アポイント獲得効率4倍を実現し、わずか3ヶ月で過去1年分の商談機会を創出
昨今、多くの企業が既存事業の成長限界を打破しようと、新規事業の立ち上げに注力しています。しかし、事業を0→1で立ち上げる過程で、既存の販売スタイルからの脱却が難しく、新規開拓営業のノウハウや経験者の不足が課題となる状況が見受けられます。
TOPPANグループが提供する商品・サービスにデジタル技術を活用し、複雑かつ高度化するお客さまの課題に付加価値を提供することを目的に、2023年10月に事業を開始したTOPPANデジタル株式会社様も、新規事業「IEMANE」の立ち上げにおいて同様の課題に直面していました。
そこで以前、自動校正サービス「review-it!」事業で、弊社との取り組みで成果を上げた実績※から、「IEMANE」でも同様の早期グロースを目指し、 セールスエンゲージメントプラットフォーム「Magic Moment Playbook」(以下、Playbook)と、お客様の営業チームの一員として戦略・プロセス設計から成果創出までを担うセールス BPO サービス「CS BPO」を導入いただきました。
結果、半年間のお取り組み期間で、従来2年間で獲得していたアポイント獲得数を達成し、事業成長の加速に繋がりました。今回の成果の背景にはどのような取り組みがあったのでしょうか。事業戦略部の藤岡様と、DXビジネス推進本部 スマートSCM推進部 企画推進2チーム 課長の日高様にお話を伺いました。
※「review-it!」における Playbook 活用事例はこちら
課題
- 新規事業「IEMANE」の早期での成長に向けて、社内の営業リソースが不足していた
- 特に、従来アカウント営業が中心であったため、「IEMANE」のようなサービスを販売するソリューション営業に必要なスキルを持つ人材が不足していた
- アポイント数が少ないため、事業やサービス、販売方法の検証も思うように進んでいなかった
解決策
- CS BPO が特定の業界に絞ったリストからアプローチを開始し、粘り強く販売活動を行った
- 繰り返しのアプローチにより、リストの精査や最適なアプローチ方法、メールテンプレートの検証が進み、アウトバウンドの営業プロセスが構築された
- 提案数の急激な増加に伴うフィールドセールスの人員不足も、CS BPO がスムーズに組織体制を変更して担うことで解消した
効果
- アポイント獲得効率4倍を実現し、わずか3か月で、過去1年分に相当する商談機会を獲得。半年のプロジェクト期間で2年分の商談機会が生まれた
- 提案数が急増する中で、サービスの PMF を感じることができ、メンバーのモチベーションが向上した
- Playbook で営業手法が共有された上、CS BPO の「オープンに知見やスキルを共有する文化」が組織に浸透した
目標とする事業拡大の速度を実現するには、自社の営業リソースだけでは追いついていなかった
ーーIEMANE とはどのようなサービスでしょうか?
藤岡様:IEMANE は、住宅の設備の取扱説明書のデジタル管理をはじめ、入居者へのお知らせ機能や設備の管理機能を用いてマンションに関わる企業が抱える課題をまとめて解決可能な DX サービスです。現在では12社に採用されており80棟6,164戸の部屋で IEMANE が導入されています。
ーーCS BPO の導入前はどのような課題を抱えていましたでしょうか?
藤岡様:新規事業の立ち上げとして、私たちの目標である事業拡大の速度を実現する上で、自社のリソースだけを頼りにした販売では追いつかないという課題がありました。
日高様:特に当社はアカウント営業がメインの企業であり、得意先の要望にカスタマイズして価値提供することを主業務としていました。そのため、IEMANE のようなサービスを販売するためのソリューション営業ができる人材は限られているという問題がありました。
ーー弊社サービスを導入された背景はどのようなものでしたでしょうか?
藤岡様:「review-it」での貴社との取り組みの結果から、Playbook や CS BPO に関しては、内容・成果の両面で高く評価しており、今回も課題解決のパートナーとしてすぐに候補に挙がっていました。ただし、一つの商材での成功が他の商材にも適用できるのかは判断できないため、「IEMANE」は新たなトライと思って導入を決めました。顧客の属性や提供価値が「review-it」とは全く異なる商材で利用することで、私たちが開発・提供しているより多くの商材において、貴社のソリューションを活用できるか検証したい、という狙いもありました。
ーー導入に際してどのような成果を期待されていましたか?
日高様:最終的な受注数/金額の向上を目的とはしていますが、まずは CS BPO のインサイドセールス活動による提案機会の増加を期待していました。また、サービス開発の面でも、そもそもの提案数が少なく、市場の反応をもとにして PDCA サイクルを回すことに苦戦していたため、サービスが市場に適しているか、仮説が正しいかを検証し、チューニングしていくためのテストセールス的な側面も期待していました。
これまで1年かかっていたアポイントの獲得数を、CS BPO 導入によってわずか3か月で達成
ーーCS BPO との取り組みはいかがだったでしょうか?
