売上を最大化する戦略とは?最大化の3つの要素と価格戦略の手法を解説

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要約SUMMARY
  • 売上は顧客数×購入単価×購入頻度によって構成されています。その3つの要素を紐解いていき、共通する LTV の最大化に焦点を当てることが大切
  • 価格戦略は多くの企業で見落とされ、または注力されないが、その収益への効果は新規獲得の4倍と見積もられる
  • 売上の最大化には、自社にとっての最適なペルソナ像と策定と顧客視点でのライフサイクルの策定、そして外的な売上に影響する要因を考慮するべき

売上の最大化には、その最大化のための要素とその要素を向上させる戦略、そしてそのポイントを知ることが大切です。

本記事では、弊社の知見をもとに売上を上げるための具体的な戦略と考え方、特に多くの企業で見落とされがちな価格戦略のポイントを解説します。

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売上を構成している要素は?

顧客数

売上を構成する最初の要素として顧客数があります。

顧客数とは、商品の購入やサービスの申し込みに対して支払う顧客の数のことです。単純に計算すれば、顧客数が多ければ多いほど契約申し込みの件数が多く、売上規模が大きくなると考えられます。

そして、顧客数は通常、新規顧客と既存顧客に分類されます。

どちらも重要なお客さまですが、既存顧客は商品やサービスを長期的に使っていただく上で売上を下支えしてくれる重要な顧客です。既存顧客からのアップセルやクロスセルの増加は、企業の安定的な成長の基盤となり、投資リソースの効率化にも寄与します。

新規顧客を獲得する際にも、より大きな売上に繋がる顧客層がわかるため、どんなターゲットにアプローチするべきかが明確になります。

近年、SaaS などのサブスクリプションサービスを提供する企業では、既存顧客の重要性が増しています。

あわせて読みたい:営業 DX で顧客体験の最善化を実現するカスタマーサクセスとは?

顧客単価

顧客単価とは、一人当たりの顧客が支払う費用の平均額のことを指します。この顧客単価が高ければ高いほど売上の最大化につながりますが、だからといって価格を上げれば良いというものではありません。

顧客単価は商品やサービスのベネフィットを顧客が感じることで上がっていくものです。つまり、顧客のロイヤルティの向上や、サービスの研究開発を通じて、最適な顧客単価をベースアップすることで、売上につなげることができます。

Profitwell の調査では、継続的に価格最適化を行う企業の LTV(顧客生涯価値) は高いことが示されています。重要な点は、価格の最適化が顧客の獲得より4倍の効果を上げると推計されていることです。

LTV の概要や詳細は以下の記事から知ることができます。

あわせて読みたい:LTV (Life Time Value)とは?算出方法や改善方法まで徹底解説

購入頻度

購入頻度とは、顧客が特定の商品を同じ企業から購入する回数のことを指します。購入頻度の高い優良顧客を増やすことが肝になっており、最終的に購入頻度の増加が売り上げ最大化につながっていきます。

購入頻度の向上のドライバーは何でしょうか?

「この企業のファンだ」「この企業の製品は使いやすい」「この企業の製品を持っていたい」という、企業へのロイヤルティやブランディングです。Apple社が昨今の例として挙げられます。

ここで大切なことは、顧客数、単価、頻度向上の3つのいずれにも共通することとして、顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上を通じた LTV の最大化が大切だということです。

以下の記事で具体的な LTV 最大化の手法を見ることができます。

あわせて読みたい:LTV を最大化させるには?メリットや成功のための方法を徹底解説

売上の最大化を目指すための具体的戦略

顧客数を上げるための戦略

顧客数を増やすためには、「リード数×リードの質×成約率」の向上が必要です。まず、より効果的にリードを獲得していく手段としてインバウンド(問い合わせ)を活用することが一手となります。

