売上アップにつながる営業ツールとは?営業ツールの概要やポイント、おすすめツールを紹介

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要約SUMMARY
  • 商談や提案といった営業のコア業務で実際に活用できるツールには、会社紹介資料、名刺、提案資料、製品紹介資料、事例、サンキューレターがある。
  • 業務効率化のための営業ツールには、営業のどのフェーズを効率化したいのかにより様々なものがあり、MA ツール、SFA ツール、CRM などがある。
  • 営業ツールが必要な理由には、営業担当者が忙しく顧客と向き合う業務以外に約4割の時間を使っていること、一方的な売り切り型の営業は通用せず、顧客に合ったアプローチをする必要があること、営業プロセスの弱点を補強することの3つがある。

常に忙しい営業組織にとって、いかに効率よく営業活動をするのかは不変の至上命題です。いかに効率よく営業をするのか、営業に使える時間を増やすのか、試行錯誤している組織は多いです。

そんな状況下で、膨大な作業を効率化し、生産性アップに寄与するツールの活用は営業担当者の心強い味方になります。

今回は、営業ツールの概要から効果的な営業ツールの作り方、営業効率化のためのおすすめツールを紹介します。

Magic Moment は自動化により営業にかかる時間を削減し、最適な営業アプローチを AI にもとづいて提示する営業ツール Magic Moment Playbook を提供しています。

また、弊社では、CRM を「データを収集・蓄積するツール」から、「成果に結びつけるツール」にする Magic Moment Playbook というプロダクトをご提供しております。

こちらの詳細もぜひ一度、ご覧いただけますと幸いです。

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優秀な営業が使っている営業ツール

営業ツールと一言で言っても、様々なものがあります。営業活動で使えるツールや、営業プロセスの各フェーズをデジタル化・効率化する営業支援ツールなどが挙げられます。

まず初めに、商談や提案といった営業のコア業務で実際に活用できるツールを見ていきます。

会社紹介資料

会社紹介資料は、パンフレットやスライドを用いて会社の概要を説明するものです。誠実で信頼できる会社であることを伝えるために、会社の設立年月日、住所、資本金、規模などを入れて会社の事業内容を紹介します。

会社案内資料は、デザインや色も整えたものとし、ブランディングにも活用します。整った資料であることは、会社への信頼獲得とイメージ作りにも重要です。

名刺

名刺はアナログなイメージがありますが、現在でもビジネスの必需品です。二次元コードを用いることで、会社ホームページへのリンクや、メッセージが可能な SNS アカウントなど、多くの情報を盛り込むことができます。

提案資料

営業にあたり、顧客のニーズに応える提案資料は、購買を検討をいただくためにも重要な資料です。ターゲットの属性(業界・規模など)ごとに仮説を立てて、それぞれに合った資料にする必要があります。

仮説を検証し、顧客の課題をヒアリングで深掘りしていくことで、確度の高い提案が可能になります。

製品資料

製品資料は、提案したい商品の機能やメリットをまとめたものです。顧客の課題に対する解決策であることが伝わる内容になっており、パッと見て商品の良さが伝わるデザインにすることがポイントです。

事例

商品の導入事例は、顧客に導入後のイメージを描いてもらうためにも重要な資料だと言えます。

顧客の業界で、どのように商品を導入したのか、具体的にどのような効果があったのかを事例として見ることができると、よりリアルに自社での活用を想像してもらいやすくなります。同業界での導入事例があることで、顧客の導入モチベーションを高めることにも繋がります。

サンキューレター

サンキューレターは営業や商談後に顧客に送るお礼状を指します。お礼を送ることで、他の営業マンとの差別化を図り、お客さまとの関係を構築します。

これらのツールが効果的な理由

これらのツールが営業活動に効果的な理由は、営業力をサポートしてくれるツールであること、そしてツール自体が営業をしてくれることの2つです。

営業をサポートしてくれる

口頭での商談や提案だけでは、顧客はなかなか商品のメリットや活用のイメージができませんが、製品資料や事例を補助的に使うことで、より提案の魅力や製品のメリットが伝わりやすくなります。

