不況・コロナによって法人営業(営業職)はどう変わってしまうのか?

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要約SUMMARY
  • コロナ禍をきっかけにオンライン上での面談や営業活動が進み、必ずしも対面営業が当たり前では無くなってきた
  • 社内でのコミュニケーションに基づく主観的な評価から、営業支援ツールを活用した客観的な評価への見直しが必要
  • 営業活動をデジタル化することで、時間とコスト面でも多くのメリットが得られる
  • 一方ツール導入のために、サポート体制の整備や自社に合ったサービス選定が必要

2020年3月に初めてコロナによる緊急事態宣言が発令されました。

国内におけるコロナによる経済への影響として、観光産業や外食産業で大きな損失が出ています。一方で、テレワークの推進や外出制限により、ICT 技術関連の産業や EC の分野では売上が伸びています。

環境の変化により法人営業(営業職)にも、対面から非対面へのシフトなど大きな変化があります。本記事では、コロナによって法人営業(営業職)の仕事がどう変化し、これからの法人営業(営業職)に求められることは何で、どう工夫していくべきなのか、解説します。

→ダウンロード:BtoB 営業組織チェックシート

コロナ・不況による法人営業(営業職)を取り巻く環境変化

コロナ禍(2019年)以前より、営業を取り巻く環境は大きく変化しています。

  • 顧客の購買行動の変化
  • 販売活動の複雑化
  • ビジネスモデルの変化
  • ディスラプターの登場
  • プロダクトの複雑化
  • 労働力不足

上記のような様々な環境変化に伴い、営業の方法や働き方も変わってきました。

加えてコロナ禍により、営業活動の変化は決定的になり、

  • 営業形式は対面営業から非対面営業へ
  • 営業活動は量から質へ
  • 情報共有の仕組みはアナログからデジタルへ
  • 商談・顧客管理から、顧客エンゲージメント管理へ

と変化しました。

非対面の法人営業(営業職)

新型コロナウイルスのパンデミック以前では、対面営業が当たり前といった常識が根強く残っていました。「足で稼ぐ」という言葉があるように、見込み顧客への訪問数が営業職の価値基準の大きな要因とされている時代が長く、訪問数を KPI としている組織も多くあります。

訪問営業は見込み顧客の担当者に直接会えるメリットがある反面で、時間的・金銭的コストが多くかかる行為です。内訳として、事前準備、移動時間・費用、資料の印刷代や手土産など、訪問するというだけでコストの嵩む行為であるといえます。

さらに訪問することは、見込み顧客にとっても必ずしもが価値があるとはみなされていないようです。Hubspot が実施した見込み顧客への「好印象を受ける営業のポイント」についての調査(【2020年版】営業活動の改善に役立つ73の衝撃的な統計)によると、次の項目が上位に入っています。

  • プロスペクトのニーズに耳を傾けること(69%)
  • 押しつけがましくしないこと(61%)
  • プロスペクトに当てはまる情報を提供すること(61%)
  • すぐに対応すること(51%)
出典:HubSpot「Buyers Speak Out: How Sales Needs To Evolve」

上記のポイントを満たした営業活動であれば、対面でなくても見込み顧客は営業の介在価値を感じることができると言えます。特にインサイドセールスの求人が増加し、実際に未経験で転職する人が増えていることからも、今後ますます非対面営業は増えていくでしょう。

非対面営業の立ち上げにご興味がある方は、こちらの非対面営業(インサイドセールス)に関する記事をお読みいただくのがおすすめです。

コロナ禍をきっかけに進んだ非対面の法人営業(営業職)

コロナ禍をきっかけにオンライン上での面談や営業活動が進み、必ずしも対面営業が当たり前では無くなってきました。

例えば BtoC のアパレル産業では、以前は店員が顧客と直に接しながら営業していたところ、コロナ禍では動画ライブ配信ツールを用いた服の紹介やコーディネートの提案が進み、ライブ視聴しながら顧客が購入可能な「ライブコマース」も普及しました。

BtoB の営業においても、Web 会議ツールを使った営業が一気に普及しました。また、セミナーを使った新規開拓の一環としての集客営業においても、「ウェビナー」と呼ばれる Web 会議ツールを活用した非対面型セミナーが広く普及しました。
オンラインツールの活用により、これまで地理的な制約や会場サイズで参加が難しかった顧客層へのリーチが可能となり、対面型では実現できなかったスケールが生まれつつあります。

これまでのように、ただ足で稼ぐだけの営業職は不要となってくるでしょう。営業職に求められる役割の幅が広がっている中で、できることを増やしていくことが必要不可欠となります。

質を重視した営業活動へのシフト

コロナ禍でテレワークの導入が進んだことで、社内でも顔を合わせてやりとりするのではなく、Web 会議やメール・チャットを活用したコミュニケーションが主流になりました。エンワールド・ジャパンの調査によると、テレワークの導入で最も課題となったのが「社員間のコミュニケーション」だと回答されています。(外資系企業:67%、日系企業:74%)

出典:en world「グローバル企業のテレワーク実態調査」

特に営業という職種では、営業部門の責任者が各担当者の顧客へのアプローチや関係性の構築を把握し、多くの企業でそれを人事評価基準として設定しています。しかしながら、テレワークの導入により働いている様子がわかりにくく、従来の人事評価がしづらくなり、ノルマに対する成果のみで評価をしてしまっている企業もあります。

