世界のトップSaaS企業から読み解く リード獲得のベストプラクティス

より安く、より効果的にリードを獲得する

現在、急速に広がりをみせているSaaS業界。総務省の発表する情報通信白書によるとSaaSを始めとするクラウドサービス業界は年平均成長率10%超で成長しており、その市場規模は2020年には2017年の倍になると見込まれています1)http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/summary/summary01.pdf

いかにしてリードを獲得するか」というのがSaaSが抱える共通の課題であります。立ち上げ後初期段階では、もともと持っていたコネクションや展示会、ピッチコンテストによってリードを獲得するのが一般的です。しかし、企業規模が拡大していき、より多くのリードを獲得しようというフェーズに入った際に、上記のようなオフラインの方法ではコンタクトできる潜在顧客の数に限りが出てきてしまいます。

そこで効果を発揮してくれるのがコンテンツマーケティングといったインバウンドマーケティングの手法です。本稿では、なぜ世界のSaaS企業がコンテンツマーケティングを行うのか、そしてどのような戦略を取っているのか紹介していきます。

 

世界トップSaaS企業が認めたコンテンツマーケティングの威力

 

 Cobloom社の「The State of SaaS Content Marketing 2017」をみてみると、世界のSaaSトップ250社のうち実に89%もの企業がブログを使ったコンテンツマーケティングを行っています。残りの11%の中には歴史があり、コンテンツマーケティングを用いなくてもリードが獲得できるような企業が含まれていました2)https://www.cobloom.com/blog/saas-content-marketing

したがってスタートアップSaaS企業のコンテンツマーケティング実施率は更に高くなることが予想されます。では、なぜ世界の9割近くのSaaSトップ企業はリードを獲得する手法としてブログを用いてコンテンツマーケティングを行っているのでしょうか?その答えには以下の3つの理由が挙げられます。

 

1. ROIが高い

上のグラフは1リード獲得するのにかかるコストを表しています。広告やテレアポなどの従来のアウトバウンドマーケティング手法に比べ、コンテンツマーケティングでは62%もコストを抑えられます。またコンテンツマーケティングを行っている企業のWebサイトへのトラフィック数の成長率は、コンテンツマーケティングを行っていない企業に比べて7.8倍高くなります3)https://www.cobloom.com/blog/saas-content-marketing

 

2. 自社の市場を拡大できる

SaaS市場ではそもそも、あなたの会社のプロダクトがソリューションになりうる課題に、気づいてすらいない場合があります。そのような潜在顧客にインサイトを与え、課題を認知させることが自社のプロダクトの市場の拡大に繋がります。

例えば、「社内コミュニケーションを円滑化し業務効率をあげるアプリ」を販売しているとしましょう。アプリを導入する顧客は、業務効率をあげるためには社内コミュケーションをスムーズに行わなければならないと認識しています。しかし、漠然と業務効率を上げたいと考えてはいるが、どこから手をつけて良いのか分からないという潜在顧客も存在します。コンテンツを通じて効率化の課題がコミュニケーションにあると気づいてもらえれば、潜在顧客はリードに変わるでしょう。

このようにコンテンツによって潜在顧客の解決すべき課題を顕在化させることができたら、必然的にプロダクトに対するニーズは高まるでしょう。

 

3.SaaSプロダクトは導入までの意思決定プロセスが長い

特に、BtoB型のSaaSの場合、導入までの意思決定プロセスがBtoC型より長いものとなります。予算やセキュリティの観点から慎重にならざるを得ません。顧客は導入を決定するまでにインターネットを通じてプロダクトの情報収集をするでしょう。

実際に、BtoB 顧客の57 %は事前リサーチによって、サプライヤに会う前にプロダクトを決めています4)http://www.executiveboard.com/exbd/sales-service/the-end-of-solution-sales/index 顧客が欲しい情報を自社のコンテンツによって提供することができれば、自社製品の認知度や利点を認知してもらえるだけでなく、顧客との間に信頼関係を築く事ができます。

 

SaaS企業のコンテンツマーケティング戦略

次にどのようなコンテンツを提供すればより効果的なのか、「The State of SaaS Content Marketing 2017」を元に、世界トップSaaS企業の戦略と傾向を見てみます。

 

1. 長い記事を書く

コンテンツマーケティングで最も成果を上げている上位10%企業のブログは、全体平均と比べ12%長い傾向がありました。また下位10%と比べると記事の長さの差は20%もありました。これは短い記事より長い記事の方が検索結果の上位に表示されやすいというSEO対策の一環です。ただし長ければ長いほど良いというわけではありません。SEO対策には質のいい情報を提供することが重要であり、質のいい記事は自然と長く、情報量が多くなっていきます。

 

2. 自社の広告や製品紹介だけでなく、顧客のためになる記事を書く

ブログを運営しているSaaS企業のうち76%が、顧客の役に立つ業界情報やトレンド情報についての記事を掲載していました。そして自社広告系のの記事に比べ、得られたリード数は14%高い傾向にありました。企業がブログを運営する際に陥いりやすいのが自社製品の広告に終止してしまっている状態です。しかし、あくまでも顧客の目線に立って、彼らが必要としている情報を与えることがけ果としてリード獲得に繋がります。

 

3. 記事は企業ではなく個人名義のもと書く

SaaSトップ企業のブログ記事の87%が、ライター個人の名前と共に掲載されていました。インターネット上でのやり取りがメインのSaaS企業にとって、個人を顧客にイメージさせることは信頼の獲得に繋がります。

※データは全てhttps://www.cobloom.com/blog/saas-content-marketingから

 

まとめ

世界のトップSaaS企業の9割近くがリードを獲得するためにブログを用いたコンテンツコンテンツマーケティングを行っていることがわかりました。SaaS業界でこれほどまでにコンテンツマーケティングが重宝されているのは、ROIが高く効率よくリードを獲得できるだけでなく、SaaSのプロダクトの特性がコンテンツマーケティングにフィットしているからでした。

コンテンツマーケティングには効果が出るまで時間がかかるという側面があります。しかし、一度軌道に乗ると効率よくリードを獲得できるようになり、またコンテンツは会社の資産として残り続けます。また導入コストも他のマーケティング手法に比べて低いので、マーケティングを始めようとしているSaaS企業はぜひコンテンツマーケティングから始めてみてはいかがでしょうか?

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References   [ + ]

1. http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/summary/summary01.pdf
2, 3. https://www.cobloom.com/blog/saas-content-marketing
4. http://www.executiveboard.com/exbd/sales-service/the-end-of-solution-sales/index