【生産性向上】売上を改善するために営業が取り組むべき5つの施策

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生産性とは?

生産性とは、どれだけ少ない労働量で多くの付加価値を生み出すことができたのかを表す際に使用されます。業務効率化ではコスト削減に注目されるのに対して、生産性では「付加価値」に注目します。

生産性は、設備や人的コストの「投入量」に対して、どれだけの「生産量(売上・製品など)」を生み出せたのかを測る指標です。以下の計算式で求められます。

  • 生産性 = {売上 − 費用(材料費・外注費など)} / 労働投入量(労働人数・労働時間)

コロナ禍においてリモートワークが普及し、また政府が打ち出した「働き方改革」をはじめワークライフバランスが重視される世の中の流れの影響から、従来の働き方に拘らない、より生産性の高い働き方への注目が集まっています。

世界と比較したときの日本の労働生産性

政府により働き方改革が打ち出された背景には、日本の労働生産性が最低レベルであり、その向上が急務であることが挙げられます。

実際に、公益財団法人日本生産性本部が報告した2018年のデータによると、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、日本の労働生産性は36カ国中18位となっています。

出典:公益財団法人・日本生産性本部

営業組織の生産性向上とは?

営業組織の生産性を向上させることで、以下のメリットを得ることができます。

  • 残業時間の削減
  • 労働生産性の向上
  • 純利益の増益
  • 業務の無駄がなくなる

このメリットは会社だけではなく、個人にも大いにメリットがあります。営業組織にとって会社の売上に直接関係のない作業を効率化し、売上に関係する業務に掛けられる時間が向上することで、各営業担当者のスキルアップにもつながります。

残業時間の削減

生産性向上によって、今まで残業で会社に残っていた時間を自分の時間や家族との時間として使うことができます。育児や介護と仕事との両立も可能になり、ワークライフバランスにつながります。

残業時間が削減されることは、身体への負担や精神的な負担が経験され、過労死や病気を防ぐのと同時に労務リスクが軽減されます。心身の健康が維持されることで、集中力が向上しケアレスミスの防止にもつながります。

また社員が個人のスキルアップに時間を使うこともでき、会社にとっても有益だといえます。

営業利益の増益

営業組織における生産性は、人的コストに対して、どれだけの売上を生み出せたのかで表されます。生産性が向上したというのは、より少ない人的コストでより多くの売上を生み出せたということになり、人件費が削減され売上が増加したことを意味します。これは結果的に営業利益の増益につながります。

離職率が低くなる

厚生労働省が発表した「平成30年雇用動向調査結果の概況」によると、20代の男女平均で前職をやめた理由として最も多かった理由として「労働時間、休日等の条件が悪かった」(14%)、「給料が少なかった」(11.6%)、「職場の人間関係が望ましくなかった」(10.7%)が挙げられています。

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出展:厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概況」

生産性の向上は、労働時間の削減につながるため、無理な残業や休日出勤の必要がなくなります。また生産性向上によって増益することで、人件費として使えるコストにも余裕が出て、より高い給料の支払も可能になります。このことから、生産性向上は離職率の低下にもつながると考えられます。

イノベーションの創出

イノベーションを生み出しやすくする組織作りのポイントとして、組織が一丸となって取り組むこと、アイデア出しできる環境の構築の2点が挙げられます。

アイデア出しの時間を確保するためには、組織の時間とリソースの余裕が必要です。毎日が目の前の業務で一杯一杯で、他のことに時間を割くことのできない組織にとって、アイデア創出の時間を取るのは難しいでしょう。

生産性の向上によって人材と時間に余裕ができれば、イノベーション創出に必要なアイデア出しの時間を作り出し、また社員の意識をイノベーションに向けることが可能です。

イノベーションの創出がさらなる生産性の向上につながり、ポジティブな好循環を作り出すことができます。

生産性向上のための5つの施策

生産性を向上させるための施策として、以下の5つの取り組みを紹介します。

業務の標準化

1つ目は業務の標準化です。属人化しやすい営業方法やノウハウを可視化して標準化することで、営業組織全体としての売上向上につなげることができます。

営業組織の能力を見える化するためには、まず営業オペレーションを可視化する必要があります。自社の営業において、

  • 何に対して
  • どれくらいのリソース(量)を投下し
  • どの程度の効率性(質)で
  • どのような時間軸で動いているか

を全て見える化し、各営業担当者が創出している成果を同じ基準で比較します。

そこから、新規・継続顧客を合わせて獲得総額が高いトップセールスの特徴を見つけ、組織が理想とする営業スキルを定義します。

理想的な営業担当者を定量的・定性的に定義することで、組織が目指すべき営業担当者像が見えてきます。

トップセールスの取り組みの特徴を基に、業務を規定し、サービスレベルを設定します。

これまで属人的に行われてきた営業方法も、データを用い標準化することで科学的なアプローチが可能となります。このとき、100%の標準化は無理であっても、取り組むべき業務を明確に規定し、サービスレベルを設定することが重要です。

