【事業責任者におすすめ】BIツールとは? 機能や特徴・価格を比較

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【事業責任者におすすめ】BIツールとは? 機能や特徴・価格を比較

システム部門だけでなく、収益を上げるための事業計画などにも必須のデータ分析。データ分析は課題が明確になっていない企業にとって、非常に重要なプロセスと言えます。

しかし、デジタル化やIotの登場で日々増えつつある、膨大にある顧客情報、データを活用し分析するには、データを収集・統合・可視化・インサイト抽出の4つプロセスが必要です。このプロセスを全て自社で行うには、人的、金銭的、時間的なコストが大きくかかってしまい、ビジネスのスピードが落ちてしまいます。そこで、本記事では迅速な意思決定のために導入する企業が増えているBI(ビジネスインテリジェンス)ツールについて説明し、実際の機能や特徴・各企業の価格を比較していきます。

事業成長に欠かせない「BIツール」とは?

データ分析を行うには、従来なら分散されたデータを集計し、スプレッドシートやExcelなどを駆使して行う必要がありました。しかし、この方法では各システムに散らばったデータを集め、さまざまな切り口ごとにExcelの関数などを設定し直す必要があるため、スピーディーにデータ活用や分析を行うことができません。これでは素早い経営判断ができず、事業の成長スピードに影響を及ぼしてしまいます。

上記の課題を解消してくれるものがBIツールです。

BIツールは、企業内に存在する大量のデータを集計、瞬時に様々な分析を行うことができます。必要なタイミングで必要な分析を行うことができ、あらゆる場面で適切な意思決定を助けてくれるツールと言えるでしょう。有名なBIツールとしてTableau(タブロー)やGoogle データポータルなどがあげられます。

BIツールを導入するメリット

リアルタイムに近いタイミングでデータ分析を行えるようになることで、課題発見から判断までのスピードが格段に上がります。

また、可視化できていなかった顧客の傾向が分析できるようになるなど、事業成長のヒントを得られるといったメリットもあります。

他にもシミュレーション・プランニング機能のついたBIツールであれば、これから実施するマーケティング施策のシミュレーションなどを行うこともできます。

おすすめのBIツールを徹底比較

BIツールには様々な機能が付加されていますが、事業の成長戦略を練るにあたっては、分析機能の優れたものを比較し選ぶといいでしょう。特に、目標などとのずれの要因を深く掘り下げることに適したOLAP分析や、問題対処のヒントを得るためのデータマイニング機能がついているものがおすすめです。

またユーザビリティーについても考慮され、使いやすく視覚的にわかりやすいものを選ぶことも重要なポイントです。

ここでは、以下の切り口にあったBIツールを中心に比較し紹介していきます。

  • OLAP分析・データマイニングなどに対応している
  • 使いやすさが考慮され、ビジュアル的にもわかりやすい 
  • 分析の結果を施策に反映できる

Tableau(タブロー) 

フランス語で「完成された絵画」を意味するTableau(タブロー)はその名前の通り、完成度の高いBIツールです。

インストール後30分で利用開始できるという大きなメリットです。特徴としてオンプレミスとクラウドの両方にデータベースを保存でき、商談履歴や顧客管理データからアクセス解析まで全てを一つに統合することが可能です。TableauはUIが直感的でドラッグアンドドロップのみで操作が可能です。そのため、プログラミング未経験者でもデータ分析しやすいというメリットがあります。

Tableauはもともと、SFAツールのシェアランキングトップであるSalesforceとの連携が強いBIツールでしたが、SalesforceによるTableauの買収を受け、両者のツール間の連携はさらに強化されていくでしょう。

提供形態:クラウド・オンプレミス
価格:月額1,800円〜

MotionBoard Cloud(モーションボードクラウド)

あらゆるデータベースに対応し、Excelデータも対象に。Salesforceとつなげられるバージョンもあります。OLAP分析やデータマイニング機能も持ち合わせている他、プランニングにも対応しています。

また操作性も直観的で扱いやすく、チャート表現なども豊富で、視覚的に気づきを与えてくれるBIツールです。レポートやダッシュボード機能もあり、タブレットにも対応しているので、いつでもどこでも分析結果を把握することができます。

提供形態:クラウド

価格:月額15,000円~

Insight Board(インサイトボード)

Insight Board

本メディアを運営するMagic Momentが提供するサービスです。Insight BoardはBtoBのサブスクリプションビジネスに特化しています。MA・CRM・SFAのデータの統合、集計Quick RatioやChurn Rateなどのサブスクリプションの重要指標の可視化、ビデオミーティングによるアクションプランの提案がセットになっているサービスです。

企業のデータ活用のプロセスを一貫してカバーしています。

提供形態:クラウド

価格:初期設定項目、追加サービスによって変動(ご相談はこちら

Google データポータル

Google Data StudioはGoogleが提供する無料のBIツールです。Google系のサービスとの連携に最適化されているのが特徴です。Google AdwordsやGoogle Analyticsはもちろん、スプレッドシートやMySQLのデータの利用も収集、分析可能です。直感的な操作でレポート作成ができる反面、「異なるフィルタをかけた複数の数値を1つのグラフに表す」というような複雑な設定ができないという欠点があります。

Google系のサービスを多用している企業、Web上で取引が完結するサービスを提供している企業にオススメの無料BIツールです。

提供形態:クラウド

価格:無料

Qlik Sense(クリックセンス)

