全てのマーケターが計測すべきメトリクス3選

顧客ニーズの多様化やデジタル環境の普及により、企業のマーケティングにおけるデータ活用の機会は以前に比べ圧倒的に増えてきました。しかしながら、その多くはデータ活用しきれていない、またどう扱ってよいのかわからないというのが実情ではないでしょうか。実際にeMarketerが2015年3月に掲載した“How to Overcome Content Marketing Struggles”によるとコンテンツ施策行っているマーケターのうち33%が効果計測ができていないと答えています1) https://www.emarketer.com/Article/How-Overcome-Content-Marketing-Struggles/1012255

 

メトリクスとは何か

マーケターにとってメトリクスとはマーケティングで行われる施策についての情報を数字のデータで表したものです。マーケティングメトリクスによって集められたデータは、解析や分析をすることができます。そのため、データを分析することで、より最初から精度の高いマーケティングを行うことができるようになりました。また、メトリクスを用いることにより、マーケティングの施策を可視化し、途中経過を分析できるようになります。また、メトリクスは要素分解されたデータで分析できるので、マーケティング施策のどこがボトルネックになっているのか把握することができます。

 

KPIとメトリクスは何が違うのか

ここまで、メトリクスについての概説しましたが、多くの人がKPIと何が違うのだろうかと疑問を抱いたと思われます。弊社の定義では施策をおこなった時に得られるデータ指標のすべてをメトリクスと呼びます。そして、その中で施策の最終的ゴールを見た時に、どのような状態になっていれば良いのか判別するための中間指標をKPIとしています。つまりKPIは数多のメトリクスの中に包括されているものであると言うことができます。本稿ではマーケティング施策によって得られたメトリクスのうちどのメトリクスを特に重要視したら良いのか、つまりどの指標がKPIになりうるのか紹介したいと思います。

 

マーケターが絶対に見るべき3つのメトリクス

 

1.インクリメンタルセールス(純増分売上)

インクリメンタルセールスとはセールス全体の売上のうちマーケティング活動がどれだけ寄与したか測るメトリクスです。

インクリメンタルセールス=総売上高–ベースライン売上高

で求めることができます。ベースライン売上高とはマーケティングを行ってなかった時に得られた売上の期待値です。インクリメンタルセールスとはマーケティングのターゲットがどれだけ製品を購入したか示す物ではなく、マーケティングによってどれだけ多くの製品が買われる様になったのか示すものであります。インクリメンタルセールスのメトリクスはマーケティングターゲットの設定が適切であるか示す指標にもなります。例えばコンテンツのエンゲージメントは高いが、インクリメンタルセールスのメトリクスが低い場合、コンテンツのターゲット設定を見直す必要があることを示唆しています。

 

2.マーケティングROI

 

マーケティングROIは、特にマーケティングマネージャーが追跡する必要がある最も重要なメトリクスです。

マーケティングROI=(売上の成長−マーケティングコスト)×100÷マーケティング投資額

の式で求められます。マーケティングROIは費用的コストだけでなく、時間的、エネルギー的コストも考慮して、支出が売上の成長にどのくらい貢献しているかを示しています。このメトリクスはキャンペーン毎にマーケティングの投資収益率を分解し、効果のあるものとそうでないものを明らかにしてくれます。マーケティングROIはキャンペーン毎のパフォーマンスを最適化する上で非常に重要ですが、一方で四半期ごと等に、マーケティング活動全体を通しての投資収益率を測定することも重要となってきます。

 

3. LTV (顧客生涯価値):CAC 顧客獲得単価

LTVとはLife Time Valueの略で顧客生涯価値を意味します。このメトリクスは1人の顧客から生涯を通じて得られる収益を表す指標であります。サブスクリプションモデルのビジネスモデルの場合、

 

LTV=ARPU(1ユーザーあたりの平均収益)/Churn Rate (解約率)

 

で求めることができます。

また、CACは、ある一定期間において顧客一人獲得にかかるコストを表したものです。計算式は以下のようになります。

 

CAC=顧客獲得までの総コスト÷総新規顧客数

 

で求めることができます。LTVをみればCACの損益分岐点を求める事ができます。例えば、LTV÷CAC=1であった場合、1顧客からの生涯収益と1顧客を獲得するのにかかるコストが同じということになり、これでは起業として成長が望めません。Matrix Partnersによる調査によると、サブスクリプションモデル、特にSaaS企業においてはLTV÷CAC>3であることが望ましいとされています2)https://www.forentrepreneurs.com/2018-saas-private-survey-results-part-1/。サブスクリプションビジネスにおいては顧客からの解約が発生しうる事を鑑みた上で、それでも利益を出していくように顧客獲得コストを管理してゆくことが重要なのであります。

CACを下げるためには、既存のリードからの成約率をあげることが重要です。その手法として「リードナーチャリング」が注目されています。リードナーチャリングについては以下の記事で解説していますので併せてご覧ください。

限られたリードから最大の収益を引き出す「リードナーチャリング」

まとめ

今回、マーケターが見るべきメトリクスのうち代表的な物を3つ紹介しました。しかし、メトリクスとはマーケティングを行うにあたり出てくる変数であり、無数に存在します。例えばwebマーケティングを行っているのであれば、PV数、SEOトラフィックなどもKPIになりうるメトリクスであります。無数に存在するメトリクスのうちどれが重要で追い続ける必要があるものなのか選別し、それを可視化してリアルタイムで分析していくことがマーケティングを成功に導く鍵であります。

References   [ + ]

1. https://www.emarketer.com/Article/How-Overcome-Content-Marketing-Struggles/1012255
2. https://www.forentrepreneurs.com/2018-saas-private-survey-results-part-1/