デジタルマーケティング成功の要諦


日経BPコンサルティングが2020年1~2月に実施した調査「デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査(第6回)」によると、何かしらのデジタルマーケティング施策を実施している企業は、73.3%に達しました。コロナ禍の影響もあり、対面によるイベントや営業が制限される中、デジタルマーケティングに関する弊社への問い合わせも増えてきております。

しかし、デジタルマーケティングが結果に繋がっていないという声もよく聞きます。同調査によると、BtoB向けサービスが中心である企業において、売上効果に対するデジタル施策に満足している企業は 26.9% に留まります。

 

出典:日経BPコンサルティング「デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査(第6回)」

本記事では、デジタルマーケティングという古くて新しい話題について、うまくいかない理由と、成功のための要諦を解説します。

デジタルマーケティングの落とし穴

「ウェブサイトからの問合せ数を伸ばし、売上を伸ばしたい」という理由で、ウェブサイトのリニューアルを計画される企業は多いのではないでしょうか。加えて、以下のような施策を計画されることも多く見られます。

  • メルマガ配信
  • SEO対策
  • 広告
  • コンテンツマーケティング

しかし、これらの施策にいきなり取り組まれても、上手くいかないケースが多いです。これらの施策は、全てやり方の話でしかありません。現在の営業が抱える課題の特定や明確な戦略、オペレーションの設計もなく施策を繰り返すだけでは、投資がふくらむだけで、期待する効果には繋がりません。

例えば、ウェブサイト訪問→資料請求のCV率が低い状態で、見込み顧客を増やすために、広告出稿やSEO対策を行ったとしても、資料請求数は期待したほど伸びないでしょう。これは、穴の開いたバケツで水をくみ続けているようなもので、まず最初に行わないといけないことは、せっかくウェブサイトを訪問した見込み顧客が、資料請求をせずにサイトから離脱してしまう理由を解明し、穴をふさぐことです。

また、どれだけSEO対策しても、そもそもの検索回数が少ない製品やサービスの場合、流入数増加は期待できません。

ウェブ集客は、振れば顧客が生まれる打ち出の小槌ではありませんし、必ず顧客が集まる魔法の杖でもありません。組織として営業の課題を捉えた上で、施策を検討する必要があります。

デジタルマーケティングが結果に繋がらない原因は、3つに収斂します。

理由1:目的がない

「デジタルマーケティングをやる」ということが目的化してしまい、何を目標として、何を行うということが定まっていないケースが多く見られます。

 

理由2:全体感がない

マーケティングによるアプローチから、営業による受注に至るまでのプロセス全体を見て検討されておらず、マーケティングに閉じた部分最適な施策になっていることが多くあります。マーケティング施策を考える際、営業組織との連携について考えていなければ、この状態に陥ってしまっています。

また、マーケティング内においても、その手法が多岐にわたり、統一感が取れなくなっています。

更には、マーケティング手法の進化が早く、次から次にと新しい手法が生まれるため、ついていけなくなり、全体感を見失ってしまうこともあります。

理由3:マーケティング施策に対する費用対効果が見えない

どれだけ頑張ってマーケティングを行っても、データが繋がっていないため、成果に繋がっているか否かを測ることができず、マーケティングの効果を説明できないということです。例えば、広告に予算をかけただけの効果があったかを説明できないということは、多くの企業で発生しているのではないでしょうか。

また、成果が見えないが故に、経営からの継続的な支援・予算が得られないということは、マーケティング担当者は誰もが身に覚えがあるのではないでしょうか。

デジタルマーケティングは、上記の問題を抱えているため、見た目に変化が分かりやすいウェブサイトリニューアルやオンライン展示会に終始することに繋がりやすくなります。

確かに、ウェブサイトリニューアルやオンライン展示会も大事な要素ですが、デジタルマーケティングに取り組む際は、以下の2つを分けて考える必要があります。

    • 外部へアピールする施策:ウェブサイトリニューアルなどのクリエイティブな施策
    • 内部の仕組みを作る施策:見込み顧客を集め、育成し、営業と連携し、成約に繋げるための施策

