
Sales Opsに求められるスキルセットとは
- Sales Opsはセールスを効率的・効果的に行うためにプロセスやテクノロジー基盤を整備する役割を担っています。
- CRM・SFAに代表されるセールステクノロジーを最大限に活用することで、営業組織の生産性向上にコミットすることが求められます。
- Sales Opsは様々なスキルが求められますが、営業の生産性を高めるために、役割を担うチームや人材が必要不可欠になっていきます。
テクノロジーの普及やコロナに伴うオンライン化に伴い、営業のあり方も変化しています。
セールステクノロジーを最大限に活用することで、営業組織の生産性を向上させることへの注目が高まっています。セールスを効率的・効果的に行うためにプロセスやテクノロジー基盤を整備する役割をSales Operations(以下Sales Ops)というチームが担っています。
本記事では、Sales Opsとは何か?どのようなスキルが求められるのか解説します。
→ダウンロード:【Sales Ops】BtoB営業組織レベルチェックシート
Sales Opsとは?
Sales Opsは、米国のBtoBビジネスの組織にチームがあることが多いです。
Sales Opsはセールスを効率的・効果的に行うためにプロセスやテクノロジー基盤を整備する役割を担っており、日本の営業組織でいう営業企画や営業推進といったチームと近い役割となります。
しかし、従来の営業企画・営業推進のイメージと異なるのは、テクノロジーやデータ関連業務の比重の高さです。現代のBtoBビジネス組織におけるSales Opsは、CRM・SFAに代表されるセールステクノロジーを最大限に活用することで、営業組織の生産性向上にコミットします。
今後日本においてもセールス・マーケティングテクノロジーの普及が進む中で、Sales Ops的な役割を担う組織や人材が求められるようになることが予測されます。
ではその際に、Sales Opsの役割を担う人材にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。以下では、Sales Opsに求められるスキルや知識を具体的に見ていきます。
セールス・マーケティングテクノロジーへの理解
SaaSツールをはじめ、セールス・マーケティングテクノロジーがどんどんと増えている今日では、世の中にどのようなツールがあって、そのツールを導入することで何ができるようになるのかを、知っているのと知らないのとでは、施策の幅に大きな差が生まれます。
Sales Opsは常に最新のツールにアンテナをはり、使えなそうなものがあれば調べて、引き出しを増やしておくという姿勢が必要です。
実際に世界で見ると、セールステックは45カテゴリー、全1078個のソリューションが登場しています。

Sales Opsはツールへの深い理解が求められる
また、実際の導入にあたっては、自社のビジネスプロセスや既存のシステムとの整合性を調査し、最も適したツールを選定・導入する必要があります。そして、導入後には、それを最大限活用するためのプロセスの構築や、社内メンバーのトレーニング・サポートも率先して行わなくてはなりませんので、ツールへの深い理解が求められます。
データリテラシー
セールス・マーケティングテクノロジーの普及により、リードや顧客とのタッチポイントがデジタル化し、セールス活動に活用できるデータの量は格段に増えました。
しかし、何も考えずにCRMやSFAを使っていると、必要なデータが記録されていなかったり、誤ったデータや重複したデータが記録されていたりということが往々にして起こりえます。
これはオペレーション上の事故や誤った意思決定を招きうる重大な問題です。こういったことが起こらないよう、Sales Opsは高いデータリテラシーを持って、データの門番たる役割を担う必要があります。
正しいデータを取得する業務プロセスの構築もSales Opsの役割
そもそもデータを使って何がしたいのかというゴール像を描き、そのために必要なデータが何かを定義し、そのデータを正しく取得するための業務プロセスのグランドデザインを構築する力がSales Opsには求められます。
同時に、CRMやSFAなどセールスツールによって異なるデータの定義やデータの取得方法といった細かい部分にまで注意をはらい正しい分析を行う力も必要不可欠です。

セールス活動への理解
Sales Opsはデータから得られるインサイトをもとに、セールスの戦略立案やプロセス改善を行う役割を担っています。
しかし、現場の状況を踏まえずにデータだけをもとにしてつくられた戦略やプロセス改善案は机上の空論と見なされ、現場からの反発を生みかねません。
地に足の着いた実現可能な戦略立案や改善提案をするためには、セールスメンバーとコミュニケーションをとり、現場で行われているセールス業務の実態を把握しておく必要があります。Sales Opsは必ずしもセールス経験者である必要はありませんが、セールス経験者の方がこの点についてはアドバンテージがあるかもしれません。
広範なビジネスの知識
Sales Opsの役割は組織によっても異なりますが、戦略・予算の策定やそのベースとなる人員計画策定、細かいところでは見積もり・契約のサポートなどに及ぶこともあります。
そのため、セールスの最大のパートナーとなるマーケティングについてはもちろん、法務・会計・人事といったバックオフィスについての基礎的な知識も求められます。
自分自身で専門知識を持つ必要はないにしても、このような関連部署とのコミュニケーションをスムーズに行うために、最低限の基礎知識は身につけておくべきでしょう。
プロジェクトマネジメント能力
Sales Opsは大小様々なプロジェクトの進行を行う必要があります。上述のCRMやSFAといったツール導入などはわかりやすい例ですが、それ以外にも予算の策定や、セールス研修の実施など、日常的なセールス活動に含まれない業務を拾い上げてプロジェクトとして進行していく必要があります。
このような多岐にわたるプロジェクトの進行をスムーズに行うために、工程管理やステークホルダーとの調整といったプロジェクトマネジメントの基礎的なスキルや、他部署のメンバーを巻き込むリーダシップも必要とされます。
まとめ
このように見てくると、Sales Opsには非常に幅広いスキルセットが求められ、Sales Ops人材の採用やSale Opsチームの構築は決して簡単ではないことがご理解いただけたかと思います。
しかし、セールス・マーケティングツールの台頭によりBtoBビジネスのあり方が大きく変化している今、この変化に適応するためにはSales Opsの役割を担う人材やチームが必要不可欠とも言えます。
BtoB営業組織レベルチェックシートを用いることで、Sales Opsの観点から営業組織のレベルを診断できるので是非ご活用ください。
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