リードマグネットとは?見込み顧客を惹き寄せる11のアイデア

リード獲得の手法としてオウンドメディア やブログを取り入れる企業が増えてきました。しかし、オウンドメディアを運営してはいるものの、効果的にリードが獲得できてないとお悩みの企業は多いのではないでしょうか?そのような企業の課題としてリード獲得の入り口が少ない、不十分であるといういことが挙げられます。この記事ではリードを獲得するために必須である「リードマグネット」に求められる要素や具体例についてシンプルに解説します。

なぜ読者は離脱してしまうのか

営業部長の A さんは、とある営業支援ツールを開発する企業B社のオウンドメディアに辿り着きました。記事を読み進めていき、プロダクトに対する興味関心は高まったものの、「お問い合わせ」をするほどの願望は湧かずにブラウザのタブを閉じてしまった。そして、B 社は貴重なリード創出機会を失ってしまった。

実は、このようなケースが多くのオウンドメディアで見られているのです。

この原因は「お問い合わせ」のハードルの高さでした。他の事例を見たい・価格感をちょっと知りたいと思っただけであるにも関わらず、「お問い合わせ」まですると、根掘り葉堀り質問をされてしつこく営業をされるのではないかという恐れを抱かせてしまうのです。

また、ブログやオウンドメディアに流入してくる潜在顧客は自分の解決すべき課題が明確でないことが多いです。課題が明確でない状態では、何を「お問い合わせ」すればいいのかが分からないために離脱してしまうという可能性が高くなってしまいます。

リード獲得のための「リードマグネット」とは?

リードを獲得するためには、ウェブページに訪れた潜在顧客に個人情報を記入したフォームを送信してもらう必要があります。「成約のコード」ではリードマグネットを以下のように定義しています。

氏名、電話番号、メールアドレスなどの個人情報と引き換えにしてでも欲しいと思わせるなにか

フォームを送信したらすぐに手に入り、かつ潜在顧客の課題解決に繋がるコンテンツが「リードマグネット」なのです。「お問い合わせ」以外にリードマグネットを設けることで、オウンドメディア やブログから効果的にリードを獲得できるようになります。

リードマグネットに必要な要素は?

では実際にサイトに訪れた人がフォームを入力してまでも得たいと思うようなリードマグネットとはどういうものなのでしょうか?リードマグネットに求められる共通の要素は以下になります。

1.潜在顧客の課題を明確にし解決する

リードを獲得するには、個人情報を送信するコストやリスクより、それによって得られるメリットの方が高いことを明確に示す必要があります。したがって、「あなたの課題はもしかして〇〇じゃないですか?その解決策は〇〇です。」という示唆を与えることがリードマグネットには求められます。

2.簡潔、迅速に使える

入力フォーム送信してもらうためには潜在顧客に対して「いますぐ活用したい」と思わせることが重要です。リードマグネットの内容が簡潔で迅速に実用できるものでなければ、潜在顧客は離脱してしまいます。リードマグネットには実用書のようにすぐに実践できる内容が求められます。

3.インターネットで手に入らない内容を

現在、ありとあらゆる情報はインターネットで検索すれば簡単に手に入ってしまいます。したがってリードマグネットの内容が、インターネットで検索で見つかる内容ではリードを獲得できません。自社のビジネスの経験に基づいた内容やデータ集計に基づくインサイトがリードマグネットには求められます。

4.自社の専門性を示す

当たり前ですが、リードマグネットでのリード獲得は顧客獲得の手段であってゴールではありません。顧客獲得に繋げるためにリードマグネットで自社の専門性や知見を示し、リードに対して自社がパートナーになりうるという事を示しましょう。

5.ターゲットを絞る

いくら良質なコンテンツをリードマグネットにしても、自社のターゲットからかけ離れていて契約に繋がらなくては意味がありません。リードマグネットのコンテンツは自社の潜在顧客が抱えている課題にフォーカスする必要があります。

リードマグネットの11のアイデア

前項ではリードマグネットに必要な要素を紹介しました。では、リードマグネットにはどのようなものがあるのでしょうか?実際に企業でどのように使われているか、具体例と共に見ていきましょう。

1.シミュレーター/カリキュレーター

ビジネスシーンにおいてデータの活用の重要性は年々高まっています。自社の独自の知見に基づくシミュレーターは顧客の課題を迅速に顕在化させることができます。またフォームを送信するだけで結果が手に入るため、フォーム送信のハードルは低くなるでしょう。

Magic Moment 「機会損失シミュレーター」

 

本メディアを運営する Magic Moment は、機会損失シミュレーターを提供しています。自社独自のロジックを元にサービス単価やリード数などから、顧客獲得プロセスでどれだけの機会損失が発生しているのかを算出します。

