AI を活用した営業活動とは? メリット・デメリットや事例を紹介

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要約SUMMARY
  • AI(人工知能)は、学習・推論・意思決定・創造などの機能があり、営業分野においても効率、正確性、生産性向上のために活用が期待されている
  • 営業活動で AI を活用することで、「人にしかできない業務に集中できる」、「顧客エンゲージメントを強化できる」、「データドリブンな営業活動が可能になる」などのメリットが得られる
  • AI の強みを最大化する上で重要な「質の高いデータ」を蓄積するのに役立つ AI を搭載した営業ツールも登場している

営業の世界では常に効率と生産性の向上が求められますが、近年は AI(人工知能)の活用が注目されています。営業活動における AI 活用を検討する組織も増加する一方で、実際のどのように活用でき、どのような効果が期待できるのか具体的なイメージをお持ちでない方も多いかと存じます。

本記事では、営業分野における AI とは何かから始め、そのメリットとデメリットを詳しく解説します。さらに、営業 PDCA サイクルにける AI の活用と、実際のサービス事例も紹介します。

また、当社では AI 営業プラットフォーム「Magic Moment Playbook 」を提供しています。効果的な営業オペレーションの構築と、営業活動の大幅な増加により、大手企業からスタートアップまで幅広い顧客において、商談数が1.5倍、受注率が1.2倍向上するなどの成果をあげています。

営業における AI とは

営業分野における AI とはどのようなものなのか、AI の基本的な概念から説明します。

AI (人工知能)とは

AI (Artificial Intelligence)は、日本語では「人工知能」とも呼ばれている、コンピュータを使って、学習・推論・意思決定などの人間の知能を模倣する技術のことです。一般的に AIシステムは、ラベル付けされた大量の学習データを取り込み、相関関係とパターンを分析し、これらを活用して将来の状態を予測することによって機能します。

AI の主な機能

AI の主要機能として、学習・推理・自己修正・創造の4つが挙げられます。(図1)

図1: AI の主要機能

これらの機能は、AI の技術要素よって実現されるものであり、AI の技術要素は大きく「機械学習」、「自然言語処理」、「画像認識」、「音声認識」、「推論・探索」、「データマイニング」の6分野に分けられます。

6分野の AI 技術要素については、弊社の公式 note で公開された連載「Future of Sales」の第一章で詳しく解説しています。「Future of Sales」では、営業における AI の最新トレンドに関するリサーチから中長期のインパクトを探り、企業が備えるべき営業の未来を考察しています。ぜひご覧ください。

併せて読みたい:Future of Sales「第一章:AI 技術要素と営業における実用化例」

営業における AI 活用とは

近年では、営業分野においても AI の活用が期待されています。世界的調査期間 Gartner は、2028年までに営業担当者の業務の60%は AI によって実行されると予想しており、AI による営業変革が期待できます。1) しかし、AI がすぐに営業担当者に完全に置き換わるわけではありません。電話や商談など顧客とのコミュニケーションが重要である営業において、現在の AI では人間を完璧に模倣することはできません。 AI は、データに基づいたインサイトの提供、営業の効率、正確性、生産性を向上させるための販売プロセスの最適化など、営業担当者の業務を支援する役割を担います。

AI 活用のメリット・デメリット

以下は、AI と人間の脳を比較した表です。(図2) ここで示されている AI の強みと弱みを元に、AI 活用のメリットとデメリットを解説します。

図2: AI の脳の強みと弱み

メリット

AI の脳では、定量的最適化やマッチング、状況ごとのカスタマイズを人間の脳よりも容易に行うことができます。AI による学習には膨大な量のデータが必要ですが、人間の脳よりも迅速かつ正確にデータの分析を行うことが可能です。これらの強みを踏まえて、営業組織における AI 活用のメリットを説明します。

