結局分析しただけになっていませんか?本質的なセールスイネーブルメントを実現する方法

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セールスイネーブルメントが近年大きな関心を集めています。組織の営業力を最大限に引き出すことを目的としていますが、言葉に習って表層的な解決に走るケースが後を絶ちません。セールスイネーブルメントの真の目的を達成するためには、ただ分析するだけでは不十分です。実際の営業活動が変革され、成果が変わることが重要であり、分析はあくまでファーストステップに過ぎません。営業担当者が慣れたプロセスを変化させることが必要であり、その際にはテクノロジーを活用してサポートすることが重要です。

この記事ではよくある失敗と解決策について記載しています。

分析に集中してしまうことの弊害

一言で言えば、手段の目的化です。”Enablement” とは直訳すれば有効化であり、生産性を最大化することがセールスイネーブルメントの最終目的であり、これに繋がらない作業はすべて無駄です。現に、セールスイネーブルメントに売上責任をもたせる会社も存在します。それくらいセールスイネーブルメントは売上に影響を及ぼし、なおかつ責任の伴う役職なのです。

分析だけに集中してしまうことで起こる弊害は、以下のような点が挙げられます。

  1. 実行不足: 分析に時間とリソースを割くあまり、実際の営業活動やオペレーションそのものを変革する対する取り組みが疎かになることがあります。この結果、分析結果を活かした戦略を実行する余力がなくなり、最終的な成果が得られないという問題が発生します。
  2. 分析中毒: 分析に集中しすぎると、営業担当者は分析やその手法に過剰に依存し、意味のないデータの入力を営業現場に求め、工数を増やしてしまう可能性があります。営業は多忙かつ、工数を少なくして迅速に対応することが求められる職種であるため、ゴールイメージのない分析は大きなデメリットとなります。
  3. 過剰な計画性: 分析によって得られた情報をもとに、過剰な計画や戦略を立てることがあります。しかし、営業現場では予測できない要素が多く存在するため、あらゆるシナリオを網羅する計画を立てることは困難です。計画性にこだわりすぎると、現場での柔軟性が失われ、効果的な営業活動ができなくなることがあります。
  4. 現場との乖離: 分析だけに集中すると、営業現場で実際に起こっている問題やニーズに目を向けられなくなります。これにより、理論的な戦略は立てられても、現場での実効性が乏しいものになってしまうことがあります。

なぜ分析だけでは足りないのか

繰り返すようですが、分析だけを行っても、実際の成果には繋がりません。分析はデータをもとに営業戦略を立案する上での大切なステップであることに間違いないと考えますが、その後の実行そのものが変革されなければ、どんなに良い戦略でも成果を上げることは難しいのです。あくまで営業活動を通じた顧客との関係構築が最重要であり、その構築方法がどう変わるかまでイメージできていなければ有効な原因特定はできないと言えるでしょう。

しかし、営業担当者が慣れたプロセスを変化させることは、簡単なことではありません。人間は変化を恐れる傾向があり、特に営業という成果を厳しく求められる職種では、新しい方法に取り組むことに対する抵抗感が強い場合があります。セールスイネーブルメントを担う方は、「成果をサポートする」という一貫した姿勢が必要です。

その際に役立つのが、テクノロジーの活用です。例えば、営業担当者が顧客とのコミュニケーションを効率化するためのツールや、営業プロセスを効果的に管理するための営業支援ツールなど、様々なソフトウェアが存在します。これらのツールを活用することで、営業担当者は自分たちのプロセスをスムーズに変革することができます。

ではどうすればいいのか

実はこのような課題に対して、Sales Engagement Technology(SET)というツールが解決策としてすでに米国で主流になりつつあります。なぜならSETは「営業の成果をもたらす要因」を導き出し、さらに各担当が行うべき活動をリアルタイムでアドバイスするため、成果の後押しまで行うことが可能だからです。「セールスイネーブルメント担当や上司に言われたこと」よりもシステムが提案すると抵抗感も減るため、スムーズに業務を改善することが可能なのです。

SET とは

SETは以下のようなことを主に支援します。

SETは、営業プロセスを効率化し、営業担当者の生産性を向上させることを目的として開発されたツールです。顧客管理、商談管理、営業チームのパフォーマンス分析など、営業活動に関連する多くの機能が提供されています。

SETを導入することで、営業担当者はタスク管理や顧客対応の効率化が図られるため、業務にかかる時間を大幅に削減することができます。また、営業チーム全体の生産性が向上することで、同じ成果を得るための労力も減り、結果的に残業が減少します。

さらに、SETはリアルタイムで営業データを提供するため、営業担当者はいつでも最新の情報をもとに適切な判断を下すことが可能です。これにより、営業活動の遅れや誤りが減り、無駄な時間を削減することができます。

こちらの記事で、今米国で普及しているSETをまとめていますので、御覧ください。

また、日本でもSETの活用が始まっており、弊社が提供している「Magic Moment Playbook」が地方企業から大手企業まで幅広く導入されています。(導入事例

弊社はSETの活用を含めたセールスイネーブルメントの仕組みづくりの部分で他社事例を多く持ち合わせています。業界・営業体制ごとにぶつかりやすいポイントや Magic Moment Playbook の活用でどのような効果が得られるのか知りたい方は、以下のお問い合わせフォームをお送りください。Magic Moment Playbook を使った営業がメールで返信いたします。

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まとめ

手段が目的化しないセールスイネーブルメントを実現させるには、分析だけに頼らず、明確な目標設定、データ収集と分析、戦略立案、実行と評価を経て、最終的に Sales Engagement Technology(SET)の活用が欠かせません。これらのステップを踏むことで、営業チームは実行力を高め、成果を最大化することができます。

SET を導入することで、営業担当者は効率化されたプロセスと最新の情報を活用し、柔軟に変化に対応できる営業活動を展開することが可能となります。分析は重要ですが、それだけでは不十分であり、実際の営業活動を変革する取り組みが成果に繋がる鍵となります。