2.E-book

E-book も一般的に広く使用されているリードマグネットの一つであります。チェックリスト同様に、既存のブログ記事を E-book の体裁に作り変えることができます。しかしながら、チェックリストやアウトライン、チートシートと違いコンテンツの即効性が低く、また読むのに時間を要してしまうという欠点もあります。一方で、E-book には含まれる情報量が多いのも事実です。価値のある情報を詰めて顧客に対して大きな利益となると訴えることができればリード獲得に繋がるでしょう。

Salesforce 「SaaS スタートアップ創業者向けガイド」

Salesforce 社はターゲット層である SaaS スタートアップの創業者に向けて、基礎知識や市場開拓戦略の指南をまとめた E-book を提供しています。自社の顧客データから得られた成功した企業の戦略や傾向が100ページ以上に渡って掲載されています。

3.虎の巻/ガイド

ネット上には実に多くのハウツー情報で溢れかえっています。その中から有益なものを選別する作業は潜在顧客にとって大きなコストになってしまいます。有益な情報がまとめてある虎の巻はそれだけでターゲットにとって魅力的なものとなり得ます。内容は E-book に近いものですが、即効性が高く手軽に情報を得ることが可能です。

freee「経理決算ガイド」

クラウド型会計ソフトを提供する freee では初めて経理や決算を行う経理担当者向けに、基礎的なガイドラインを提供しています。このガイドラインは実際に freee を導入してるか否かに関わらず経理に携わる潜在顧客の課題を解決してくれています。

4.テンプレート

コピーして穴埋めしていくだけで活用できるテンプレートは即効性が高く、すぐさま潜在顧客の課題を解決できるというメリットがあります。顧客の課題が比較的に明確な場合、テンプレートはとても優秀なリードマグネットになるでしょう。

Money Forward 「ビジネステンプレート集」

バックオフィス向け業務効率化 SaaS を提供している Money Forward は、すぐに実務で利用できるテンプレートを100種類以上も無料で提供しています。自社のプロダクトの潜在顧客の抱える課題を的確に捉えているリードマグネットです。

5.料金見積もり/価格詳細資料

最初から販売価格をサイト上に表示せずに「料金お見積もりはこちら」と行動喚起するフォームを設置することでリード獲得に繋げることができます。しかし、予算と合わなかったり購入感度の低い問い合わせが増えてしまうという欠点もあります。営業のリソースが豊富であったり、マーケティングオートメーションを導入している企業では有効な手段といえます。

SanSan 「価格の詳細資料」

名刺管理ソフトを提供する SanSan は、ウェブページ上に料金を明示せずに価格体系や導入までの流れをまとめた資料を作成し、リードマグネットとして利用しています。

6.事例集

実際にすでに導入している企業の成功例や、具体的な経験に基づくインサイトを提供する事例集は、現在最もポピュラーなリードマグネットだと思われます。同業他社の導入事例を紹介することで潜在顧客に「自社でも活用できるのではないか」と想起させることができます。

Teach me biz「導入事例集」

マニュアル作成 SaaS を提供している Teach me biz では実際にサービスを導入した企業がどのように運用して、成功体験を得られてのか掲載されている事例集をリードマグネットとしています。導入の感度が高い潜在顧客やリードに具体的な成功イメージを持たせることで、感度のより高いリードを獲得することができます

7.ツールキット

ウェブサイトに訪れた潜在顧客はあなたが提供するプロダクト/サービス以外にどのようなツールやサービスを利用すると利益が上がるでしょうか。自社のビジネスに導入したら便利になるようなツールの情報は顧客にとってとても有益なものであります。

Syed Balkhi「TOOL KIT for Growing Your Online Business」

オンラインビジネスを展開しようとしている潜在顧客向けに、ウェブサイト立ち上げからセキュリティ、そして社内コミュニケーションツールに到るまで、目的別にオススメのサービスやプロダクトが網羅的に紹介されています。

8.チェックリスト・ToDoリスト

企業活動を行うにあったって、業務効率化のためにも必要なタスクの要素分解は非常に重要であります。何か新しいプロジェクトを始めたい、既存のプロジェクトを見直したいと考えている潜在顧客がすぐに活用できるという点において最も優れているのがチェックリストです。また、チェックリストは既存のコンテンツからノウハウをまとめたり、社内のマニュアルやガイドラインをまとめることで作成できます。したがって、企業側にとっても製作が比較的容易であるというメリットがあります。