人にしかできない業務に集中できる

先述のように、現在の AI は人間に完全に取って代わることはできません。しかし、人が行っている営業業務の一部を代替することは可能です。Salesforce が2022年に発表した「セールス最新事情」 (第5版)よると、営業担当者が実際に営業に費やす時間は週のうちわずか28%であり、多くの時間は案件管理やデータ入力などの事務的な業務に費やしていることがわかっています。2)

AI を活用することで、単純かつ反復的な業務を自動化することができます。McKinsey&Company の調査によると、営業業務の約3分の1が現在の AI 技術の活用により自動化できるとされています。3) (図3) AI を活用して反復的な業務に費やす時間を削減できれば、商談や営業電話などの人にしかできない業務により多くの時間を割くことができ、生産性向上も期待できるでしょう。

図3: Sales automation: The key to boosting revenue and reducing costs(McKinsey & Company, 2020/5)をもとに Magic Moment が加工

顧客エンゲージメントを強化できる

近年、売り切りではなく、サービスに対して一定期間ごとに料金を支払うサブスクリプションビジネスが増加しています。これまでのストック型のビジネスモデルでは、顧客の獲得数や案件の契約数が重視される顧客獲得主義でした。しかし、サブスクリプション型のビジネスモデルでは、多くの新規顧客・案件を獲得できても、解約率が高ければ売上は向上しません。このようにビジネスモデルの変化に伴い、獲得数や契約数を重視する顧客獲得主義から解約率を重視する顧客エンゲージメント主義への移行も進んでいます。

顧客エンゲージメント主義において重要なのが、継続的な顧客の獲得です。解約率を低下させるためには、顧客エンゲージメント、つまり企業と顧客との信頼関係が重要であり、この顧客エンゲージメントを強化させるためには、丁寧かつ迅速な顧客対応が求められます。しかし、人手不足が深刻化しており、特に営業職の人材確保は多くの企業で課題になっています。(図4)

図4: 人材が不足している部門は営業職がトップ(出典:エンジャパン「人手不足の状況について」)

ここで活用できるのが、AI を搭載したチャットボットです。AI のチャットボットでは、24時間365日顧客からの質問に対してリアルタイムで対応することが可能です。さらに、AI は顧客対応を行う中で学習し、より顧客にパーソナライズした対応ができるようになります。また、AI を活用して顧客とのやり取りやチャットボットの利用者アンケートなどを分析することで、営業担当者も顧客のニーズや好みも理解することができます。これにより、営業担当者も顧客にパーソナライズされた提案を行うことができ、顧客エンゲージメントの強化に繋がります。

データドリブンな営業活動が可能になる

AI を活用することで、膨大な量の顧客・案件データを迅速かつ正確に分析することができます。近年、営業組織の DX 化に取り組んでいる企業が増加する中で、SFA や CRM を導入する企業も多くあります。SFA や CRM に案件や顧客に関するデータを蓄積することはできていても、そのデータを分析し、結果を営業での行動に反映できていない企業は少なくありません。

AI では、顧客とのメールのやり取りや電話での会話も自動で分析し、そこから顧客の行動、好み、課題、購入パターンに関する洞察を得られます。営業担当者は、この洞察を元に営業活動を行うことで、顧客エンゲージメントの強化にもつながります。さらに、トップセールスの電話やメール、商談を AI で分析することで、成果の出せる営業手法を特定することも可能です。効果的な営業手法をチーム全体で共有することで、営業担当者の個人差が減り、最終的には組織の営業力の底上げも期待できるでしょう。

デメリット

AI の活用には多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。そのため、導入を検討する際には、以下で紹介するデメリットも踏まえて AI の導入が最適かどうかを考える必要があります。

