web商談とは?そのメリットやコツ、ツールについて解説

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要約SUMMARY
  • web商談とはインターネットを介して行われる非対面型の商談のことである
  • web商談の活用メリットは移動やコスト削減、営業地域の拡大、営業活動の可視化や顧客との商談データの蓄積にある
  • web商談を成功させるには顧客ニーズを把握したうえで顧客にとって有意義な内容を提供し、情報を共有しながらスムーズなコミュニケーションを構築していく必要がある
  • web商談ツール導入時は予算に合ったコスト・自社にとって必要な機能・既存ツールとの連携等の要素をチェックして選ぶことが重要である

近年、コロナ禍を背景にリモートワークが拡大し、パソコンやスマートフォンを通じて営業活動を行う web商談を導入する企業が増加しています。エン・ジャパン株式会社の調査 1)によると web商談を導入している企業のうち73%が新型コロナウイルス感染拡大後に導入しています。しかし、「本当に web商談は効果があるのか?」「web商談で成果を上げるにはどのようにしたら良いのか?」という悩みを持つ方も多いと思います。

そこで本記事では、web商談のメリットからコツ、主なツールまで詳細に解説します。

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web商談とは?

web商談とは、パソコンやスマートフォンを介して web 上で行われる非対面型の商談のことであり、オンライン商談ともいいます。

米国では既に web商談が広く導入されています。

日本においてもコロナ禍での感染リスク対策として、これまで web商談に懐疑的だった企業でも導入が進んでいるところです。

web商談導入では、時間あたりのアプローチ数が対面営業と比較すると向上するため、企業にとってもコスト削減等のメリットがあり、急速に拡大しています。

web商談を活用するメリット

ここからは、web商談におけるメリットを詳しく見ていきましょう。

移動時間・コストの削減

web商談では、パソコンやスマートフォン等のデバイスとインターネット環境さえあればどこからでもアクセス可能であり、営業担当者の移動にかかる時間やコストを削減できます。

エン・ジャパン株式会社が運営する求人支援サービス『engage(エンゲージ)』が1,056社を対象に行った「オンライン商談に関するアンケート(2020年)」の調査によると、オンライン商談導入で得られた利点として、68%の企業が「移動・出張等のコスト削減ができる」と回答しています。2)

また、提案資料作成クラウド「SmartSlide(スマートスライド)」を提供する株式会社ワッツユアリッチが2021年12月に公開した、営業パーソン400名へのアンケート調査によると、最も時間がかかっている業務として資料作成、その次の約19.3%の方が「移動」と回答したとのことです。3)

web商談の導入によって、商談のための移動時間が削減できれば、その分、商談に割ける時間が増加、商談数も増え、成果向上にもつながります。

遠方の顧客との商談の増加

web商談では場所の制約がなく、顧客との距離に関係なくアプローチが可能です。これまで距離のハードルによって商談を実施できなかった地域を拠点とする企業に対しても、web商談であれば新規顧客の開拓や獲得が実現可能となります。

地域に関係なく商談先を開拓できれば、商談数増加にも貢献してくれるでしょう。

営業活動の可視化

訪問営業では、各営業担当者の活動に同行する機会が少ないため、営業活動は属人化しやすく、組織内において営業担当者のパフォーマンスに差が生じることが課題でした。

web商談ツール等を利用すれば、商談内容の録画記録も可能であるため、営業活動が可視化され、属人化の脱却に繋がります。

web商談で得られた録画記録を社内で共有することで、営業担当者個々における商談の振り返りだけでなく、営業部門全体で問題点や改善点の見直しや優れた営業パーソンのスキルや活動量を明確にすることができます。

共有された課題や営業スキルをもとに、自社として理想の営業活動を明確にし、フレームワークとすることで、営業活動の属人化からの脱却を実現することができます。

顧客データを活用することができる

web商談の導入により、顧客のアクセス履歴やサイト滞在時間、ページの遷移など顧客の行動データを蓄積しやすい環境も構築可能です。

例えば、獲得した顧客のうち、解約率が低く単価が高い顧客群(業界やその課題)を詳しく分析できれば、より確度の高いターゲットの策定や案件の選定が可能となります。

また、獲得したデータをもとに営業活動でボトルネックになっている KPI の分析や改善を繰り返すことで、より効率的で確度の高い営業活動や優秀な営業人材の育成にも役立ちます。

蓄積した顧客データを活用する方法として、CRM分析があります。CRM分析については、以下の記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたい:CRM分析とは?分析手法とそのポイントを解説

web商談のコツ

コロナ禍をきっかけにweb商談を取り入れる企業が増加しているのは事実ですが、残念ながら web商談導入による効果が十分ではないとする企業も少なくありません。ここからは、web商談の生産性を向上するための4つのポイントを紹介します。

