営業 DX で構築すべき PDCA オペレーションとは?


大手企業でも、営業分野においてデジタルトランスフォーメーションを率先して活用する取り組みが行われています。

現在、日本企業の5割以上が労働力不足を感じています。

営業職不足は非常に大きな課題といえるでしょう。

昨今では、生産性向上の打手としてインサイドセールスの導入に注目が集まっています。 

代表例として、NTT 東日本ではインサイドセールス(内勤営業)の仕組みが整えられました。

インサイドセールスでは、電話・メール・Web 会議システムを用いて直接対面する以外の方法で営業を行っています。

実際、NTT 東日本ではインサイドセールスを立ち上げて以降、リード獲得件数を3年で10倍、案件受注率を3~4倍といった成果を生み出しています。

訪問営業の場合、

  • アポイントの取得
  • 営業先への訪問
  • 契約後のアフターフォロー

など、その都度訪問するとなると移動時間も含め、非常に非効率であるといえます。

しかし、インサイドセールスを導入することで

  • 時間短縮
  • 営業先を増やせる
  • 地理的な事情を考慮する必要がない

など、仕事の効率化を図ることができます。

そもそも DX とは?

DX とは、デジタルトランスフォーメーションの略です。

しかし、デジタル化=デジタルトランスフォーメーションではありません。

DX と似たような言葉で「IT 活用」もよく用いられますが、意味合いは異なります。

DX の起源は、スウェーデンの大学教授エリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した「デジタル技術が人々の生活を、あらゆる面でより良い方向に変化させる」という考え方を元にして概念です。 

教授が提唱した考えは広義の DX と呼ばれ、狭義の DX に関しては、2018年に経済産業省が、DX 推進ガイドラインで以下のように発表しています。

「DX とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術や活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確率すること」です。

この定義は、言い換えると、「IT の活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること」を意味しています。

つまり、DX の目的は、「企業の競争優位性を確立すること」です。

まとめると、

  • IT 化は業務効率化を目的とし情報化やデジタル化を進める
  • DX は手段として変革を進める

と説明できます。

DX とは、特定の業務だけでなく、業務全体・製品・サービスまでもが、デジタル化することを意味しています。

では、なぜ DX を重要視すべきなのでしょうか。

それは、IT システムのあり方を中心に、企業が DX を実現していく上での現状の課題として、オンプレを中心にしたレガシーシステムの保守が2025年を目途に終了することが挙げられます。

つまり、DXの目的は、「レガシーシステムの保守が終了することで、企業のオペレーションに大きな悪影響を与えるという懸念を背景に、これをきっかけに競争力を高めるため」と説明できます。

その後、ソリューションプロバイダーを中心に、DXについての論考が深まり、新型コロナウイルス流行をきっかけにその動きが加速しています。

 

参照:cf. 経産省DX ガイドラインver.1.0 (https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004-1.pdf )

記事「営業組織のDXとは?(経産省DXレポートからの示唆の考察)」の紹介

営業 DX 推進の取組みの全体像

では、どのように営業DX推進を取り組んでいけばよいのか。

営業組織の DX は、

  • 戦略プロセス
  • 業務プロセス
  • 人材プロセス

すべての変革が必要となります。

まずは、戦略プロセスについてです。

最も重要なことは、営業業務の「見える化」をはかることです。

見える化するためには、正確性の高いデータを即時に集める必要があります。

その方法として、データPF(プラットフォーム)を構築を提案します。

効率よく営業を行うためには、ターゲット顧客層を決定するために顧客を分類し対象を定める必要があります。

営業効果による売上や利益率のアップを狙うのであれば、いかにターゲットごとの顧客の要望を見える化できるかがポイントです。

次に、業務プロセスについてです。

業務プロセスを構築するためには、

  • 顧客の意見を自社サービスや事業戦略に活かすこと
  • 業務の運営・推進の自動化支援を行う各種ツールを最大限活用すること
  • 膨大なデータと新たな関係者を効率的に動かしてゆくPDCAオペレーションを構築すること