データのプライバシーやセキュリティに関するリスクがある

AI を活用して分析するデータには、企業の機密情報や顧客の個人情報が含まれるため、取り扱いには注意が必要です。AI によるデータ分析では、膨大な量の顧客データと取引データを使用するため、プライバシーやセキュリティを軽視すると、データの侵害や法的問題にまで発展する可能性があります。また、データの透明性は顧客との信頼関係の維持にも関わるため、データをどのように収集、処理、保護するのか顧客に開示する必要があります。AI 導入時には、全ての営業担当者がプライバシーやセキュリティーに関するリスクを把握し、AI を適切かつ効果的に活用するための AI リテラシーを身につけることが求められます。

AI による予測・分析結果が正確ではない可能性もある

AI を活用すれば必ずしも精度の高い分析結果を得られるとは限りません。AI による分析結果は、分析に使用するデータの量と質に依存しています。そのため、データの量が少ない上に、データが古い・統一されていないなど質が低ければ、正確な分析結果を得られないこともあります。AI をデータ分析に活用する上では、質の高いデータを継続的に収集・蓄積する体制作りが企業にとっての必須課題となるのです。

では、データの質を向上させるためにはどうすれば良いのでしょうか。以下の資料では、データの質が低いことによって起こる弊害、そしてデータの質を向上させるデータマネジメントの方法について解説しています。無料でダウンロード可能ですので、ぜひご活用ください。

営業PDCA サイクルと AI 活用

営業において、Plan(計画)・Do(活動)・Check(評価)・Action(改善)というような流れは重要です。この PDCA サイクルを作ることで、スムーズな営業活動と目標達成に向けた継続的な改善を実現することができます。

ここでは、営業の PDCA サイクルにおいて、AI がどのように活用できるのかを、AI の機能や具体的なサービス事例も交えて解説します。(図5)

図5: 営業 PDCA と AI 活用

Plan(計画)

Plan の段階では、達成すべき目標の設定を行います。目標を設定するためには、未来を予測することも重要です。AI を活用することでより高度な分析と正確な予測を行うことができるため、最適な目標設定に貢献できます。

売上予測

目標設定では、商談件数や成約率などの具体的な数値を決める必要があります。そのためには、まず現状を踏まえて今後どれくらいの売上が見込めるかを予測する必要があります。従来の販売予測の方法は、線形回帰として知られる2つの変数の比較に基づいたものであり、営業担当者の売上と経験年数との相関を見つけることができます。さらに高度な予測をするために活用するのが AI です。売上予測においては、AI の技術要素の1つである機械学習を使用します。機械学習は、時系列分析、回帰分析、決定木分析などに基づいて正確な売上予測を生成できる上に、膨大なデータセットを分析できるため、さらに高度な分析、予測を行うことができます。

リードジェネレーション

営業担当者が目標を達成するためには、できるだけ成約する見込みの高い顧客にアプローチすることが大切です。これまで営業担当者が担っていて、時間のかかる工程であったリード創出も、AI を活用することで購買により近いリードを予測し、効率的に見つけ出せるようになります。

AI は、以下のようなことを予測できます。

  • 自社の商品・サービスに興味を持っている可能性のある新規顧客
  • 次にターゲットにすべき見込み顧客
  • 成約する可能性が最も高い見込み顧客

AI を活用したリードジェネレーションでは、業界・職種・人口統計・市場動向など見込み顧客に関する様々なデータをふるいにかけ、購買に至る可能性が高いリードを見つけ出すことも可能です。これを行う過程でも、顧客データの収集と分析を行うことで、リード創出の精度向上も期待できます。

サービス事例

Freshsales:Freshsales CRM

Freshsales

Freshsales CRM は、AI の活用で詳細な分析とより賢明な意思決定を可能にする営業支援ツールです。Freshsales CRM に搭載されている Freddy AI は、以下のようなインサイト、予測、提案を提供します。

  • コンタクトのスコアリング
    • Freddy AI によって割り当てられたスコアを使用して、関心の高い潜在顧客を特定し、優先順位をつける
  • 取引に関する洞察
    • 過去の売上データ、エンゲージメント、アクティビティに基づいた Freddy AI の洞察により、取引成立を予測する
  • 販売予測と販売レポート
    • 過去の販売データに基づいて販売実績と収益を予測する
    • 販売サイクル、活動レポートなどチームのパフォーマンスを追跡し、ボトルネックを特定する
  • ベストアクションの提案
    • エンゲージメント不足によるリード損失を防ぐために、Freddy AI に基づいた次の最善アクションを提案する

