なぜCRM内の顧客データが分析に使えないのか?データ活用を阻む8つの原因

なぜCRM内の顧客データが分析に使えないのか?データ活用を阻む8つの原因

昨今の多様化する顧客のニーズに対応するために顧客データをシステム化することは企業の必須課題になってきています。そこで注目されているのがCRMです。CRM導入のメリットは顧客管理だけでなく、顧客情報をクラウド上に一元管理し、統合された顧客データの分析から収益向上に繋がるインサイトを発見できることにあります。

しかし、CRMを導入し顧客データ分析を試みようとしているが、なかなか実現できていないとお悩みの企業も少なくありません。その原因の1つはデータの重複や欠損などによって「データ自体が使い物にならない」ということにあります。

そこで本記事では、CRM内のデータが分析に活用できなくなってしまう原因について解説していきます。

そもそもCRMとは

そもそもCRMとは「顧客管理」、「顧客関係管理」のことを示します。顧客と企業の接点を全て管理し、それを元に顧客にアプローチしたり顧客満足度を高めていくという手法です。

CRMでできることはたくさんありますが、今回は顧客情報の管理・顧客情報の分析に焦点を合わせていこうと思います。

顧客情報の管理

氏名、住所、性別、年齢、購買記録、案件の進捗などの顧客の基本的な情報を管理することができます。

取引の温度感や結果、取引に参加した取引先相手の氏名などの打ち合わせで得た情報をCRMシステムに報告すると、その情報もすぐに共有されます。

これらの情報をCRMシステムで分析し、その取引がうまくクロージングできそうか、次のアクションはいつやればいいのかを確認することができます。またデータを検索することもできるため、現在抱えている取引と似た取引を確認して戦略を練ることも可能です。

顧客情報の分析

CRMシステムにビジネスインテリジェンス機能がついていれば、これらの情報を分析し、顧客の動きや温度感、営業でどのような話をして顧客の反応はどうだったのか、プロジェクトの進捗などを数値やグラフで表示させることが可能になります。

顧客情報の管理機能だけではExcelからわざわざ手間とお金をかけてCRMに移行するメリットはほとんどなく、「全ての顧客データをクラウドで一元管理して営業プロセス改善や、顧客体験の向上させていくことができる」ということがCRMを導入する主な目的です。

なぜデータが活用できなくなってしまうのか

CRMを導入した企業で発生するデータ分析ができなくなってしまう要因について紹介していきます。

営業がデータを入力しない

データを分析するために必要な項目を経営陣が洗い出し、入力欄を増やした結果、営業が入力する内容がとてつもない量になってしまうことがあります。その結果、入力すること自体を面倒臭く感じてしまい、データが集まらないことがあります。

これはつまり、ただの顧客管理だけにCRMを使っていると慣れ親しんだ方法の方が便利に感じてしまうという状態です。それを防ぐために営業が1人で情報を管理している状況よりもCRMを活用した方がメリットがあるということを社内に周知する必要があります。

あれもこれもデータを集めている

データ分析を始めていくとあれもこれもと分析するデータを増やしていきがちです。その結果、どのようなことを分析したかったのか、何を改善したかったのかを落とし込むことができないという問題に直面しがちです。

情報の取捨選択をしっかりとやっていくことで必要なデータのみで無駄なノイズを削減することができるでしょう。

データが部署ごとに分断されてしまっている

複数の部署でCRMを導入したものの、統合されたルールがなく、部署ごとに最適だと思ったデータを収集した結果、集まったデータがバラバラになってしまうケースもあります。

例えば、「お客様からクレームが入っていることに気がつかずに営業に行ってしまう」「違う部署で連日営業をかけてしまう」などです。このようにせっかくデータを集めても部署間で情報が閉じてしまい、周りと共有できなければ分析することは困難です。

異なるデータを入力してしまった時にサポートする体制ができていない

人間が顧客データを入力していくので、ミスは必ず起こってきます。このミスが起こってしまった時にどのように対処することができるかでデータ分析に影響してきます。

入力されたデータが違うと気がついた時に、同じように間違って入力されているデータを抽出し、正しいデータに更新することができる人材が必要です。

本当に必要なデータを取得できていない

データを分析するにあたって本当に必要なデータはなんなのかを考慮する必要があります。そして、本当に必要なデータに関してはデータを入力する際に必須化とする入力規則を設ける必要があるでしょう。

これによってデータの欠損で分析することができなかった、データ分析の精度が落ちてしまったなどの問題を防ぐことがあります。人間であればどんな真面目な人でも、毎日同じフォームに入力する必要があれば、だんだんと手抜きをしていきたくなってしまいます。運用でカバーできる部分に関してはカバーしていきましょう。

データクレジングができていない

データを分析するにあたってそもそもデータが最適な形になっていない可能性があります。例えば、数値情報をテキストとして扱っていたり、半角数値と全角数値が混在していたりといった問題です。このようなことを防ぐのがデータクレンジングです。

データクレンジングを行うことでデータ分析の精度やスピードが向上します。データクレンジングには様々な手法があり、それらを行うことで莫大な効果を得られることができるでしょう。

データクレンジングについては「インサイトの発見に必要な『データクレンジング』とは?」で詳しく解説しております。

データの項目(プロパティ)の型がバラバラ

スプレッドシートなどをCSV出力して、データを取り込む時、CSVファイルはデータ型を持っていません。データ型を持っていないと分析する時には扱いに困難が生じる場合があります。データ型の変換はSQLを用いることで簡単に行うことができます。

もし設定していなかった場合どのような弊害が起こるのかについて説明します。例えば「4、10、60、219」という4つのデータがあった場合について考えます。数値型の昇順結果は「4、10、53、219」隣、私たちが想像しているであろう結果になります。しかし、文字型の昇順結果は「10、219、4、60」になりデータを分析するにあたっては大きな混乱を生み出すでしょう。

データが古くて利用できない

一見するとデータが集まっているようでも、最新のデータと異なる古いデータが多ければ正確な分析はできません。古いデータが更新されていないことは、大きな問題です。例えば、ある都市に住んでいる10000人にDMを送るマーケティング施策を行なったとします。しかし実際には2000人が別の都市に住んでいて想定よりもマーケティングの効果が出ない、といったことが起こりかねません。このような誤った選択をしないためにもデータを古いままにしないことが重要です。

CRM内のデータの質を向上させるためには?

CRM内の顧客データが活用できなくなってしまう主な原因はデータの質にあります。

データの質を向上させるためには

  • 必要なデータの定義
  • データの質の分析
  • データクレンジング
  • データの補強
  • 定常的なモニタリング

の5つの要素を含んだデータマネジメントプロセスの構築が鍵となります。

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ぜひ、活用していただき、社内でのデータ活用プロジェクトの推進にお役立てください。

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