デジタルマーケティングで効果を出すためには、見た目に分かりやすい「アピール」だけでなく、成果に繋げる「仕組み作り」に取り組むことが肝要です。

デジタルマーケティングを成功させるための要諦

ここで、デジタルマーケティング に関する重大な2つの事実をお伝えします。

1点目は、デジタルマーケティングの構築には、既に決まった型があるということです。

2点目は、デジタルマーケティングは、マーケティング単独で構想するのではなく、どのように営業に繋げるかの仕組みが、最も重要であるということです。

1点目については、型に基づきクイックに構築し、いち早く運用を開始し、結果を得ることが何よりも重要です。もし、あなたの会社が、ゼロからオリジナルでデジタルマーケティングの立ち上げをしようとしている場合、すぐにやめたほうが良いでしょう。高いコストをかけて、車輪の再発明を行っているだけです。

組織の規模にもよりますが、型に基づくことで、 3ヶ月〜6ヶ月でプロセスや仕組みを構築して運用を開始することができます。6ヶ月〜12ヶ月で小さくても良いので結果を出すことで、良いサイクルが回っていくことになります。

2点目については、オペレーションを構築する中で、マーケティングチームだけで検討するのではなく、受注まで見据えたプロセスを構築することが重要となります。

デジタルマーケティング構築の型

デジタルマーケティングは、以下の4ステップで構築していきます。

  • 戦略立案
  • 環境構築
  • コンテンツ作成
  • キャンペーン

戦略立案において、カスタマージャーニーの作成や、プロセス・オペレーションの設計、組織としてのKPI設定などを行います。

その後、立案した戦略・オペレーションがスムーズに実行できるように、MAやCRM、SET、メール、ワークフローなどの各種ツールをセットアップし、環境を整えます。

また、顧客を集客するためのコンテンツ(記事、ホワイトペーパー、事例など)を企画し、作成をしていきます。

これらが整ったら、実際に、マーケティングを実施して効果を測定し、施策やオペレーションの改善を繰り返します。

上記のステップを、マーケティングから営業に至るまでの全体感を持ち、更に、組織の戦略・実際のオペレーション・支えるツールとデータ構造を理解して進めていく必要があります。

マーケティングから営業へ繋げる

「デジタルマーケティング構築の型」の中でも、特に重要な鍵を握る「プロセス構築」について深掘りします。

繰り返しとなりますが、デジタルマーケティングは、デジタルマーケティングを行うこと自体が目的ではなく、その先に繋げることが必要であり、中でも、商談へ繋げるマーケティングから営業への連携は必達事項です。

そのために、どのような状態・条件にある見込み顧客を、営業にトスアップすることを規定する必要があります。見込みが低いにも関わらずトスアップした場合、営業に無駄なリソースを費やしてしまいますし、かと言って、あまりにも条件を厳しくしてしまうと機会損失が大きくなります。また、ウェブサイト以外にも顧客獲得のチャネルを持っている場合、ウェブサイトからは、どのような業界や層・状態の顧客を獲得したいのかを、明確にしておく必要があります。更には、その後の商談を進めるために、どのような情報を付与してトスアップするのかを規定しておく必要があります。

これらの事項を、組織全体として設計し、プロセスに落とし込むことこそが、組織としての戦略であり、競争優位性に繋がります。

まとめ

デジタルマーケティングをこれから始めようとする方や、実施しているが成果が出ていないという方に向け、失敗パターンと成功のための要諦について解説しました。

成果に繋がらない、見えないと言われるデジタルマーケティングですが、正しい型に従い、正しく実施さえすれば、成果に繋げることができます。

デジタルマーケティングを開始するための、より詳しい型は、「デジタルマーケティング スタートブック」をご参照ください。