セールスイネーブルメントの成熟度を表す5つのステージ


セールス関係者の間で注目を集めているのがセールスイネーブルメントです。実行するにはツールの導入や各部門の協力が必要ですが、人材育成やKPI改善に役立つといわれています。今回の記事では、セールスイネーブルメントの成熟度を表す5つのステージという概念について解説します。

セールスイネーブルメントとは

セールスイネーブルメントはアメリカで生まれた概念です。それまで感覚的に行われていた営業活動を客観的に把握できるように数値化し、その数字を元にして改善を図っていく活動全般を指します。

たとえば、日本の場合、新人の営業マンが研修を経て独り立ちするまではマニュアル化されています。しかし、そこからトップのセールスマンになる道のりは不明なことが多く、会社のシステムとしてはまったく機能していません。

これは個人に焦点を当てた話ですが、営業という部署全体で見ても同様なことが多く、意識の高い現場からは問題点として見られていました。

そんな状況の中、アメリカで生まれて有効活用されている、セールスイネーブルメントという概念が日本でも注目を集めることになったのです。セールスイネーブルメントを適切に使えば、合理的に営業活動を最適化させていく効果が期待できます。

その際に重要になるのが、ツールと呼ばれる作業の管理やデータ分析を行うソフトです。そして、セールスイネーブルメントの概念に沿って営業活動全般を最適化していくと、それぞれの状態によって5つのステージに分かれることが確認されています。これを参照することで、自社が現在どの段階にいるのかを判断するのに役立つのです。

セールスイネーブルメントのベストプラクティスをこちらの記事で解説しています。

セールスイネーブルメントの5つのステージについて

セールスイネーブルメントの手法を使って営業活動を改善していく場合、それは5つのステージに分かれます。それぞれのステージに特徴があるので、その詳細を見ていきましょう。

1. 初期ステージ

初期ステージでは、必要最低限のものしかそろっておらず、詳細なプランも無い状態です。言い換えれば、起業したばかりのスタートアップ企業や大企業の新規事業部がこの状態です。

ツール

ツールとは効果的な営業活動をサポートする道具全般を指します。たとえば、アナログなものなら、商品カタログや名刺もツールに含まれます。さらに、現代はITの発達でパソコンなどを利用したデジタルツールも増えてきています。

セールスイネーブルメントで使われるツールとは、後者のことです。初期の段階では、ほとんどの営業ツールはファイル共有システムに保存されていることが特徴といえます。

事業の変化

新しい市場を開拓しようとしている段階です。営業に必要なノウハウやツールも不足しており、具体的な営業活動よりもそれらを作成することに重点が置かれます。

KPI

KPIはKey Performance Indicatorを略した言葉です。重要業績評価指標と呼ばれることもあります。分かりやすくいえば、企業の目標達成度合いを数字で測定する方法の一つです。

初期の段階では具体的な営業活動がほとんど始まっていないため、KPIで測定することも限られてきます。

2. 発展途上ステージ

ステージ2は発展途上ステージと呼ばれます。ステージ1に比べて適切な営業環境が構築されてきていますが、まとまりがありません。各種ツールなど含めて、個々の要素がバラバラで、最適化されていない段階ともいえるでしょう。

ツール

ツールの数は増え、社内の各チームや担当者がそれぞれ必要なものを所有しています。ただ、ツールの整理整頓はされていません。そのため、個々でその都度、必要なものを見つけなければいけないような状態です。

事業の変化

ノウハウが不足しているため、営業活動の成功よりも失敗が多くなります。試行錯誤の段階ともいえます。ステージ1よりも活動自体は活発化していますが、具体的に何が正解なのか見えていません。

KPI

まだ多くの項目は測定されていませんが、自社のウェブサイト閲覧数などの基本的な評価指標の測定は始まっています。

3. マネージドステージ

ステージ3はマネージドステージと呼ばれ、効率の良い営業活動に必要な環境構築が整った段階です。

ツール

ツールのAdmin(管理者)やトレーニングを担当する「Sales Ops」が組織におり、効果的な営業活動に必要なツールが最適な形で導入されています。Sales Opsに求められるスキルセットについては、こちらの記事をご覧ください。

事業の変化

最適な環境やノウハウがあるため、営業活動が高い確率で成功します。また、社内環境が整っているため、純粋に営業活動のみに集中しやすくなっています。

KPI

営業活動全般に対して測定を始めます。また、そのデータを元にして、営業活動の健全性も判断できます。

4. データ・ドリブンステージ

営業に関するデータやノウハウが蓄積されてきている段階です。そのため、そのデータを活用してさらに営業活動の最適化を行えます。また、これまでに結果の出なかったノウハウは削除することになります。

ツール

営業に関するツールはさらに充実するでしょう。また、各種ツールによるこれまでの営業活動の分析結果から、必要な情報を得ることもできます。

事業の変化

どのような営業活動をすれば結果が出るのかが明確なため、より効率的な活動が可能です。また、最も効果の高い方法に集中して取り組むことができます。

KPI

さまざまな項目がKPIに設定され、複数の角度から分析するようになります。また、分析には一過性のものだけではなく、長期的なデータも含まれることでしょう。以下のような記事に記された習慣が根付いており、データ活用の文化が醸成されています。データ活用ができるセールスオペレーションを定着させる7つの方法をこちらの記事で解説しています。

5. 最適化ステージ

ステージ5はすべてが最適化された段階です。営業活動はもちろん、人材育成などを含めて、最も効率の良いノウハウが社内で共有されています。

ツール

これまでのデータをもとに微調整を加え、より良いものに進化しています。また、ツールの利用状況や結果から、常に最適な行動が導き出されるでしょう。

事業の変化

個々の活動に最適化されたノウハウを使用するため、さらに成約率や効率などが向上します。

KPI

KPIのデータをもとに、修正された行動がどの程度の効果があったのかまで含めて分析しています。その項目は多岐にわたります。

セールスイネーブルメントにおいて重要なKPI12選をこちらの記事でまとめています。

セールスイネーブルメントのツールを有効活用してKPIを改善しよう

成熟度別ステージには

  1. 初期ステージ
  2. 発展途上ステージ
  3. マネージドステージ
  4. データ・ドリブンステージ
  5. 最適化ステージ

があることがわかりました。

今、セールスイネーブルメントと各種のツールはつながりが深く、切り離せない存在となっています。

たとえば、人材育成や評価、営業活動最適化までもすべてツールによる分析結果を元に行うのです。もちろん、それを利用するのは人間ですが、ツールを有効活用出来なければセールスイネーブルメントを行うことはできません。そのため、しっかりとその概念を理解して、最終的には組織のKPI改善にも役立てたいものです。

米国シリコンバレーでは、セールスイネーブルメントを含む営業生産性の向上をミッションとした「Sales Ops」と呼ばれる役割に注目が集まっています。

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