独自の特許技術「連想技術」と「拡張知能」を搭載しているので、高度な分析が可能です。さらに適切なチャートを自動で作成する機能もあります。こちらも直観的な操作感でレポート・ダッシュボード機能、タブレットにも対応している製品です。

インメモリ型なので、大量のデータがあっても高速な検索・集計ができるので、連想技術と組み合わせて分析したいと思ったことを即座に実行できます。ExcelからHTMLや外部のオープンデータまで、関連するすべてのデータの取り込みができる点も特徴です。また、無料で始められるのも特徴の1つです。

提供形態:オンプレミス / クラウド

価格:データをアップロードして利用する場合、最大5ユーザーまで無料

データに直接接続する場合、月額20ドル~/ユーザー

The Yellowfin スイート(ザ イェローフィン スイート)

AIを搭載したBIツールです。レポートやダッシュボード機能がついているBIツールは多くありますが、Yellowfin スイートは重要なデータの変化だけでなく、その要因を追求して提示することができます。また、ブログ感覚でデーターストーリーを作成する機能もあります。どんなユーザーにも適した形でデータの集計、インサイトを共有することができ、組織内で共通した認識を持たせる一助となるでしょう。

The Yellowfin スイートは、2018年 Gartner 分析とBIプラットフォームのクリティカル・ケイパビリティで、15あるすべての部門において、ランキングトップ5の分析プラットフォームに選出されるような、高い評価を受けているBIツールでもあります。

提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / SaaS

価格:30日間の無料トライアル。以後、要問合せ

Zoho Analytics(ゾーホーアナリティクス)

最も特徴的なのは、質問を入力するとZia(インテリジェントアシスタント)が適切な答えを見つけ、表示してくれる機能です。Ziaは人口知能・機械学習・自然言語処理の技術を用いて作られています。

その他、様々なデータソースを元にドラッグ&ドロップでレポートやダッシュボードなどのデザインの作成が可能です。データベースを深くまで掘り下げた分析も、視覚的に行うことができます。

無料トライアルを設けており、またBIツールの中では比較的安価でユーザー数に応じた料金体系であるため、自社のデータ分析に必要な分だけのコストで済みます。

提供形態:クラウド

価格:データ行数1万行のレコード制限、最大2ユーザーまで無料

データ行数50万行のレコード制限・最大2ユーザーで、月額2,880円~

Oracle Analytics Cloud(オラクル アナリティクス クラウド

言わずと知れたデータベースの大手企業であるOracleが出しているBIツールです。 Salesforce や Microsoft Excel,Google Analytics など、さまざなデータベース、アプリケーション連携にも対応。 機械学習の活用により、目に見えないパターンやインサイトをデータから発見。 Oracle Analytics Mobile アプリをダウンロードすることで、いつでもどこでも分析結果を閲覧可能。

提供形態:クラウド

価格:月額2,240円~(2024年3月15日時点)

Data Knowledge(データナレッジ)

1987年に開発された純国産のBIツールです。約30年に渡り、様々な顧客の声を反映してきていますので、必要で使える機能が詰まっています。純国産なので、使いこなすために英語のマニュアルを読み込む必要がないのがメリットです。専門スキルがない人からヘビーユーザーにまで使えるBIツールと言えるでしょう。

また、「ナレッジ機能」により、分析ノウハウをメンバーに共有することができるので、使う人による分析精度の差を埋めることができます。

提供形態:オンプレミス

価格:500,000円~

GoodData(グッドデータ)

クラウド上にあるデジタルデータ、ソーシャルデータなども対象に分析を行えるので、特にデジタルマーケティングに力を入れている企業におすすめです。マーケティングや販売データの解析にも優れており、分析にかかる時間を短縮できます。

また、専門性の高さを生かし、どんな業界や職種であっても活用できるソリューションとして提供されています。これまで全社でビッグデータを活用するハードルとなっていた「別の部署では使えない」状態を回避することができることがこのBIツールのメリットと言えるでしょう。

価格は、データソースの接続数やユーザー数に関係なく、データ行数によって決まるのも特徴的です。 

提供形態:クラウド

価格:月額40,000円~

失敗しないBIツールの導入・BIツール運用方法

スピーディーな意思決定に欠かせないBIツールですが、導入の仕方を間違うと「稼働するまでに時間がかかってしまう」あるいは「いつまでたっても稼働できない」といった事態を招きかねません。

これまで、様々な企業のデータ活用を支援してきた中で、よくあった失敗談として以下のような事例があります。

BIツール導入失敗事例

  • はっきりとした目的がないままとりあえず導入し、効果が見えずに使わなくなる
  • どのデータが必要かわからない。
  • 現場で必要な分析がわからないシステム部門と、使い方がわからない現場。
  • BIツールでデータを可視化したが次に何をすればいいのかわからない。

では、どうすれば上記のような失敗をせずに済むのでしょうか。

ツール導入のポイント

まずは、何のために導入するのかを明確にし、使わないと回らない仕組みを作ることが大切です。部門ごとではなく、全社的な目的を明確にしておくといいしょう。

また、BIツールでデータを可視化するだけでなく、どう施策に繋げていくかまで想定しておくことが重要です。

BIツール比較まとめ

BIツールには様々なものがありますので、それぞれの特徴を理解して自社の目的に適したBIツールを選択していきましょう。

デジタル化で扱える顧客データが増えてきた今、データ活用がビジネス成長の鍵を握っています。

特に、顧客との継続的な関係構築求められるサブスクリプションビジネスにおいては、取得した顧客データから提供価値を高めていき続けることが重要です。

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