サブスクリプションビジネスによるCMOの役割の変化

2018年から活気づいてきたサブスクリプションビジネス。従来の売切型のソフトウェアでは、売上の持続性が見込めなかった分、顧客のベネフィットを常に念頭に置いて提供していくことで、安定した顧客との関係を維持することが期待できるでしょう。

ツールやコンテンツなどの利用権利を購入する形になるサブスクリプション形式は、定期課金として収益の安定性を見込める顧客との関係構築になります。

そのような中、Microsoft Office365やAdobeCreativeCloudなどから始まるサブスクリプションビジネスでは、企業のマーケティング施策をどのように打っていくのでしょうか?

そこで注目されるのが、企業のマーケティング部門を統括するCMOの手腕です。現状では、国内においてCMO(Chief Marketing Officer)の役職を設けている企業は少ない状況ですが、サブスクリプションビジネスに欠かせません。

その理由は、サブスクリプション方式の場合、顧客との長期的な信頼関係を必要とするからです。顧客との長期的な信頼関係を築いていくためには、企業のマーケティングを統括して見られる人材が必要になります。その役職がCMO(マーケティング統括責任者)なのです。

CMOとは?

CMO(Chief Marketing Officer)は、企業においての最高マーケティング責任者になります。2015年、欧米のトップ企業500社のうち約30%の企業がCMOの役職を設けている管理系職種です。

 CMOとは、Chief Marketing Officer の頭文字を略した呼称になります。CEOやCFOなどの役職を設置する企業は見かけますが、CMOは国内で浸透されていない役職になるのです。では、組織においてCMOは、どの位置に序列されるのでしょうか?

  • 最高経営責任者 CEO
  • 最高執行責任者 COO
  • 最高財務責任者 CFO
  • 最高マーケティング責任者 CMO

CMOは、CEOやCOOとともに経営戦略に携わることになります。

つまり、経営者的な視座でマーケティングを管轄していくのです。

ある意味CMOは、経営に関わると同時にマーケティングに取り組んでいくことから、CEOに匹敵する経営判断を必要とします。それだけに必要とされる役割も多くなるのです。

CMOの役割

CMOの役割は、マーケティング戦略を具体的にプロデュースすることになります。企業内のマーケティング現場を総括していくのです。企業が持つ「人材・コンテンツ・金・情報・知識・ブランド」を周知して、戦略を立てて活用していくことになります。それでは、具体的にCMOに求められる資質や役割を上げてみましょう。

  • 起業家精神の資質
  • 社内マーケティング業務を統括
  • 市場の調査
  • 顧客の調査
  • 具体的な戦略の立案
  • 具体的な戦略に基づき実行

CMOは、上記にあげた役割を持って企業の資源を効率よく最適化していくのです。企業内の部署の垣根を超えてマーケティングを統括管理する立場になります。言い換えると、CEOに一番近い“相談役”にも匹敵する立場ではないでしょうか。

 以上のことから、CMOの役割は企業の現場主義的な担当部署へのマーケティング戦略の共通認識と活動の有用性の伝達です。CMOは、社内の他部署(商品開発・製造・販売・人事・IT)と連携する能力が求められます。

CMOは、顧客へ提供する価値を最大限に引き上げるための重要な指示系統となるため、過去の実績や伝達能力も必要になってくるでしょう。企業にとっては、経営課題を解決する役目を持つCMOの役職の設置は、経営にマーケティングを融合させるためにも必要不可欠なのです。

サブスクリプションビジネスにおける役割

企業において、CMOの立場が重要であることを説明してきました。それでは、サブスクリプションビジネスによるCMOの役割は変わってくるのでしょうか?

サブスクリプションビジネスにおけるCMOの役割は、「顧客とのつながり」を構築することです。サブスクリプションビジネスは、定額課金のストックビジネスになります。つまり、ツールやコンテンツを利用する権利を購入し続けてもらうことが企業の目的となるのです。

定められた期間、料金を支払うことで利用を継続できるシステムの特徴から、継続利用のための施策こそがCMOの腕の見せ所になるでしょう。常に提供する商品やサービスの価値を感じてもらうことができれば、顧客との信頼関係の維持につながっていくのです。 

つまり、サブスクリプションビジネスは従来の売切り型の商品やサービスにはない「解約されれば終了」となるリスクと隣り合わせの施策となります。逆に言えば、顧客との関係を維持していくことで安定した収益を生み出すことが可能になるのです。

サブスクリプション取り組む重要なポイント

企業のCMOは、サブスクリプション導入により「自社の商品やサービスから得られるベネフィット」を生み出していくことが求められるでしょう。自社の商品やサービスから得られるベネフィットの提供には、企業全体の協力体制が必要になります。

サブスクリプションは企業全体の取組み

企業の各部門・部署別の弊害を取り除き、社員全員が情報を共有してマーケティングに取り組む必要があるのです。それら全体を統括する役目がCMOになるでしょう。

以上のことから、企業全体で共有して取り組む体制作りのためには、CMOの役職を設置することが必須です。サブスクリプションビジネスを導入するには大きなポイントとなります。

“サブスクリプション元年”と言われたほど導入が活気づいてきた2018年。サブスクリプション方式の導入により、生活が多様化する中、購買活動において価値の多様化も進んできています。そのような中で、売切り型では安定しなくなった事業収益の改善策としてサブスクリプション方式が注目されるようになったのです。

サブスクリプションビジネスの今後

従来型の販売方法で広告出稿だけにシフトしていては、収益の改善まで見込めないことが考えられます。自動車や飲食サービスまでサブスクリプション方式を導入し、「所有から利用へ」顧客の動向も変わってきているのです。

従来の売切り型販売モデルではないサブスクリプション方式の導入により、安定収入を目指すために顧客と直接的に関係性を維持することができるサブスクリプションビジネスは益々、活性化してくることでしょう。

CMOの現状

続いてCMOの現状について、国内で見るとCMOの役職を設けることが進んでいないことが見受けられます。まだまだ日本企業には浸透していないのです。2014年のデータから、国内企業上位300社によるとCMOの役職を設置する企業は、全体のわずか0.3%に過ぎません。

 ただし、欧米の企業では増加傾向にあります。今後、国内でのサブスクリプションビジネス活性化とともに、ベネフィットを提供できる商品やサービスの開発が求められるのです。

 そのため、サブスクリプション方式で顧客との関係性を構築するには、商品開発の段階からマーケティングに情通した人材が必要になります。

 しかし、経営者感覚を持ったマーケターが少ないことや、マーケティングの視点を経営に取り入れた企業が少ないことも事実です。CMOに匹敵する人材の確保も重要課題になります。

CMOにふさわしい人材

「どのようなスキルがあればCMOとしてやっていけるのでしょうか?」CMOに必要なスキルを取り上げてみましょう。

 データサイエンティスト 

データに基づいて合理的な判断を行えるように意思決定者(企業の経営判断層)をサポートする立場の人材

 統計解析

統計データを解析してデータに基づいた経営戦略を提案できる人材

ビジネス市場トレンド

自社の業界や競合他社、関連最新情報を察知できる人材

 ITスキル

Webの動向に情通した人材、ソーシャルメディアに情通、リサーチャー

まとめ

 忙しいマーケターにとって時間効率は重要な指標になります。データや業務知識を組み合わせたテクノロジーの活用もCMOへの近道になることでしょう。

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