が必要です。

デジタルを活用しながら効率的、効果的に顧客を増やしましょう。

既存の顧客には、さらにアップセルクロスセルにつなげることで営業利益に繋げます。

PDCA オペレーションの構築については後ほど詳しく解説します。

最後に人材プロセスについてです。

まず、組織形成のために自社のオペレーションの現状や理想の姿を定めます。

そのギャップを埋めるために、採用と育成を変革し、自社の戦略文化を踏まえることが重要です。

新規顧客開拓と、既存顧客維持を意識したインセンティブ設計が必要です。

以上のようなあらゆる取り組みの文化は、顧客エンゲージメント主義の組織文化への変革をはかることで生まれます。

組織に必要な能力・スキルを把握しないことには、どのような人材が必要かわからず、結果的にどのような育成が必要かもわからなくなるという状況に陥ってしまうケースは少なくありません。

組織の現実と目標を明確化した上で、そのギャップを採用・育成という手段で埋めるといった柔軟かつ迅速な対応が求められます。

参照:記事「営業組織の DX の方法論」の紹介

営業 DX 推進の取り組み:基幹プロセス(PDCA オペレーション)

今までは、一人の営業担当が営業活動の全工程を担っていました。

しかし近年では、商談のアポイントを獲得するインサイドセールスや既存顧客のアップセルやクロスセルなどを創出するカスタマーサクセスなど、分業型の営業組織体系を取り入れられています。

その結果、顧客の購買活動を担当する部門が、従来よりも多岐にわたるという構図になっているのです。

そのため、他部門同士が影響を与える構造であり、部門内でいくらPDCAサイクルを回していても、成果が残しにくいという事態に陥ってしまっています。

これはつまり、分業させた部門間の連携がこれまで以上に重要になっているということを意味するのです。

そこで注目すべきは PDCA オペレーションの構築です。

PDCA オペレーションの構築とは、各部門の量や結果のみを追うのではなく、各部門同士の活動の関係性を考慮して部門横断的に PDCA サイクルを回していく体制の構築を目指すことをさします。

各部門で連携することで、結果として営業生産性を高めることになります。

しかし、各部門の活動を把握し、それぞれの関係性を「見える化」することは非常に困難な作業です。

なぜなら、各部門ごとに顧客に関わるデータはバラバラに管理されている場合、そもそも各活動の関係性は見えにくくなるからです。

したがって、PDCA オペレーションを構築する上で重要な点は

  • 定量的な指標の中からそれぞれの関係性を考慮しながらどの指標をみていくべきか定める
  • どの指標がコントロール可能か不可能なのかを分別する
  • コントロール可能な指標が事業収益に最もインパクトがある水準となるように資源分配を行うこと

の3つが挙げられます。

具体的には、事業目標という各部門共通のゴールを達成するために、

  • ターゲット顧客(架電・アプローチ数 × 通電率 × 担当リーチ率)
  • 見込み顧客(リード数 × クロージング担当受け渡し率 × 商談率)
  • 商談顧客(商談数 × 提案率 × 受注率)
  • 受注顧客(受注数 × 受注単価 × 受注金額)

のうち、どの指標がボトルネックになっているのかを、まず検討する必要があります。

その次に、これらの指標のうち、コントロール可能な指標を絞り出していきます。

そして最後に、改善効果が高いと予想される指標に対して、どの程度リソースを配分していくのかを決めていくのです。

まとめ

営業 DX とは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術や活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確率すること」を意味しています。

つまり、DX の目的は「IT の活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革し、企業の競争優位性を確立すること」を意味しています。

そして、営業 DX に取り組むためには、

  • 戦略プロセスとして営業業務の見える化を図ること
  • 業務プロセスとして顧客の意見を自社サービスや事業戦略に活かすこと
  • 既存顧客維持を意識した人材プロセス

の3点が必須です。

また、営業 DX は PDCA オペレーションと言われる各部門同士の活動の関係性を考慮して部門横断的な体制を構築することが重要です。

現代において、新型コロナウイルスの感染拡大は、営業の在り方を見直す大きなきっかけといえます。

この記事が、社会情勢に左右されない強い営業組織を形成するために、抜本的な営業改革の一助となれば幸いです。