BtoBビジネスの営業力を向上させるSales Opsの9つの役割

営業の成果がなかなか出せず、営業チーム内のモチベーションが下がっているがどこから改善すればいいのか分からない、という悩みを抱えている営業責任者の方は少なくないでしょう。以下の問いに「はい」と答えられなかった営業組織の場合、そのような課題が生じている恐れがあります。

  • 営業担当者の状況に目は行き届いていますか?
  • パイプラインを分析し、ボトルネックや解決策を考案することはできていますか?

営業効率改善のために必要なこれらのチェックは、他のタスクに埋もれて後回しになっていませんか?営業は事業を伸ばすための主要な役割を果たす部署であり、営業チームのモチベーションが低いまま営業成績が改善されないと、事業全体の業績も落ちてしまいます。

米国では、営業チームとは別に、効率化による収益拡大を目標としたオペレーション管理を専門的に行うSales Opsという機能の導入が進められています。今回は、米国でSales Opsの導入に成功した企業が行なっていたベストプラクティスを元に、Sales Opsが果たすべき9つの役割をご紹介します

Sales Opsの9つの役割

1.営業担当者を本来の業務に集中させる

営業担当者は本来のメイン業務である提案以外のことに多くの時間を割いてしまう傾向があります。実際に、Salesforceによると、30%ものセールス担当者はリサーチや、見込み顧客・顧客に提示するための資料作成やその他のタスクに一日の大半を費やしています。

Sales Opsはオペレーションを集中的に管理するため、営業責任者のタスクを減らすことができます。営業責任者のタスクが減ると、彼らがメール文作成などでアドバイスや助けを必要としている営業担当者に対して指導を行う時間が増えるため、結果として、営業担当者自身もメイン業務に集中しやすくなるのです。


2.パイプライン分析を積極的に行う

近年、データドリブンな文化が広まっていますが、営業担当者は人と繋がることをメインに考えている人が多く、データ分析に積極的な営業担当者は多くはありません。

しかし、Vantage Pointの調査によると、データに基づいた効果的なパイプライン管理を行なっている会社は、それを行なっていない会社より15%早く収益が増加しています。つまり、データ管理によってパイプラインを可視化し、パイプラインから戦略改善のアイデアを抽出することが重要になります。この戦略策定の部分をSales Opsマネージャーは担うことができるのです。

Sales Opsチームが担うパイプライン分析の数値は、具体的には以下のようなものです。

  • ひと月あたりのリード数
  • 平均的な案件の大きさ
  • 営業担当者ごとの案件クローズ率
  • クローズが近づいている案件
  • 戦略成功率

Sales Opsチームはこれらの点の分析からボトルネックを発見してセールス担当者を成長させるために何をすればいいのかを提案します。

3.全てのデータ分析を担う

Sales Opsチームは案件の生産性、顧客の習慣、売れている製品の傾向を営業チームのメンバーに理解してもらうため、各項目のデータを分析・可視化に努めます。営業担当者自身では、滅多に行わないデータの深掘りをSales Opsのマネージャーは専門的に担うのです。

また、これらのような営業の裏側で行われる営業データ分析によって営業担当者はそれぞれの課題解決に向けたトレーニングを受けることができます。これらのトレーニングは、営業担当者の顧客の傾向の理解や、年間を通したクローズ率の予測、競合他社の弱点分析、優先製品への転換の理解を促進するため、営業担当者を育成に繋がります。

4.打ち手に優先順位をつける

大半の営業担当者の方は1人でも多くの新規顧客により多くの商品を販売することこそが営業の使命だと感じているかもしれません。確かにより多くの顧客がいれば、さらなる収益が見込めます。

しかし、Sales Opsチームが重視することは、一顧客が購入した商品の中での自社製品の割合である顧客内シェアの増加と既存顧客に対する積極的な営業です。これによって顧客獲得のコストが削減されると同時に、一顧客あたりの収益が増加します。

 ここでベストプラクティスとして特筆したいのが、Sales Opsチームが社内の財務アナリストと協力して営業チームの分析を行うことです。営業チームが営業成績を伸ばす方法や、各企業ごとのマージン、クロスセルによる売り上げ増加が見込めるターゲットを分析します。

この分析結果を営業担当者に伝えることで、彼らが顧客に手当たり次第アプローチする労力と時間を節約することができます。Sales Opsチームは顧客が次に何を必要としているのか、どのタイミングでアプローチすればいいのかを営業担当者に示し、次にとるべきアプローチの優先順位付けを手助けします。