明確に定義されたアジェンダを作成する

web商談は直接訪問して行う商談と異なり、インターネット環境さえあれば顧客と簡単につながれますが、商談内容を充実させるためには訪問による商談と同様に十分な事前準備が必要です。

web商談における目的が曖昧なままでは、何度商談を重ねても成果に結びつかないばかりか、お互いに貴重な時間や労力の浪費となってしまうでしょう。

顧客と共有すべきアジェンダ(実施すべきプラン)を明確にし、議論が必要な課題や項目にポイントを絞って商談を実施できれば、双方にとって有意義かつ生産性のある時間となります。

特に、BtoB営業では、顧客が抱える営業における問題や課題、目的、それを解決するための手段を仮説立てしておくことが大切です。以下の記事で売上につながらない、やってしまいがちな行動を解説しています。ぜひ、ご覧ください。

なぜ売上が上がらないのか?営業組織が陥りやすいポイントと対処法

顧客のニーズを明確に理解しておくこと

web商談に限らず、顧客のニーズがどこにあるのか、何を求めているのかを理解していなければ、顧客にとって意義のある提案もできません。

顧客が解決したい悩みや問題点を正確に把握していれば、それらをカバーできる商品のデモンストレーションをしたり、サンプルを送付して実際に体験してもらったりすることが可能となり、顧客にとって無駄のない効率的かつ意義のある商談を進められます。

商談内容の共有

web商談後は、その内容の記録をフォローメール等で顧客と共有しましょう。お互いに認識を深めたり、不要な誤解を生むリスクを最小限に抑えたりするためにも重要なステップです。

商談中に提示された問題点や合意点、次回までの課題等を整理、共有しておくことで、その後の商談をスムーズに進めるのにも役立つでしょう。

顧客が求める達成目標に向けて、お互いに価値のある商談を進めていくことが重要です。

商談の振り返りを行う

商談後は、商談の経過等について社内もしくは部署内で振り返りを行うことも重要です。商談で良かった点、悪かった点、改善が求められる部分はないか、個人でももちろん組織全体で共有しながら意見交換や情報交換を行うことが、商談の質を高めることにつながります。

加えて、商談で得た示唆や成約のポイント、商談の進め方のフローなどを誰もがわかるように標準化していくことが大切です。

標準化により向上的に売上を上げていく仕組みは以下の記事から無料で知ることができます。

なぜ、効率化と営業の質は両立できないのか? Magic Moment Playbook の活用例

商談におけるデータの蓄積は、営業組織の改革や営業生産性の向上を目指す企業にとって、大きな財産となります。

web商談ツールを選択するポイント

続いて、web商談ツール導入時の選び方のポイントについて解説します。

料金

web商談ツールを選ぶ際は、自社の課題や目的に照らしたときに、費用対効果があるかどうかがポイントになります。

  • 初期費用の有無
  • 月額の固定料金
  • お試し期間の有無
  • 契約期間

これらの要素や搭載されている機能、使い勝手など、自社のニーズに合うプランを選択しましょう。

既存のツールと統合することができるか

既に導入しているシステムと新たに導入する web商談ツールの統合が可能であれば、データ移管のコストも少なく、より効率的な商談を実現できます。

例えば、商談中に最適なタイミングで資料を共有できる機能等、商談をスムーズに進めるため、既存のシステムと連携可能な互換性のあるツールを確認しておくことも大事です。

また、営業にとって使いやすい UI であるかどうかも大切なポイントになります。

ツールの機能が自社のニーズを満たしているか

予算はもちろん自社が行う商談に必要な機能が搭載されているかが、web商談ツールを選ぶ際の重要な検討要素となります。

商談のスタイルや環境により web商談ツールに必要な機能も異なりますので、既存のツールとの相性も含め、自社に合わせたサービスを選択しましょう。

web商談ツールは無料お試し期間のあるサービスもあれば1年単位での契約と限定されているサービスもあり、その料金も様々です。料金や必要な機能、既存ツールとの互換性等を十分に比較検討し、自社のニーズを満たしているか見極める必要があります。

営業に特化したweb商談ツール

ここからは、営業に特化した4つの web商談ツールを紹介します。

bellFace(ベルフェイス)

「ベルフェイス」は、電話でのコミュニケーションを重視する企業向きの機能を多数搭載している web商談ツールです。

インターネットに不慣れなユーザーでも使いやすい電話を活用したオンライン営業システムです。

費用体型初期費用あり月額制
料金要見積り
契約期間1年
対応ブラウザGoogle ChromeFirefoxSafariMicrosoft Edge
対応デバイスPCスマートフォンタブレット
インストールホストは不要
接続方法アクセスURLの送付4桁の接続番号入力ダイレクト発番SMS送付
その他の機能デジタル名刺資料共有ファイル送信画面共有トークスクリプトリモートコントロール録音録画スマホ画面サポートCRM連携(Salesforce®連携)シングルサインオン組織管理機能写真撮影IPアドレス制限
セキュリティ国際規格ISO27001(ISMS)認証取得

B-Room(ビールーム)