  • 料金
    • Free 月額 $0/ユーザー
    • Growth 月額 $18/ユーザー
    • Pro 月額 $47/ユーザー
    • Enterprise 月額 $83/ユーザー
  • AI によるコンタクトスコアリングが搭載されているのは Growth から
  • AI による予測インサイトが搭載されているのは Enterprise のみ

Do(活動)

AI を活用することでこれまで人の手によって行われていた営業業務の多くを自動化することが可能です。McKinsey&Company の調査では、営業業務の5分の1が自動化できる可能性があることが報告されています。4)

メールの自動送信

商談前のフォローアップ、資料送付、御礼メールをはじめとするフォローアップなど、営業担当者はメールの作成と送信だけでも多くのタスクがあり、重要な業務である反面、時間がかかり負担が大きいのも事実です。さらに、メール作成は、担当者ごとにばらつきや抜け漏れが発生しやすく、これは営業売上にも影響を与えます。

ここでも AI 活用により、高品質で説得力のあるメールとその件名を誰でも数秒で作成できるようになります。企業と顧客の間で発生するインタラクション(顧客からのメールの返信、商談実施、資料ダウンロードなど)の発生をフックに一連のコミュニケーションが自動化されるように設定することで、これまで手動で行っていた単純作業を機械が正確に実行します。

機械学習を活用することで、メール送信自動化のメリットはさらに大きくなります。メールの自動送信だけではなく、開封率、クリックスルー率、コンバージョン率などのフィードバックを分析し、顧客の行動のパターンと傾向を特定することも可能になります。この情報をもとに、顧客にパーソナライズされた内容や送信時間でメールを自動で作成できれば、営業担当者の業務負担の大幅削減が期待できるでしょう。

商談情報や顧客情報の記録

顧客との商談や営業電話での内容を CRM や SFA などに記録することは、営業担当者が日常的に行う最も時間のかかる業務の1つです。これも、AI 技術要素の1つである自然言語処理を活用して自動化が可能です。自然言語処理により、電話の音声録音をテキストに書き起こし、重要な論点を要約した上で、CRM などのツールに自動的に記録されます。さらに、録音データをもとに、成約に至る営業担当者の電話の雰囲気や、口調を分析することで、誰でも実行できるトークスクリプトの作成や新人営業を育成するためのコーチング資料の作成にも役立ちます。

ネクストアクションの提示

AI・機械学習の活用で自動化できる業務もありますが、それでもなお営業担当者がやるべき業務は多くあります。そこで、生産性を向上させるためには優先順位をつけ、適切なアクションを適切な順序で実行することも大切です。適切な優先順位付けができなければ、より多くの収益獲得の機会を逃してしまう可能性もあります。

また、AI・機械学習によって収集、分析されたデータを営業活動に活用できなければ、生産性向上や売上拡大といった成果には繋がりません。ここでも AI の活用で、分析データを行動に繋げることができます。AI は過去の顧客や見込み顧客のデータから学習と分析を行い、営業担当者に対して最適な行動をリアルタイムで提案します。これにより、営業担当者はいつ何をすべきかについての熟考ではなく、顧客との関係構築と契約の成立に集中する時間を確保でき、生産性向上も期待できます。

サービス事例

ここでは、営業活動の中でも営業担当者の業務負担が大きいメール作成を自動化するサービスを紹介します。

Hubspot

Hubspot

Hubspot は、顧客管理や営業支援などに効果を発揮する無料の CRMツールです。AI 搭載ツールである「コンテンツアシスタント」の Eメール生成機能を活用することで、生産性を大幅に向上できます。