5.カスタマーサクセスと顧客維持の戦略との繋がりを意識する

どのセグメントをターゲットとするかという判断ももちろん重要ですが、Sales Ospチームはより収益に繋がる顧客を見定め、彼らにより良いサービスを提供することによるロイヤリティーの獲得に重きを置きます。Sales Opsチームはデータ分析を綿密に行なうため、案件を勝ち取るに当たって何が顧客の心を掴み、動かすのか、また、契約後に何を必要とするのかをよく理解しているのです。

カスタマーサクセスと事業戦略の繋がりを十分に意識したSales Opsチームは営業担当者が行うカスタマーサクセスのプロセスを明確でわかりやすく定義し、適切なタイミングで実行するよう指示することができるのです。

6.価格設定について考える

営業チームと価格設定のチームが一緒に仕事をする機会はほとんどありません。両チームは全く異なる内容を担当しており、目的が対立することも多々あります。その対立を埋める役割も、Sales Opsチームが担うのです。

営業担当者は価格決定が会社にどのような影響を与えるのかを理解している必要があります。そのため、営業責任は営業担当者に価格規定を守るよう促す必要がありますが、Sales Opsチームは営業チームと価格設定チームの架け橋として営業担当者が価格設定の影響を理解した上で営業できるようトレーニングする役割を担います。

このような取り組みにより、Sales Opsチームは利益に関わる価格設定を行い、それを通したい価格設定チームにとってかけがえのない存在となります。その上、価格設定チームも顧客の求める価値を理解することができます。

7.受注と連動した報酬体系を用いる

営業のリーダーは案件の質ではなく量に注目してしまうことが多くあります。もちろん、接触数を増やし、より多くのアポを取得して商談化できる案件を増やすことは営業にとって根幹となる重要なプロセスです。

しかし、長期的な視点で考えると、収益に繋がらない案件が増え、営業担当者が無駄に時間を費やしてしまうことになります。優れたSales Opsの責任者は営業責任者と協力して、様々な要因に基づく報酬体系を構築します。

例えば、ターゲットの価格に基づいた報酬制度の構築です。営業担当者のモチベーションをアップさせることは長期的には、営業担当者の責任感を増幅させることに繋がります。

Sales Opsチームは営業担当者のモチベーションをあげ、彼らの最大限のパフォーマンスを引き出すための努力をします。

8.インプットとフィードバックに基づいた能力改善

オペレーションの責任者は表舞台に立つことはほとんどありませんが、チームのメンバーがどのような状況にあるのかに気を配り、彼らがより良いパフォーマンスができるように後押ししなければなりません。これに対し、Sales Opsチームは自社・競合のサービスについて学ぶことのできる資料や、架電・商談の質を高めるトレーニングを企画・提供します。

また、優れたオペレーション責任者は情報共有を行うハブとしての役割を担い、チームに貢献するためのベストを尽くしてくれるため、営業担当者はオペレーションチームに積極的に助けを求めやすくなります。

さらに、オペレーションのリーダーは手助けし続けるだけではなく、営業担当者に専門的で高度な問題や強みについてフィードバックを与え続けます。これを続けた結果として、継続的に自らの強みをさらに伸ばし、成果をだし続けることができるチームを作りあげることができるのです。

9.競合に対する差別化ポイントの定義

競合分析は常に行なっていなければなりませんが、大半の担当者は他のタスクをこなすことで忙しいため、おざなりになりがちです。この役割も営業担当者ではなくSales Opsチームに任せることができます。

優れたSales Opsの責任者は競合との競争の中で自分たちがどこに位置しているのかを熟知しているため、営業の拡大のためにこの情報を活用することができるのです。

まとめ

以上のような役割のどれかはおそらく既存の営業チームでも行われていたことでしょう。しかし、それらを専門的に担うチームがSales Opsなのです。

営業チーム外にも広い視野を持ち、事業全体を見渡して営業のオペレーションを管理するこのチームの存在は、営業担当者の育成、業務の効率化、収益増加に確実に寄与することでしょう。

こちらのコンテンツでは、Sales Opsのさらに詳しい役割に加え、Sales Opsとの綿密な連携をとるポジションになるMarketing Opsがどのようなものなのか、どうして必要なのかを詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

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