「ビールーム」は、web商談ツール導入の最初の障壁となる「インストール」作業を、ホスト・ゲスト双方で不要としたweb商談ルーム提供サービスです。

不要なストレスなく、インターネット環境とデバイスがあれば、即、商談を始められます。

費用体型初期費用なし月額制
料金1ルーム月額35,000円3ルーム月額69,000円20ルーム以上月額400,000円~100ルーム以上の特別プランあり
契約期間1年単位
対応ブラウザWindows→Chrome / Microsoft Edge / FirefoxmacOS→Chrome、SafariiOS(iPhone・iPad)→SafariAndroid→Chrome
対応デバイスPCスマートフォンタブレット
インストールホスト・ゲストとも不要
接続方法URL接続ワンタイムパスワード接続
その他の機能4拠点同時接続初期設定・ダウンロード・インストール不要ワンタイムパスワードで簡単接続名刺交換デスクトップ共有プレゼンモードトークスクリプト資料の受け渡しステルスメモ音声自動議事録チャット機能ファイル送信機能自動リマインドメール削減コスト自動計算スケジュール連携背景ボカシ機能商談履歴管理
セキュリティSSL暗号化通信機能・ISO27001取得

VCRM

「VCRM」は最大10人までの同時接続が可能で、web商談はもちろん、社内会議等にも広く活用できるクラウド型のツールです。

1ルーム月額5,000円から、ユーザー登録無制限といったコストパフォーマンスに加えて、営業特化型としての機能や導入企業向けのコンサルティグも提供しています。

費用体型初期費用あり月額制
料金初期費用98,000円1ルームから導入可能1ルーム月額5,000円~追加1ルームあたり5,000円
契約期間1年間10日間の無料トライアルあり
対応ブラウザGoogle ChromeSafari対応ブラウザにより一部機能制限あり
対応デバイスマルチデバイス対応一部機能制限あり
インストールホストは不要
接続方法URL 発行番号発行
その他の機能ユーザー登録数無制限最大10名まで同時接続可能録画機能画面のリアルタイム共有(PC のみ)資料の事前セットアップノート機能非公開商談メモPC 音声通話

V-CUBEミーティング

「V-CUBEミーティング」は、HD 対応のクラウド型 web会議サービス。クリアな映像や音声でつながりやすい、途切れにくいなど、通信のクオリティにもこだわっています。

V-CUBEミーティングは、30日間の無料トライアルや1ヶ月からの契約など、導入に向けてのサービスも充実しています。

費用体型初期費用あり月額制
料金初期費用1契約あたり45,000円(税別)月額費用1 ID あたり7,000円(税別)5 ID 以上からの販売30日間の無料トライアル実施中
契約期間1ヶ月からの契約が可能半年・年間契約で割引あり
対応ブラウザGoogle ChromeMozilla FirefoxMicrosoft EdgeSafari(一部機能制限あり)
対応デバイスマルチデバイス対応
インストール不要
接続方法URL 入力URL クリック
その他の機能ホスト側のワンステップ接続画面・ファイル共有チャット機能録画機能商談ダッシュボードSalesforce® との相互連携外国語会議でのリアルタイム翻訳テレビ会議との連携多拠点・多人数で利用カスタマイズ可能Office365連携
セキュリティ映像/音声/資料共有/通知等の暗号化処理

まとめ

コロナ禍を経て、より効率的な営業が求められるようになったいま、web商談の導入は必須ともいえるでしょう。

web商談の活用では「移動時間・コストの削減」「遠方の顧客との商談の増加」「営業活動の可視化」「顧客データの活用」等、訪問による商談と比較して様々なメリットがあります。

これらのメリットを最大限に活かすためには、商談におけるアジェンダや顧客ニーズを明確に理解するなどの有意義なプロセスが必要です。また、大前提として自社のニーズや課題にに添った web商談ツールである必要があります。

web商談に限らず、デジタル技術の進化による変革は多くの企業が抱える課題でもあります。DX(デジタルトランスフォーメーション)すなわち「デジタル変革」で、営業生産性を向上させる方法も以前とは変わってきています。

どのように変革していくべきかのお悩みを解消していくためにも、まずは現状を把握することが重要です。

企業様のデジタル改革のために弊社がご用意した「営業組織の DX チェックリスト」を活用してみてはいかがでしょうか。御社のデジタル化に向けて抱える課題解消の一助となれば幸いです。

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《引用文献》

1)エン・ ジャパン株式会社. 1000社が回答!「オンライン商談」実態調査―『エンゲージ』アンケート―. 2020-11-06. https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/24514.html, (参照 2022-11-16)

2)エン・ ジャパン株式会社. 1000社が回答!「オンライン商談」実態調査―『エンゲージ』アンケート―. 2020-11-06. https://corp.en-japan.com/newsrelease/2020/24514.html, (参照 2022-11-16)
3)株式会社ワッツユアリッチ. 「営業パーソンが最も時間をかけている業務第一位は”資料作成”。営業現場における業務実態調査2021を公開」. PRTIMES. 2021-12-20. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000052185.html, (参照 2022-11-16)