  • コンテンツアシスタントの活用で実現できる3つのこと

  • AI を活用して見込み顧客にアプローチする営業 Eメールの作成を効率化
    • 営業メールやキャンペーン用の一斉送信メールなど Eメールの文面を自動的に作成
    • Eメールの下書きから、送信、効果の追跡や分析までを全て一箇所で簡単に行える

  • テンプレートと AI で生成したコンテンツを組み合わせて、Eメールマーケティングを強化
    • ベースとなる Eメールテンプレートを選んでカスタマイズする
    • Eメールの配信を開始すると、Hubspot の CRM データベースにデータが自動的に記録されるため、開封率やリードへの転換率などを追跡管理できる

  • 人員や予算を抑えて、様々な顧客セグメントに向けた Eメールの文面を作成
    • 営業 Eメールの草稿を短時間で大量に作成可能
    • スラッシュコマンドやハイライトコマンドを使って文章の長さ、誤字脱字、トーンなどを調整し、Eメールを簡単にカスタマイズすることも可能

  • 料金
    • 「コンテンツアシスタント」はHubspot の以下の5つの製品の Starter または Professional 以上のプランで利用可能
      • Marketing Hub 
      • Sales Hub
      • Service Hub
      • Operations Hub
      • CMS Hub
    • 参考) Marketing Hub のプラント料金のみ記載
      • Starter 月額 1,800円
      • Proffesional 月額 96,000円
      • Enterprise 月額 432,000円

Check (評価)/ Action(改善)

営業活動はただ実行するだけでは継続的な成果向上を期待できず、目標達成に向けて改善を重ねていく必要があります。ここでも、 AI が営業活動から得た顧客や案件に関するデータを分析し、その結果を今後の営業活動に反映させることができます。

営業管理

営業活動の多くのデータが SFA や CRM などのツールに蓄積されていますが、活用できていない企業も多くあります。

AI の技術要素の1つである機械学習を活用することで、過去と現在の顧客とのやり取りや営業担当者の行動データから、売上向上に繋げるための示唆を得ることができます。機械学習は、回帰・分類・時限削減・クラスタリング・レコメンデーション・異常検知の6種類に分類されます。

6種類それぞれの詳しい解説と活用例については、弊社の公式 note で公開された連載「Future of Sales」の第一章で詳しく解説しています。ぜひ、併せてご覧ください。

併せて読みたい:Future of Sales「第一章:AI 技術要素と営業における実用化例」

営業活動の改善

蓄積されたデータは分析だけなく、営業活動の改善にも活用できます。近年では、営業組織における人手不足や人員の入れ替わりなどにより未経験の営業担当者も増加しています。そのため、トップセールスと新人・未経験の営業担当者でパフォーマンスに大きな差があり、それが全体の売上に影響を与える組織も少なくありません。

チーム全員がトップセールスと同様の営業活動を行うことができれば、営業活動を効率化し、売上も向上させることができます。AI は、営業担当者の営業活動を定量的に評価することもでき、業務改善に繋げやすくなります。この定量的な評価により、トップセールスと未経験の営業担当者の差異を明確にした上で、どの行動が売上に起因するのかやどこを改善すべきかを知ることもできます。これらの情報を元に営業活動における行動を改善することで、全ての営業担当者が同じ成果を出せる組織に一歩近づくことができるでしょう。

サービス事例

Salesforce:Einstein

Salesforce

Einstein は、AI や機械学習を活用して CRMデータを分析することができます。予測AI と生成AI の両方を使用できるため、営業サイクル全体で CRM に蓄積された情報を有効的に活用することも可能です。また、営業プロセスの自動化、顧客との関係強化、商談成約のためのサポートなど、営業担当者を幅広く支援します。

AI や機械学習を活用した機能として以下のようなものがあります。

  • Einstein リードスコアリング
    • 機械学習を使用し、従来の方法よりも迅速かつ正確な結果を提示
    • データサイエンスと機械学習を使用して、営業におけるリードの取引開始パターンを検出
    • 過去のパターンに基づき、現在どのリードを優先すべきか予測可能

