【チャーン改善】カスタマーサクセスを実現するインサイトの発見方法

もはやカスタマーサクセスを重視しない企業は少ないでしょう。日常のあらゆるものが「サブスクリプション化」される現代では、カスタマーサクセスの実現は極めて深刻で緊急度が高いです。

それは、顧客の行動が「所有」から「利用」に変化したことに起因しています。購入時の出費を抑えられるだけでなく、不必要だと感じたらいつでも利用を停止することができるため、買い手にとってはとても都合のいい状況です。

では、サブスクリプションビジネスを展開する企業側はどうでしょうか。サブスクリプションビジネスにおける成功の鍵は、顧客との長期的な関係を築くことです。顧客獲得にはコストがかかるため、チャーン(解約率)が高いと、投資額に見合った結果を導くことができません。それどころか、チャーンの原因を特定しなければ顧客の流出に歯止めが効かなくなり、経営を圧迫させる恐れがあります。

そこで本記事では、チャーンが高騰する原因を特定し、長期的に課題発見・改善を実現する方法を解説します。

カスタマーサクセスに失敗する要因は?

チャーンレートが高騰するのは、顧客体験に問題があるからです。顧客は自分の課題を解決するための手段としてサービスを購入するため、期待していた体験や成果を得ることができなければ、他の選択肢を探すでしょう。

では、カスタマーサクセスの人員を増やせばチャーンは改善されるのでしょうか。それは大きな誤解です。チャーンが多いセグメントにリソースを浪費してしまう恐れがあります。カスタマーサクセスに投資しても、それは企業の他の部分における根本的な欠陥の穴埋めにはならないからです。

  • 製品自体に問題があり、カスタマーサクセスがフォローできない
  • マーケティング・営業とカスタマーサクセスが提供する情報に差異がある
  • 営業がカスタマーサクセスに顧客情報を共有しておらず、同じ会話を繰り返す

といった理由で、顧客体験を悪化させている可能性があります。本質的な課題を特定しなければ、どんなにカスタマーサクセスに投資しても、取り組みは失敗に終わるでしょう。チャーンの改善はカスタマーサクセスだけが負う責任ではなく、事業全体が意識するべき重要課題なのです。

カスタマーサクセスを成功させる正しい意思決定を行うためには

チャーンを改善するためには、顧客体験を悪化させている問題を特定し、改善するための正しい意思決定を行います。

散らばった情報を統合する

顧客情報が部門間で分断されたままでは各部門の部分最適が進み、顧客体験の向上からかけ離れてしまいます。顧客ライフサイクル全体を俯瞰して課題を特定しましょう。

統合したデータを分析し、「顧客体験を向上させるためのインサイト」を発見します。マーケティング・営業・カスタマーサクセス全ての部門とのタッチポイントを観測することで、顧客の理解が深まります。

次の様な状況があったとします。マーケティングから創出されるリード数を確保できていて、営業が引き継いだ後も案件のクローズに成功している。マーケティングと営業は自分たちのKPIを達成して喜んでいるが、チャーンは高騰し、カスタマーサクセスの責任が問われてしまう。カスタマーサクセスメンバーはチャーン改善のために日々奮闘しているのに、原因が特定できないまま、いつまで経っても状況が好転しない。このままでは、収益を圧迫させてしまうでしょう。

しかし、データを統合して情報を一元管理すると、顧客が自社に初めて接触してきた時から購入に至るまでの流れを把握することができます。マーケティングが正しい顧客層をターゲットとしていない・営業がサービスと合わない顧客をふるい落とせていないといった本質的な課題を特定することができます。

分断された組織を連携する

KPIとして設定する目標は異なっていても、最終的に達成するべき共通の目標は「顧客体験の向上」です。その目標が組織全体に浸透していないと、データを統合して顧客体験を阻害する要因を特定しても、そのインサイトを実際にサービスに反映させることができません。「課題は発見したのに、チャーンは下がらないまま」という状況に陥ってしまいます。

分断されていた各部門の連携を強化し、継続的にチャーンの課題発見・改善を行うプロセスを構築します。例えば、一般的なSaaS企業の収益に関わるKPIには、チャーンの他にもMRR(月間経常利益)・リテンション率・セールスベロシティなどがあります。これらの関係性を明示することで、顧客体験の向上には部門間の連携が重要であることをメンバーに認識してもらえるはずです。

個々の顧客は異なる課題を持ち、その解決策としてサービスを購入します。そのため、1度の修正で優れた顧客体験を保証することはできません。顧客のライフサイクルを定期的に観測・分析し、組織全体でチャーンを改善します。

マーケティング、エンジニア、営業、カスタマーサクセスといった顧客体験に取り込まれる異なる機能の全てが連携された状態であれば、チャーンが高騰する前に課題を発見し、事前に対処することも可能になるでしょう。

ツールを連携してデータを統合する

データを統合する具体的な方法として、ツールの連携が有効です。近年ではMA・CRM・SFAを代表とするツールで顧客の情報を管理する企業が増え、部門ごとに異なるツールを使用しているケースが多いです。これが原因で分断されていた情報を、ツール同士のAPI連携を行うことで一元管理します。

連携させることで、さらに多くの属性データ・行動データが確認できます。そのため、1つのツールを運用していた時には見つけることができなかった、長期的な関係が見込めるロイヤルカスタマーの特性や、チャーンが発生した顧客の共通点を発見できます。API連携の重要性と注意点をこちらの記事で解説しています。

カスタマーサクセスを実現するためには

チャーンの原因をいち早く特定するためには、組織内で分断された情報を統合し、顧客ライフサイクル全体を観測・分析することが重要です。カスタマーサクセスを成功させる正しい意思決定が実現すれば、ロイヤルカスタマーとなる顧客も増えるはずです。

しかし、実際にデータの統合・分断された組織の連携を試みても

  • 部門間の連携を強化するプロセス構築が難しい
  • ツールを連携させて活用するノウハウがない
  • データが信頼できるか分からない

といった障壁にぶつかることも少なくありません。力のある企業の組織構造や導入ツールを表面的に模倣しても、長期的な成果を生み出すことはできないでしょう。

以上の様な課題を解決するための具体的な取り組みに加え、BtoBビジネスの成長を妨げる4つの壁を突破する方法をこちらで解説しています。この機会に併せてご覧ください。

BtoBビジネスの成長を妨げる4つの壁

 

参考