マーケティングオートメーションを始めるためのToDoリスト

本メディアの運営会社であるMagic Momentでは、マーケティングオートメーションの導入検討者向けにToDoリストを無料配布しています。このリストを順に追っていくことで、マーケティングオートメーションを導入以前の準備から、実際に運用を開始し始めるまでに必要なタスクを網羅的にカバーすることができます。

9.デモ動画

虎の巻や e-book より高度な情報を提供し、コンバージョンに一番近い場所に位置するリードマグネットが動画コンテンツです。動画コンテンツは営業が電話をかける前に、自社のプロダクト/サービスの使用感を知ってもらうことができます。5G通信の実用化で、大容量のコンテンツを高速で配信できるようになるでしょう。動画コンテンツの利用価値はますます上がっていくことが予想されます。

Marketo「マーケティングオートメーションデモ動画」

マルケトは自社のプロダクトのデモ動画をリードマグネットとして利用しています。製品の使用感を実際のスクリーン画面を見ながら体感することができます。

10.フリートライアル

特にプロダクト単価が低く、導入ハードルも低いソフトウェアを販売する企業で効果的なのがフリートライアルです。一般的な戦略は、基本ソフトを無料で提供し、その後営業をかけて追加機能を備えた有料版を契約してもらいます。もしくは最初からフルバージョンを期間を定めて提供します。しかし、期間無料のトライアルでは期間終了後の解約が多いにも関わらず、導入サポートやカスタマーサクセスのコストが増えてしまうという可能性もあります。

SPEEDA

統合された企業情報のプラットフォームを提供する SPEEDA では、一部情報のダウンロード数に制限があるものの、有料版と同等の機能を1週間無料で提供しています。

11.調査分析レポート

データに基づいた合理的な意識決定が求められる BtoB ビジネスの場においては、調査分析レポートはとても重宝されるでしょう。自社で実際にデータを集めるだけでなく、様々なデータソースを統合してレポートを作成することもできます。

NaviPlus 「市場分析レポート」

Eコマースの支援事業を行っている NaviPlus は市場分析やサイト改善の分析結果レポートをリードマグネットとして利用しています。これを元にターゲットは自社の Eコマース戦略を立てることができます。

リードマグネットを運用する

リードマグネットのアイデアをいくつか紹介しました。次の項目では実際にリードマグネットの運用について見ていきましょう。

自社に合わせたリードマグネットを作成

上記のようにリードマグネットには様々な種類があります。しかしながら、適切なリードマグネットの形式や内容は提供するプロダクトや想定顧客のリテラシーなどによっても左右されます。そのため、「これが正解」というものは存在しません。複数リードマグネットを作成してより効果的なものを探していきましょう。

リードマグネットをサイトに埋め込む

リードマグネットを作成したらサイトに埋め込みましょう。メニューやフッダー、ヘッターにはリードマグネットへのリンクを埋め込むことができます。
次に、ブログ記事の中へ関連したリードマグネットを挿入しましょう。ブログの記事内容を導線に、リードマグネットで記事を締めくくると効果的です。

リードマグネットを新たに追加し続ける

リードマグネットは1つ出来たからと満足せずに、新しいリードマグネットを作り続けましょう。Hubspot の報告によると「ランディングページを10〜15種類用意している企業は、10種類未満の企業と比べて、コンバージョン率が55% アップ、40種類を超える企業では500% アップしている」とされています。
また、リードマグネットをあらかじめ複数個用意しておけば、新たなコンテンツを投稿するたびに関連性のあるものをすぐに埋め込むことができます。

最後に

リードマグネットとして

  • シミュレーター / カリキュレーター
  • eBook
  • 虎の巻 / ガイド
  • テンプレート
  • 料金見積もり/価格詳細資料
  • 事例集
  • ツールキット
  • チェックリスト
  • デモ動画
  • フリートライアル

が有効であることがわかりました。これらを活用することによって、購買の見込みの高い顧客(リード)を効率的に獲得できるようになります。しかし、リード獲得の時点で購買段階に達しているリードは10% に過ぎず、大半が無駄になってしまっている企業は少なくありません。

そこで、マーケティングオートメーション(MA)を活用してみてはいかがでしょうか? MA を使うことによって、購買段階に達していなかったリードの購買意欲を自動的・効率的に高めることができます。実は、継続フォローをすることによって、将来顧客になり得るリードは50% を超えるとも言われているため、売り上げ向上のためには不可欠です。

詳しくはこちらの記事で説明していますので、ぜひご覧ください。

【2019年版】BtoB向けマーケティングオートメーション(MA)を徹底比較

参考文献
69 Highly Effective Lead Magnet Ideas to Grow Your Email List (Updated)
成約のコード(2018)クリス・スミス、実業之日本社