導入の意思決定にあたって、その商材が自社でも効果を出せるのかという再現性は重要なものになります。

ツール自体が営業をしてくれる

営業が同席できない顧客社内での協議や稟議の際に、提案内容が分かりやすく伝わる営業ツールがあれば、成約の可能性が高まります。

特に、BtoB 営業であればなかなか決裁者にアプローチすることが難しいため、周りのステークホルダーに説得してもらう必要があります。その際に、効果を発揮するのが営業ツールです。

また、アポを取るといった際にも、動画コンテンツやユースケースがあれば、「話を聞いて見ようかな」と思ってもらえるきっかけにもなります。

営業ツールの作り方のポイント

伝わりやすいかどうか

営業ツールを作る上でのポイント1つ目は、伝わる資料になっているかという点です。

伝わらなければ意味がありませんので、専門用語が伝わるかどうかや視認性、論理構成を社内でチェックしてから顧客に見せましょう。

顧客調査は十分かどうか

ポイントの2つ目は、顧客調査に基づく顧客ニーズにあった提案になっているかという点です。

自社の製品や提案を訴求する営業ツールは、顧客ごとにカスタマイズすることで効果を発揮します。1つの営業ツールがあらゆる顧客に効果がある訳ではありません。

以下のポイントを事前に把握しておくといいでしょう。

  • 顧客ニーズ
  • ニーズは今後も変わらないか
  • ニーズを持つ潜在顧客数
  • 獲得コスト
  • 市場規模とその動向
  • 顧客の課題は何か
  • 顧客の商材は何か
  • 商材はどんな価値を提供してるか
  • 顧客の商材とニーズはマッチしているか
  • ROI 
  • どんな顧客を相手にしているか
  • ビジネスの優位性はなにか
  • それはどこからきているのか、今後も変わりないか
  • 顧客の業界のトレンドは
  • 顧客のこれまでの戦略は
  • 今後の戦略は
  • シェアは
  • 今後そのシェアはどうなるか
  • 競合は誰か
  • 競合の戦略は何か
  • 競合は増えるか
  • 顧客のビジネス優位性に危険はあるか

上記のように変数は様々であるため、顧客のサービスだけではなく、顧客を取り巻く環境やこれまでの姿、これからどうあるべきかを含めて、顧客を知り尽くしているかどうかを見直しましょう。

以下の記事で外的環境の分析と営業戦略の策定に役立つフレームワークを紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

あわせて読みたい:営業戦略の策定に使えるフレームワークとは?

データが最新かどうか

営業ツールの策定に使うデータが最新版に更新されているかどうかのチェックも怠らないようにしましょう。

古いデータは現在の顧客の状態を捉えているとは限らず、ツールの効果に影響が出てしまいます。

顧客にメリットがあるかどうか

営業資料の目的は、商材の魅力やどれだけ他社サービスに比べて素晴らしいかを伝えることではありません。重要なのは、顧客にとってどんなメリットがあるのかを伝えることです。

それは本当に必要なメリットなのか?お金を払うに値するものか?自分が顧客だったら、この提案をされたら買いたくなるか?顧客のリスク許容度に見合っているのか?などと、問いかけてみましょう。

すべて顧客視点で考えることで、効果的な資料になります。

業務効率化の営業ツールとは?

次に、業務効率化のための営業ツールを見ていきます。この営業ツールには、営業のどのフェーズを効率化できるように様々なものがあります。

以下の図は営業プロセス全体を The Model と呼ばれる近年注目を浴びる分業型の組織に変換したものになります。

マーケティングやインサイドセールスなどと各フェーズを効率化していくツールが多く登場しています。

以下の記事で The Model の概要を知ることができます。ぜひ、ご覧ください。 

あわせて読みたい:【徹底解説】営業プロセスを最適化・効率化する The Model(ザ・モデル)とは?