  • Einstein 行動スコアリング
    • 機械学習を使用し、過去と現在の顧客とのやり取りにおいて最も影響力の大きい行動指標を発見
    • 取引成立する可能性が高い行動をした顧客を特定し、Einstein のエンゲージメントモデルに基づいてスコアをつけることで、営業担当者は成約する見込みの高い顧客との取引に注力可能

  • Einstein Copilot
    • 今年の2月に発表された新機能
    • 企業の持つデータとメタデータを活用することで以下のことが可能
      • 質問への回答
      • コンテンツの要約
      • 新しいコンテンツの作成
      • 複雑な会話の解釈
      • タスクの自動化
  • 料金
    • Sales Cloud
      • Einstein 1 Sales のエディションのみに標準装備されている
        • 月額 60,000円/ユーザー
      • その他のエディションでも、拡張可能
        • Einstein for Sales 月額 9,000円/ユーザー

まとめ

ここまで、営業における AI 活用について解説してきました。AI の強みは、膨大なデータを学習・分析し、示唆を出すことです。そして、この強みを最大限に活用するためには、高品質なデータが必要不可欠です。しかし近年、営業における AI 活用を検討している組織が増加する中で、データの品質という問題を抱えている企業も多くあります。担当者によって入力にばらつきがあったり、データを整理できていなかったりとデータの質が低い場合、「Garbage in, Garbage out」という状況で、正確なインサイトを得られません。(図6) つまり、不正確で、質の低いデータでは、AI を導入しても期待した効果を得ることはできない可能性が高まってしまうのです。

図6: データ品質によって AI のアウトプットの質は異なる

では、AI による学習や分析に最適なデータを蓄積するためにはどうすれば良いのでしょうか。不正確で、質の低いデータにより「Garbage in, Garbage out」のような状態になってしまう原因として、以下の3つが挙げられます。(図6)

  • 担当者によって記載粒度が異なる
  • そもそも聞けていない項目があるなど、担当者によって項目がバラバラ
  • 切り口の整理が難しく、管理者の想定通りに整理できない

AI を活用することで、これらの問題を解決することが可能です。AI の技術要素の1つである自然言語処理を用いて、電話や商談の論点を要約し、自動で CRM などに記録することで、記載粒度や項目を統一することができます。このように、AI を活用することで、AI による分析に最適なデータの質を担保することも可能になります。

営業生産性を高める AI ツール

AI 営業プラットフォーム Magic Moment Playbook

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《引用文献》

1) Gartner. “Gartner Expects 60% of Seller Work to Be Executed by Generative AI Technologies Within Five Years”. 2023-09-21. https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2023-09-21-gartner-expects-sixty-percent-of-seller-work-to-be-executed-by-generative-ai-technologies-within-five-years, (参照 2024-04-16)

2) Salesforce. “New Research Reveals Sales Reps Need a Productivity Overhaul – Spend Less than 30% Of Their Time Actually Selling”. 2022-12-08. https://www.salesforce.com/news/stories/sales-research-2023/, (参照 2024-04-16)

3) McKinsey&Company. “Sales Automation: The key to boosting revenue and reducing cost”. 2020-05-13. https://www.mckinsey.com/capabilities/growth-marketing-and-sales/our-insights/sales-automation-the-key-to-boosting-revenue-and-reducing-costs, (参照 2024-04-16)

4) McKinsey & Company. “AI-powered marketing and sales reach new heights with generative AI”. 2023-05. https://www.mckinsey.com/~/media/mckinsey/business%20functions/marketing%20and%20sales/our%20insights/ai%20powered%20marketing%20and%20sales%20reach%20new%20heights%20with%20generative%20ai/ai-powered-marketing-and-sales-reach-new-heights-with-generative-ai.pdf, (参照 2024-04-16)