営業職は顧客と直接携わるポジションであり、企業が成長するためには必要不可欠です。

そもそもの成果指標が変化してきている中で、適応できていない企業が多く、結果として営業はいらない・なくなるという論調や、ミスマッチによる退職が増えています。

アフターコロナの営業方法

今後コロナが落ち着いたとしても、従来の営業方法に完全に戻るというよりも、インサイドセールスをはじめとしたテレワークでの営業が続いていくことが予想されており、営業の人事評価体制も見直していく必要があると言えます。

具体的には、社内でのコミュニケーションに基づく主観的な評価から、SFA や CRM などの営業支援ツールを活用してデータとしてトラッキングし、データを基にした客観的な評価への見直しが必要となってきています。

営業の人事評価を見直し、優秀な営業マンが「辞めたい」と言わないような透明性の高い評価制度を目指しましょう。

営業活動のデジタル化(DX)

営業担当者の業務は、見込み顧客との商談だけでなく、社内会議や事務処理作業など、売上に直接結びつきにくい業務まで多岐に渡ります。

「営業マン1,000人に、自身の業務の中で無駄に感じる業務・効率を上げたい業務について質問した」ベルフェイル株式会社の調査によると、「社内会議」が1位にランクインしました。また、2位に商談の事前準備、3位に商談に伴う移動時間と、非対面営業の導入でより効率化が可能な業務が上位にランクインしています。

出典:Sales Tech Hub by bellFace 「【1000人アンケート】営業職の平均残業時間は?年齢・年収・家族構成別の調査結果」

1位の社内会議については、多くの営業組織で全員が同じ時間に会議室に集まり、数字報告会議を行うのが常識のように思われています。しかし、オンライン上で共有されたファイルに各営業担当者が数字を入力し、気になる点だけを上司が確認するといったプロセスを踏めば、特に問題のない担当者は会議時間を別の業務に当てることができます。

2位の商談の事前準備は、対面営業でも非対面営業でも必要な業務ですが、非対面営業では、資料の印刷や手土産の購入、相手のオフィス場所・移動ルートの確認などの手間が削減できます。

3位の商談に伴う移動時間は、非対面営業の導入で最も時間・コストが削減できる点といえます。これまで移動に費やしていた時間を、新たな見込み顧客との面談時間に使うことができます。

このように、営業活動をデジタル化することで、時間とコスト面でも多くのメリットが得られます。

法人営業(営業職)における顧客エンゲージメント管理

HubSpot の営業の生産性に関する統計(2021)によると、

「営業担当者が実際に見込み顧客と話をしている時間は、1日の3分の1にすぎません。1日の21%はEメール作成に、17%はデータ入力に、さらに17%はリードの新規獲得と調査に、12%は社内のミーティングに、そして12%は電話のスケジューリングに費やされています。」

このデータからわかる通り、営業担当者が顧客とコンタクトを取れる時間は、想像以上に限られています。受注に繋がる見込みが薄い顧客に何度もアプローチすることは、貴重なリソースを無駄に使うこととなり、コストパフォーマンスが悪いです。

逆に、受注に繋がる見込みが高い顧客に対してアプローチできていない場合、獲得の機会を失うだけではなく、見込み顧客との信頼関係も失うことになりかねません。

つまり、受注の可能性が高い見込み顧客と、そうではない見込み顧客を常に整理し、適切なアプローチをかけ続けることが、最大のパフォーマンスを発揮する鍵といえます。

近年では、欧米をはじめ日本でも顧客管理をサポートする SFA/CRMの導入や、訪問なしで効率的なリード獲得を実現するインサイドセールスなどの手法が発達しています。有望な見込み顧客の見極めに膨大な時間をかけるのではなく、それらのツールや手法を効果的に使用して、時間を有効に使うことが大切です。

ツール活用によるある課題と解決策

ただし、SFA/CRM のような新しいツールや手法を導入するのは簡単ではありません。ツールを導入しても、営業担当者の間で

  • ツールの使い方が難しく入力が億劫
  • 既存の業務フローを崩したくない
  • 業務の負担を増やしたくない

といった課題が出てくる可能性もあります。

こういった課題に対して、

  • SFA・CRM ツールの導入目的から必要な情報や機能の要件定義を行う
  • SFA・CRM ツールでワークフローを組み自動化する
  • 営業担当者がツールを使いこなせるように教育・研修を行う
  • ツールの導入目的とメリットを理解してもらう

など、現場ができるだけスムーズに動くようなサポート体制の整備や、自社に合ったサービス選定など対策が必要です。

アフターコロナでも営業活動のデジタル化(DX)を通じた生産性向上は必須である

  • 近年営業を取り巻く環境は大きく変化しており、コロナ禍がその動きを後押ししている。
  • コロナ禍をきっかけにオンライン上での面談や営業活動が進み、必ずしも対面営業が当たり前では無くなってきた。
  • 社内でのコミュニケーションに基づく主観的な評価から、SFA や CRM などの営業支援ツールを活用した客観的な評価への見直しが必要となってきている。
  • 営業活動をデジタル化することで、時間とコスト面でも多くのメリットが得られる。
  • SFA/CRM のような新しいツールや手法を導入する際は、サポート体制の整備や、自社に合ったサービス選定が必要。

ツールや組織設計を適切に活用すれば、営業組織の生産性を上げることができます。そのためにはまず、自社の組織は今どの点に課題を抱えているのかを把握し、効率的に課題解決を進めていく必要があります。

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