすことも可能になります。

まとめ

営業で結果を出せるチームを作るには、感覚的に成果を追うのではなく、セールスベロシティという包括的に営業の効率性を測れる定量的な指標を利用して営業パイプラインの管理・改善に取り組むことが大切です。

セールスベロシティを正確に算出するにはデータが適切に管理されていることが重要です。データベースから不正確なデータやエラー・矛盾などを発見し、正しいデータとなるように修正するプロセスをこちらの記事で詳しく解説していますので、この機会にご覧ください。