新入社員に対して、マニュアルを作成して教育を進めていく方法も有効です。

業務の可視化

2つ目は業務の可視化です。まず、営業担当者の動きを可視化します。

  • 誰が
  • 何に対して
  • どれぐらい時間を掛けて

営業活動を進めているのかを見える化します。

次に、案件を可視化します。

  • どの商談が
  • どこまですすんでいるか?
  • どの段階でどのくらい時間がかかっているか?

をチェックします。

業務を可視化することでよどみが分かり、現在フォーカスすべき案件や今すぐ判断すべき事項が明確になります。

業務の自動化

3つ目は業務の自動化です。タスク管理や、データ入力など自動化できるものは自動化して、直接売上につながる業務に時間を使えるよう意識します。

営業担当者が顧客と向き合う時間が増えることで、顧客にとって付加価値を提供する活動により集中して取り組むことができます。

業務の最適化

4つ目は業務の最適化です。組織と個人両方の側面から業務を最適化します。これをセールス・イネーブルメント(Sales Enablement)と呼び、営業活動を改善するための一連の取り組みを指します。

業務の最適化に取り組むには、まずはじめにどの業務を最適化するのかを明確にします。その上で、セールスのトレーニング、コーチング、ツールの活用方法、アプローチ方法など様々な側面から組織にとって必要な改善点を見つけます。

組織全体の営業力向上に向けて改善する過程で、さまざまなビジネスの活動が数値化され、ボトルネックの改善にもつながります。

また、生産性向上には個人のスキルアップ、すなわち個人のスキル最適化も重要です。定量的・定性的に定義された理想的な営業担当者になるために、今不足しているスキルを見える化してスキルアップに取り組みましょう。

ソリューションを導入するには

生産性向上に有効なシステムとして代表的なものは以下の3つです。

  • CRM(顧客管理システム)
  • SFA(営業支援システム)
  • 営業支援ソリューション(Sales Enablement Technology / Sales Management Techonogy)

CRM(顧客管理システム)とは

CRMとは、カスタマーリレーションシップマネジメントの略で、今まで逃していた顧客や見込み顧客との関係性を強め、既に構築された関係性を維持するために必要不可欠なツールです。

顧客管理の他、顧客の購買目的やニーズ、志向などの情報を総合的に管理することができます。それまで営業担当者が属人的に把握していた顧客情報がデータ化され、業務が見える化されます。

売上の予測や、担当者ごとの営業パフォーマンスの分析を行い、改善につなげられます。

SFA(営業支援システム)とは

SFAとは、Sales Force Automationの略で、営業支援システムを意味します。

営業活動のプロセスや情報を管理することで、データの蓄積と分析を自動化します。営業担当者が個人で管理しがちな商談の進捗状況をシステム上で見える化し、組織全体で営業活動の生産性を向上させます。

営業支援ソリューション(Sales Enablement Tool)とは

営業支援ソリューション(Sales Enablement Tool: SET)は、営業ではCRM、マーケティングではMAのように様々なツールが活用される中で顕在化したツール/データ連携の課題を解決する目的で誕生したテクノロジーです。

社内の組織ごとに別のツールが導入されることで、データの連携が困難になりせっかく蓄積したデータが十分に活用されにくくなるという課題があります。こういった課題に対して、SETを利用することでデータを統合・分析し、アプローチすべき顧客やアクションを営業担当者へ提案できます。

営業データの活用については、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。

ビジネスの行方を左右する営業データの活用

まとめ

  • リモートワークや働き方改革で生産性に注目が集まっているものの、世界各国と比べると日本の労働生産性は最低レベル。
  • 営業組織の生産性向上により、残業時間の削減、労働生産性の向上、純利益の増益、業務の無駄がなくなるといったメリットを得ることができる。
  • 営業生産性を向上させるためには、業務の標準化、業務の可視化、業務の自動化、業務の最適化、組織と個々のイネーブルメントの5つの要素が必要である。