営業組織がスケールするためになぜ「型」が必要なのか

これは、営業部長が感じている、営業組織が抱える課題に関するアンケート結果です。

これを見ると、営業戦略の設計や立案よりも、営業組織内の担当者の営業スキルのばらつきに課題を感じていた営業部長が多いことが分かります。

このアンケートは数年前のものですが、いまでも営業組織の改革に関する弊社へのご相談の中で、担当者の能力のばらつきに問題を感じている方は多いです。特に、営業担当者を多く抱える営業組織では、こうした問題に直面するケースは多くなります。 

マネジメントする上でも、担当者ごとに営業能力がばらついていると、担当案件の割り振りが、案件の成果のリスクに直結します。

この問題を解決するカギとなるのが営業活動の標準化です。営業活動の標準化とは、どんな顧客とどんな商談をするのか、どんな風にサービスを紹介するのかといったことを揃えていくことです。営業活動を標準化することで、創業者やトップセールスなど一部の人間にしか売れない営業組織から、どんな営業担当者でも売れる営業組織になっていきます。

すると、営業組織の人員を増やせばしっかりと営業成果が出せる流れを作ることができるので、営業組織がスケール(拡大)していくのに非常に強力な武器となります。

標準化と言っても、ただ営業活動を画一化すれば成果につながるわけではありません。どうすれば顧客はサービスに価値を感じてもらえるのか、そのときにどんな営業をすればいいのかを深く考えていくことが必要となります。

そのために有用な取り組みの一つが、Playbook を作ることです。

Playbook とは何か?

Playbook とは、演劇における脚本を意味します。いつ、どこで、誰が、何を言い、どのように振舞うのかが記されています。

誤解を恐れずに言うと、営業という職種は演劇に近いものがあります。

商談という場において、顧客と同じ空間でコミュニケーションを図り、双方の思いに共感したり、状況に応じて押したり・引いたりと振る舞いを変え、丁寧に説明したり、場を支配したりと、様々な要素を踏まえながら、一歩一歩、前に進めていきます。

いわば即興の空間芸術であり総合芸術と言えるでしょう。このように、様々な要素を紡いでいくことが求められるが故に、営業は難しいと言われるのでしょう。

理解を深めていただくために、営業成績は常にトップである営業担当者Aさんと、いつも平均以下の営業成績となっている営業担当者Bさんを例にとって説明します。

例えば、両者が顧客からヒアリングするとして、そのアプローチには次のような違いが生まれていることがあります。

このように、同じ商談でも、トップセールスとその他のセールスでは、与える印象や得られる結果は全く異なります。

そこで、誰もがトップセールスと同じように演じられるようにするものが Playbook です。

Playbook は、見込み顧客(リード)と接点を持ち、見込み顧客のニーズや製品・サービスへの関心度合いを高めていく Nurturing フェーズから受注、製品・サービスの定着、更には契約後のサポート、アップセル・クロスセルに至るまでのプロセスを一気通貫でカバーします。

その中で、個々の瞬間におけるゴールや押さえるべきこと、振る舞い、実施すべきこと、技、ノウハウを集約・具体化します。具体的には、以下の要素を含みます。

  • フェーズとそのゴール
    顧客の状態をもとに、商談のフェーズと、そのフェーズで目指すことを明確化します。
    例:Nurturing:顧客が自社のことを信用し、顧客が抱える課題が明確になる

 

  • 達成すること
    フェーズ全体のゴールを達成するために、1つのフェーズの中で、数個の細かいゴールを設定します。
    例:信頼関係の土台を築き、担当者から重要な情報を聞き出す
      課題を把握し、顧客の推進者と優先課題であるという共通認識を作る

 

  • 合意形成項目
    商談を前に進めるために、顧客と合意すべきことを明確化します。商談は1人で進めるものではなく、相手があってこそ成立するものです。そのため、自社視点での進捗管理ではなく、顧客と何を合意できていれば前に進められるのかを明確にすることが大切です。
    この合意事項の積み重ねが、「達成すること」としてのゴール、更には、フェーズ全体のゴールに繋がります。
    例:課題の合意形成。課題を深堀し優先課題であることを顧客と合意する