具体的には下記のアプローチが考えられます。

  • オウンドメディアの立ち上げ
  • CRM/MA ツールの活用

オウンドメディアでのコンテンツを増やしたり、HubSpot などツールを活用してナーチャリングメールを送ることでリードの数を増やしていきます。しかし、なかなか成約にならない、もしくは期待単価の低いリードばかりでは売上への影響度は低くなるばかりか、余計なコスト増になりかねません。

リードの質を担保するためには自社が取るべき顧客像を明確にし、ターゲットを明確にした施策を打つことが大切です。また、顧客ごとにどのチャネルでアプローチするべきかを仮説立て、検証することも大切です。

成約率を向上させるためには組織および個人の営業力の強化が欠かせません。この2つの指標を向上させるためには、顧客視点での営業プロセスを構築すること、そして営業スキルを最適化/標準化しておくことです。

認知から購買/継続までの営業プロセスの構築と営業手法の標準化の方法は以下の記事で知ることができます。

あわせて読みたい:営業プロセスの見える化とは?効率化・標準化を実現する方法

顧客単価向上のための戦略

Profitwell によると、新規顧客の獲得と比べて顧客単価の最適化は収益への効果とより強い相関を示していると言います。例えば、価格が1%最適化されると、平均で11.1%の利益増につながるというデータがあります。

特にソフトウェア業界において、価格戦略が収益に与える影響が圧倒的に大きいことが判明しています。具体的には価格設定は新規顧客獲得と比較して 4 倍、既存顧客の維持と比較して 2 倍ほど効率的に売上を向上させることができるのです。

参考)価格戦略の具体例とその収益への影響(新規獲得比)

下の図のように、具体的な価格戦略において Value Based Pricing と呼ばれる顧客の価値ベースでの価格戦略が有効です。

現状多くの企業では、希望する利益率から製造や販売にかかるコストを差し引いたシンプルな価格設定や競合の価格をベンチマークとして設定しています。ただ、前者は顧客価値を全く想定していない点、後者は価格競争に陥るリスクを抱えています。

一方の顧客価値に基づく価格戦略は、商材の価値に対して顧客が支払う意志のある最大限の金額を提示し、利益の最大化を計るものです。必然的に顧客のデータベース分析を伴うので、より顧客の意見を反映した製品開発にもつながります。

価格最適化のための具体的なステップとして以下の項目に答えられるようにしましょう。

  • 各顧客が自社サービスに支払える価格はいくらか
  • 一番単価を見込める顧客はどんな顧客か
  • その顧客から期待できる LTV(顧客生涯価値)はいくらか
  • その顧客を獲得するに当たるコスト(CAC)はいくらか
  • その顧客と接点をもてるマーケティングチャネルはどれか
  • その顧客が価値を感じる製品機能は何か

これらの項目をペルソナごとに用意していきます。既存顧客の属性ごとに単価や解約率を抽出する、機能に関しては実際にアンケートをとってみることも有効です。顧客単価を改善させるメリットはいくつもありますが、顧客数が変わらなくても売上の基盤を安定化することができるという点にあります。

売上安定の基盤構築のために、どんな指標が必要かを以下の記事で知ることができます。

あわせて読みたい:サブスクリプションビジネスにおけるカスタマーサクセスの KPI

購入頻度向上のための戦略

顧客満足度が高い場合、顧客は契約を更新し、今まで以上の頻度でサービスを利用し、さらに追加契約してくれる可能性が高まります。

しかし、購入頻度がなかなか向上しない場合、この購入頻度を妨げている要因として、顧客満足度を把握しきれていない、カスタマサーサクセスにおけるコミュニケーション不足と各部門の情報連携の不足が考えられます。仮に解約する顧客が多い状態で新規顧客を獲得しても、すぐに解約されてしまい、長期的な収益の向上には繋がりません。