図1:営業プロセスと各フェーズ(Magic Moment 作成)

MA(マーケティングオートメーション)

目的

MA ツールとは、リードの獲得やナーチャリングを通じて見込みの高いリードを獲得・育成するためのツールです。営業部門だけでなく、マーケティング部門や、近年ではインサイドセールスでも使われています。

インサイドセールスについては以下の記事をご覧ください。

あわせて読みたい:インサイドセールスとフィールドセールスの違いとは?分業のメリットや連携のコツを解説

特徴

MA ツールとは、顧客1人1人の属性・行動に合わせた体験を創造し、顧客との長期的な関係を構築することができるプラットフォームです。

業務の視点でいうと、見込み顧客の育成から見込みの高い顧客を選別し、セールスへ渡すといったマーケティングの流れを顧客のデータに基づいて効率化・自動化します。

機能

リード情報の管理

リードの状態、アクティビティを記録し管理することができます。

ユーザー行動のトラッキング

各ユーザーごとにトラッキングできます。そのため、ユーザーの WEB 上での行動を把握することができ、何に興味がありどんな情報が欲しいのかを読み解くことができます。

スコアリング機能

ユーザーの行動や属性情報などに合わせて、スコアを振ることができます。スコアリング機能によりどのユーザーがホットなのかを一目で分かるようになります。

また、何ポイント以上は見込みが高いなどとアラートすることもできるため、より成約確率の高いリードを営業にトスアップすることが可能です。

顧客に合わせたマーケティングシナリオを作成

マーケティングシナリオを作成し、顧客のアクションに対して自動でコミュニケーションやスコアリングをすることが可能です。

この機能は、キャンペーンやワークフローなどと言われているケースが多いです。

ランディングページ( LP )作成

リード獲得のための登録フォームやリードナーチャリング用の LP など、簡単な WEB ページを作成することができます。

また、MA によって LP ビルダー機能などもあるので、簡単に作成することが可能です。

メールマーケティング

ステップメールとメルマガどちらにも対応しています。ステップメールでは顧客の属性/状態に合わせて、配信することができます。

これらの機能はマーケティングシナリオと組み合わせて利用するケースが多いです。

SFA / CRMと連携

SFA / CRM と連携することで、リード登録から受注までのプロセスを横断して顧客の行動を管理することができます。

今までは、マーケティングとセールスが別々のデータを見ている状態であり、マーケティングからの顧客情報がセールスに引き継がれないということが多々ありました。これでは、顧客は満足な体験を受けることができません。

マーケティングとセールスが一緒のデータを見ることが可能になり、マーケティングからセールスまでのどこに問題があるのかが見える化がされます。また、これまではサイロ化していたデータが統合され、アプローチの確度も向上します。

SFA( Sales Force Automation )

目的

SFAとは、英語の Sales Force Automation の頭文字を取った用語で、日本語に訳すと「営業支援システム」となります。

営業活動のプロセスを可視化して、営業データを管理・分析をすることにより業務の効率化・生産性の向上を計ることが SFA の目的です。

特徴

SFA ツールはよく CRM ツールと間違えられたり、CRM / SFAとまとめられますが、SFA ツールは営業活動をサポートするツールで、CRM ツールは取引顧客の情報をまとめることができるツールです。

SFA ツールと CRM ツールは非常に互換性の高いソフトウェアとなっているため、BtoB サービスやオンラインマーケティングを行っていく上では、どちらも導入しておくことをおすすめします。

機能

SFA ツールを導入してできるようになることとは主に以下の3つです。

  • 顧客情報管理案件
  • 社内タスク管理売上予測
  • 予算管理

以下の記事では SFA を徹底比較しています。ぜひ、ご覧ください。

CRM ( Customer Relationship Management )

目的

CRM は、Customer Relationship Management の略で、日本語に直訳すると「顧客関係管理」となります。顧客それぞれに合った個別最適な体験・サービスを提供し、自社へのブランドロイヤルティの向上、LTV(顧客生涯価値)の最大化をすることが CRM の目的です。

特徴

最大の特徴は顧客情報の一元管理ができることです。顧客情報に加え、顧客とのやりとりも記録し、既存顧客の分析により最適なセグメントやタッチポイントを作ることができます。

その他売上レポートの作成やタスクの管理なども効果的に行うことできます。CRM を活用することにより、単純に顧客データベースを構築するのではなく、顧客情報をトータル的に管理、活用することが出来るようになります。

機能

データベースの一元管理

CRM の最大の特徴として、顧客情報の一元管理があります。

このデータベースは、営業組織をはじめ各部門での利用も可能になります。情報を各部門で有効に閲覧、分析することが可能です。顧客情報として顧客の属性(居住地、性別や生年月日等)も一元管理することができます。