 

  • ヒアリング項目・ToDo項目
    顧客と合意を形成するためや、状況・課題・ニーズなどを明らかにするために、具体的にヒアリングすべき項目や行うことを明確にします。
    また、商談を進める上で、欠かせない作業も漏らさずに含めます。
    例:課題を自分自身の言葉で話してもらう
      法務プロセスを確認する

 

  • トークスクリプト:実際に顧客にヒアリングする際や、コミュニケーションを取る際の言い回しの例です。

このようにして、顧客との関係性構築や商談を設計します。プロセス全体を通して、かなり詳細なレベルまで落とし込みます。ここまで詳細に纏めることで、誰もがトップセールスのように振舞うことができるようになっていきます。

実際にPlaybookを作成するためには、さらに自社のサービスや顧客の検討の仕方などを考慮しながら、営業担当者はどんなことを話すべきか、顧客からどういう情報を聞き出すのかをさらに具体化していくことになります。

 Playbook に沿いながら商談を進めることで、営業担当者は、トップセールスの営業アプローチの考え方をトレースしながら、顧客に対する提案に集中できるようになります。

Playbook が営業組織にもたらす効果

Playbook が営業組織の成果に与える影響は以下の4つに大別できます。

  • ハイパフォーマンスな営業担当者のノウハウを結集した営業オペレーションの標準化の実現
  • 個人スキルの底上げによるチームの営業生産性の向上
  • モチベーションの向上による離職率の低下
  • 新卒人材の育成、中途人材のキャッチアップの高速化

Magic Moment と共に作成したPlaybook を活用したケースでは、以下のような効果が実証されました。

  • 商談化率(アポイントが商談につながる率): 10% → 60%

Playbook を作成するべき典型的な営業組織

1.営業担当者あたりの顧客が多い

1人の担当者が多くの顧客を抱えている営業組織では、Playbookのメリットを得ることができます。
目安としては1人あたり30顧客を超えてくると、Playbookの効果が大きく高まり、トップセールスのノウハウを結集した営業オペレーションにより、営業生産性の向上が期待できます。特に、Web 経由の問い合わせなどをきっかけに顧客開拓を行う営業組織では、Playbook を作成することで営業担当者のアプローチが標準化につながり、高い効果を見込めます。

2.新卒や中途で入社したばかりの営業担当者の割合が高い

営業部門の人員のうち、毎年新卒や中途で配属される人数が大部分を占める場合もPlaybook の作成を検討するべきといえます。Playbook に標準化された営業アプローチが言語化されていることで、営業部門に配属されたメンバーを短期間で効率よく育成することができ、成果を上げられるようになるまでの所要期間(ランプアップ期間)の短縮することができます。

3.これから事業をスケールさせる

少数精鋭で営業を行っている間は、個々の営業担当者の力に依るところが大きく、Playbook による標準化が価値を発揮する出番は少ないでしょう。しかし、事業が軌道に乗り、これから一気にスケールさせるタイミングでは、Playbookを作成すべきです。

事業をスケールするタイミングでは、これまで属人化されていた営業を組織知として昇華すること、さらにチームが生まれることで、チーム間での連携も標準化することが求められてきます。また、組織としてデータを蓄積することで、振り返りや改善に繋げられるようになります。このような状況においてPlaybookは活躍します。

Playbookにより、投下リソースに対する売上が計算できるようになり、計画的な事業計画や採用計画を描くことができます。

まとめ

本記事では、営業組織をスケールさせていく強力な施策のひとつとして、自社の営業組織に最適なPlaybook を作成する取り組みをご紹介しました。

ただいま、Accel を運営するMagic Moment では、自社に最適なPlaybook を作成するための手順をこちらに纏めておりますので、是非、ご活用ください。

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