つまり、まずは、既存顧客の満足度を上昇させ、業務を行う上でなくてはならないサービスとして認識してもらい、中長期的に収益を安定化させていく必要性があるのです。

売上を最大化する際のポイント

適切なペルソナ像の設定

顧客の獲得、単価の最適化、購買頻度の向上いずれにも共通する要素として以下の2点を少なくとも押さえてる必要があります。

  • その顧客群はコスト以上の LTV を期待できるのか
  • その顧客群が自社を認知し、購買/継続に至るフローはどんなものか

上記の2点が大切なのは、売上は顧客のポテンシャルとそのポテンシャルを最大化できるかにあるからです。

最初のステップとして、まず自社の既存顧客がなぜ顧客になったのか、いまもなお顧客であり続けるのか、どんな属性の顧客であれば低コストでより高い LTV が期待でき、成約になりやすいのかを考えていきます。自社の顧客データを調べたり、営業担当者に話を聞いてみるのも良いでしょう。

自社にとっての理想のペルソナ像を仮説立てることが大切です。ペルソナを設定したあとは、そのペルソナの関心ごとや課題、意思決定の基準、自社が果たせる役割をまとめていきましょう。

大切なのは、仮説を立てその確度を高めていくことです。最初から完璧なものを立てる必要はありません。

カスタマージャーニーで顧客との接点を明らかにする

カスタマージャーニーとは、認知→情報収集→比較検討→購入/継続までのフローにて、顧客がどんな感情で何を期待しているのかを可視化していくものです。先ほど設定したペルソナ像をもとに制作していきます。カスタマージャーニーの具体的な制作は以下の記事を参照ください。

あわせて読みたい:競合他社と差をつけるカスタマージャーニーの書き方

目的は、カスタマージャーニーの各フェーズにおいて、自社との接点であるチャネルやコンテンツを明らかにし、購買/継続まで見込み顧客を導くことにあります。つまり、カスタマージャーニーは常に顧客の視点から作る必要があります。

例えば、顧客のカスタマージャーニーを意識してコンテンツを作ることで、顧客が欲しいタイミングで、最適な情報提供を行い、効率的なアプローチができるようになります。また、顧客のロイヤリティを高める一貫したアプローチを前提とした営業やマーケティングの戦略を考える上で非常に意義があります。

結果的に、顧客の獲得においては、成約率やリードタイムの改善、単価に関しても、アップセルやクロスセルの機会創出、購買頻度に関しても解約率の低下からそのチャンスを生み出すことになります。

大切なのは、常に顧客の満足度を向上させようという視点、そしてそのチャンスが高い顧客を選ぶということです。

外的な環境要因を考慮し、適応する視点を持つ

ターゲティングや価格戦略の最適化に際しては、自社にとっての魅力のみではなく、市場や競合などの外的な環境要因を考慮している必要があります。

外的要因を分析するフレームワーク3C分析では以下の図のものが挙げられます。

これら外的な要因は自社ではコントロールできないため、これら変化に適応する自社の戦略を取る必要があります。

例えば、理想的な顧客像と価格戦略を作った際にも、以下の質問を自問してみると良いでしょう。

  • 理想的な顧客像に共通するニーズを持つ顧客は今後増えるだろうか?
  • 同様のニーズを満たす競合のシェアと価格と照らして、自社の価格戦略を打ち出すタイミングは最適だろうか?
  • 自社にしかない強みを求める顧客はどれほどいるのか?増えていくのか?

仮にこのケースにおいて市場の成長性は高いが、同様のニーズを狙う競合の台頭が目立ち、価格最適化の際にシェアを奪われる可能性が高いと見込まれるのであれば、価格最適化のタイミングを検討したり、シェアを占有してからアップセル/クロスセルで解約率の低下と、単価の向上を目指す戦略にまず注力する。そのためのリソースと期待値を考えるといったことが可能です。

つまり、自社の都合のみに基づく戦略では、売上が最大化される変数が少なく再現性がありません。よりマクロ的視点を考慮した上で、自社が戦うべき領域や勝ち筋、その具体的な戦略を模索することが大切になります。より具体的な戦略立案のフレームワークや活用ポイントは以下の記事で知ることができます。

あわせて読みたい:営業戦略の策定に使えるフレームワークとは?

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