顧客のやり取りも管理可能

構築したデータベース上には、顧客情報だけではなく、顧客と営業担当者とのやり取りも記録しておくことができます。

この記録は、顧客の行動分析をしたり新たなアプローチ戦略を検討する上でとても有効な指標となります。

顧客のセグメント分析

顧客の属性ややり取りの履歴などを活用したセグメント分析も可能です。ある商品を購入しやすい傾向にある顧客は、どういったセグメント属性を持っているか。どのセグメントをサービスに誘導すると効果的であるかなどの仮説づくりに活用することができます。

メッセージ管理

セグメント情報を活用して、顧客へ送信するメッセージの管理も可能です。予め取り決めたサイクルで自動的にメール等の発信をすることができます。自動的に発信されることで、従来は手動で起動していた負荷を軽減できます。

以下の記事で CRM を運用する際のポイントを紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

あわせて読みたい:CRM 活用のポイントとは CRM 活用・運用のポイントを徹底解説

なぜ営業ツールが必要なのか

営業担当者はいつも忙しいから

営業ツールが必要な1つ目の理由は、営業担当者はいつも忙しいからです。

営業担当は営業の資料作りやリストの作成、顧客データの入力など、顧客と向き合う業務以外に約4割の時間を使っているというデータがあります。雑務に追われ、売上になる行動ができていないのが現実です。

図2:営業担当者は営業活動以外に多くの時間を割いている(Magic Moment 作成)

売上が上がらない要因を以下の記事で解説しております。ぜひ、ご覧ください。

あわせて読みたい:なぜ売上が上がらないのか?営業組織が陥りやすいポイントと対処法

顧客に合ったアプローチをするため

営業ツールが必要な2つ目の理由は、それぞれの顧客に合ったアプローチをする必要があるためです。

昨今は、商材の多様化や技術革新によって顧客ニーズも多様化し、購買行動もオンラインへ移行しています。つまり、これまでの一方的な売り切り型の営業は通用しなくなっています。

一方的な売り切り型の営業ではなく、ソリューション営業というニーズや課題に沿って、顧客に合った提案が求められます。

ソリューション営業については以下の記事で解説しておりますのでご覧ください。

あわせて読みたい:ソリューション営業とは?基本戦略や必要なポイントについて解説

ソリューション営業を実現するためには、属性ごとに顧客情報や営業データを一元化して、少ない工数で営業担当者がそれらの情報にアクセスできる必要があります。

営業プロセスの弱点を補強するため

営業ツールが必要な3つ目の理由は、営業プロセスの弱点を補強するためです。

多くの企業で案件開拓やアポ取り、商談準備、商談、提案、フォローまでを営業担当者が一気通貫でやっています。

営業活動において、「売れない」「生産性が低い」という課題があれば、これらのフェーズの時間軸のなかにある致命的なボトルネックを解決していく必要があります。ただし、この長い時間軸のなかで人力でボトルネックを把握することは簡単ではありません。

それぞれのフェーズに対して効果的な営業ツールの選定・運用を行うことで、ボトルネックとなっている課題を解決できます。

自社に合わせた営業ツールを選ぼう

営業ツールを導入しただけで、必ずしも効果が出るわけではありません。自社の目的や課題に即したツールの選定と運用が必要です。

ボトルネックを認識し、解決したい課題を明確化

営業ツールを選ぶ前に、その営業ツールで何をしたいのかを明確にしましょう。

案件が少ないのであればリード獲得に貢献できる MA が候補になります。また組織全体として受注成果が低下しているのであれば CRM を分析して、自社に合ったターゲットを再定義しても良いかもしれません。

以下の記事では、売上を上げるための CRM 分析の手法を紹介しています。ぜひ、ご覧ください。

あわせて読みたい:CRM 分析とは?分析手法とそのポイントを解説

課題を正確に把握することは難しいですが、仮説を持って検証することはできます。手段ファーストでいきなりツールを選ぶのではなく、何をすべきかをまず決めましょう。

Magic Moment では、営業組織のレベルをチェックできる簡単なシートを無料で配布しています。自社の課題を見つめ直すきっかけになりますので、ぜひご活用ください。

BtoB 営業レベルチェックシート