CRM の意味、答えられますか?活用のメリットや注意点も解説

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CRM を知っていますか?この問いには多くの方が「YES」と回答されるでしょう。

ではタイトルにある質問「 CRM の意味、答えられますか?」は如何でしょうか。知ってはいても意味を説明できる人は少ないことが多々あります。

今回は、普段から知っている「CRM」をテーマにその意味のおさらいと活用に伴うメリットや注意点を解説していきます。

現在では、よく見聞きする言葉だけに正確な意味合いや活用方法を理解し、日々の業務に役立てていきましょう。

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 CRM の意味とは?意外とはっきりしない定義を解説

《定義》

CRM ( Customer Relationship Management ) … 顧客関係管理(顧客との関係性を構築・管理するマネージメント方法)

 ここで、注意をしたいのはカスタマーリレーションマネジメントの略である場合と、顧客管理ツールの略である場合があることです。

カスタマーリレーションマネジメントの略である場合、マーケティングの観点では、従来用いられていた不特定対数の人を対象としていたマスマーケティングから、「顧客の特定」「顧客属性」といった軸を元にマーケティングを行っていく「One to Oneマーケティング」のようなよりパーソナライズされたマーケティングを可能にする考え方として提唱されています。

この手法をマーケティングに活用することは、従来の一方通行のアプローチではなく消費者と呼ばれる顧客一人一人にあったアプローチを展開することが可能になります。結果として、顧客の満足度や顧客の継続利用を促し売上の拡大と継続を可能にしていくという事を目的としています。

この様に画期的な概念ですが、注意すべきなのは「 CRM 導入=売上拡大」という図式は必ずしも確立される訳ではなく、あくまでも顧客獲得、売上拡大に向けたツール、概念であるということです。この図式を完成させるために、顧客一人一人にあったサービスの提供と、サービスの継続的提供が必要になります。

 重要視される理由とは?顧客への影響は?

では、どうして今の時代に CRM が必要とされる様になったのでしょうか。

前項でもご紹介しましたが、現在、多くの企業は「One to Oneマーケティング」としての CRM を導入、構築しています。これは、顧客の意識の変化に寄与するものが大きいといえます。現在の顧客は、以前に比べて格段に意思を持っていると言われています。その変化は、顧客の消費行動や購買行動の変化に著しく表れています。

以前であれば、TV や新聞から発信される情報を元に顧客がサービスを利用しており、所謂、流行りというものに乗るかどうかという観点で多くの人が同じサービスを利用する様に働きかけていました。しかし、インターネットが普及してきた現在では、顧客が情報を容易に入手してサービスを比較する傾向が強くなってきており、単純に製品の機能や情報を提供するだけでは、顧客に選ばれにくい時代になってきました。

また、近年普及しているサブスクリプションモデルのビジネスでは、顧客が簡単にサービスの利用を停止することができるようになっているため、顧客体験を最大化して顧客の満足度を高めることも必要になり、その際にも CRM が活用されます。

この様な顧客の変化に伴い CRM のニーズは飛躍的に拡大しています。同時に、CRM と併せて活用される SFA (セールス・フォース・オートメーション「営業活動自動化」)も拡大傾向にあります。CRM とはあくまで経営戦略であるのに対して、SFA は営業戦略と言えば区別しやすいでしょう。

しかし実際には、経営と営業という視点の異なる点からのアプローチでありアウトプットも異なる部分がありますが、近年では、CRM と SFA が統合されたツールも増えており、違いが曖昧になりつつります。

CRM と SFA の違いとは?それぞれの意味や特徴の違い

では、より具体的に2つの違いを見ていきましょう。

区分 特徴
CRM 顧客管理を行う目的へ経営戦略の為。

顧客情報の全てをデーターベースに管理。

営業部門だけでははなくほかの部門でも共有化し事業戦略を構築する。

多くの CRM (ツール)に備わっている機能を利用することで、顧客をセグメントしメールなどのアプローチを行うことが可能。

SFA 顧客管理を管理する目的は営業戦略の為。

集まっている顧客基本情報へサービスの利用情報等といった営業視点での情報を連動。

情報を利用したり分析することでの営業活動全般の効率化を図る。

蓄積された情報は営業部隊だけではなく商品開発の場面などでも有効活用していく。

この様に、CRM と SFA ではその目的や利用方法に違いがあります。往々にして、この2つについては類似したものとして紹介されることも多くありますが、実際には目的に応じての使い分けが必要となります。

また、ここ最近ではこの2つを単純に別のものとして扱うのではなく2つを連動させて効果を倍増させる動きが主流となっています。目的が違いますが、両側面での活用を意識したデータベース作り等を行うことで、より効果的(有効)な情報収集につなげることは可能になります。

 活用のメリット?営業やマーケティングで役立つのか?

メリット①|データベースの一元管理

CRM の最大の特徴として、顧客情報の一元管理が挙げられます。このデータベースは、営業組織をはじめ各部門での利用も可能になります。情報を各部門で有効に閲覧、分析することが可能になります。

当然ながら、顧客情報として顧客の属性(居住地、性別や生年月日等)も一元管理することが可能です。

メリット②|顧客のやり取りも管理可能

メリット①で構築したデータベースは、顧客情報だけではなく顧客のやり取りも記録可能です。この記録は、顧客の行動分析をしたり新たなアプローチ戦略を検討する上でとても有効な指標となります。

メリット③|顧客のセグメント分析

これもデータベースを活用する上での大きな特徴といえます。顧客の属性ややり取りの履歴などを活用しセグメント分析も可能です。ある商品を購入しやすい傾向にあるのは、どういったセグメント属性を持っているか。どういったセグメントをサービスに誘導すると効果的であるかなどといった場合に活用することが可能です。

メリット④|メッセージ管理

メリット③のセグメント情報を活用し顧客に対してのメッセージ送信の管理も可能です。予め取り決めたサイクルで自動的にメール等の発信をすることが可能です。自動的に発信されることで、従来は手動で起動していた負荷を軽減することが可能になります。

 その他にも売上レポートの作成やタスクの管理なども効果的に行うことが可能になります。単純に顧客データベースを構築しても意味はありません。CRM を活用することにより顧客情報をトータル的に管理、活用することが出来るようになります。

単純に顧客データベースを構築しただけでは、ここまでの活用は難しいため CRM の有効性を最大限に活かすことが可能になります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、CRM について知っていることのおさらいだけではなく、その特徴や類似しているツールとの比較までをご紹介しています。実際の実務においては、知っていることと説明できることとの違い様々な場面で出てきます。

こうした際に、正確な内容を理解できているかどうか業務の成功に影響することもしばしばです。だからこそ、業務で使っている用語やツールなどについて 本当に正しいかどうかを確認する習慣を身に着けておきたいものです。こうした習慣は、今後の業務にもきっと役立っていきます。

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