日高様:CS BPO には、不動産会社に絞ったリストからアプローチを開始していただきました。その際に、一回のアプローチで終わらず、アプローチ先の部署や窓口も変えつつアポイント取得に向けて、粘り強く販売活動を展開していただきました。繰り返しのアプローチにより、導入1ヶ月で最適なターゲットとして、212社から133社にリストをより絞ることができ、これによって、対象外となる79社へのアプローチ工数が減り、注力するべき133社に対する手数を増やすことができました。
また、その中で、受付の方から担当者まで電話を繋いでもらうための工夫や最適なトーク、担当者接触後に断られることなく次のお打ち合わせの機会を獲得するための手法や、その後お送りするメールテンプレートなどが明確になり、それを Playbook に落とし込むことでアウトバウンドの営業プロセスが構築されました。
ーーどのような成果に繋がりましたか?
日高様:まず、アポイント獲得数や獲得率が圧倒的に向上しました。これまでの自社リソースだけでは1年かかっていたアポイントの獲得数を、たった3か月で達成していただきました。最終的にはプロジェクト期間の半年間で、2年分の商談機会が生まれ、獲得効率4倍を実現することができました。
元々は、アウトバウンド営業において、「何を調べてどうやって営業を進めるか」という一連の型が全くなかったところから、例えば、まずは Web検索やIR情報、人事異動情報を活用して担当者もしくは推進者の情報を収集する、といった標準的なアプローチが確立され、これによって業務が効率化され、営業の PDCA も回り、結果として量的な成果に繋がったのだと感じています。
商談の質についても、今までの商談数が少なかったので従来との簡単な比較は難しいですが、 CS BPO の商談を通じて受注も複数生まれている上、80件ほど継続提案中の案件も残っており、今後も高い水準で受注に繋がると期待しています。
「CS BPO との取り組みで一番驚いたのは『オープンに知見やスキルを共有する文化』でした」
ーーCS BPO との取り組みを通じて、営業組織にはどのような変化がありましたか?
日高様:CS BPO の営業活動により、提案数が急激に増加したことは喜ばしい成果でありつつも、特に私たちはスモールスタートで進めているサービスの立ち上げ期であったため、商談がパンパンになる中でメンバーが疲弊してしまい、一部の業務が回らなくなった瞬間もありました。
しかしこれは経験しないことには見えてこなかった課題であり、提案数が増えることで業務がこれほど忙しくなり、人員の増加が必要であることも明らかになったということは、成長する上で欠かせない良い経験だったと思います。またその際も、 CS BPO にインサイドセールスだけでなく、初回商談用の資料作成から実際のフィールドセールスとしての商談実施まで行っていただくことで、この局面も乗り越えていくことができました。
さらに副次的な効果として、提案数の増加と共にメンバーのモチベーションも顕著に向上しました。疲弊はしているものの、自分たちのサービスが市場において受け入れられている実感と、正しい方向に進んでいることを確信することができ、メンバーの団結力が高まりました。
ーーCS BPOとの協業を通じて、特に驚いたことはありましたか?
日高様: CS BPO と営業活動を行うなかで、一番驚いたのは「オープンに知見やスキルを共有する文化」でした。私自身も長年販売を担当してきた経験としては、これまでの慣習として、成果に直結するコツほど、自身の成果を高めていくために属人的なノウハウとして隠していたと思います。Playbook によってスクリプトやメールテンプレート、シーケンスなどの営業手法が全員で共有されることも関係していますが、活動中で見つけた細かなヒントまで開けっ広げにシェアする姿勢にはカルチャーショックを受けました。
藤岡様: また、Playbook を通じてさまざまなノウハウが共有されることは、特に新入社員などの新しいメンバーにとっても非常に有益だと思います。これまで企画書は共有しても、メールテンプレートなどまでは共有することがなかったのですが、「この提案後の最初のアプローチは一律でこのメール」といったように標準化できる部分は一律 Playbook で型化することで、効率的かつ最適なご案内ができるため、営業担当者と顧客の両者にとって Win-Win な状況が生まれるのだと感じました。
ーー最後に、今後の目標を教えてください。
日高様:アポイントは獲得できたものの、提案してもお客様の興味がなく終わってしまうのが一番勿体ないですよね。その点、弊社では複数サービスを保有しており、それぞれの商材を組み合わせて提案できる柔軟性があります。もちろん、各サービスの特性を考慮しながら提案を進める必要がありますので、即座に実現は難しいかもしれませんが、検証の過程で貴社のサービスを有効活用し、最適な提案を追求していきたいと考えています。
藤岡様:事業フェーズや課題に応じて施策を検討することは大切ですが、事業の成長や環境の変化に合わせて柔軟に対応することも欠かせません。変化を前もって察知し、迅速に打ち手を変えていく姿勢が求められます。そうした中で、貴社は様々な施策に一緒に挑戦し、トライ&エラーを通じて成果を上げていけるパートナーとして期待しています。
■基本情報
商号 :TOPPANデジタル株式会社
事業内容 :TOPPANグループ全体のDX事業戦略策定、DX事業の創出・推進、DXに関わる研究・開発、ITインフラの提供等
従業員数 :830人(2023年9月1日現在)
URL :https://www.digital.toppan.com/ja/
弊社サービス詳細は下記サービスサイトよりご確認・お問合せください
◆Magic Moment Playbook
https://www.magicmoment.jp/playbook/
◆CS BPO
https://lp.magicmoment.jp/cs-bpo