カスタマーサクセスを向上させる1ツール チャットボットの活用例とその未来

カスタマーサクセスの重要性、認識していますか?

近年、サブスクリプションビジネスの普及に伴って、顧客に成功体験を提供する「カスタマーサクセス」に注目が集まっています。しかし、顧客にパーソナライズした対応には必然的に人的・時間的コストがかさむこととなり、その費用対効果に見込みを持てない企業も少なくありません。この記事では近年技術革新の目覚ましい「チャットボット」に着目しその活用事例を紹介します。そこからカスタマーサクセスにおいてより優れた顧客体験を生み出しながら、コスト削減も実現するためにその課題点と克服するためのポイントを紹介します。

なお、従来のカスタマーサポートとカスタマーサクセスの違いについてはこちらを参考にご参照ください。

なぜカスタマーサクセスは「辛い」のか

Salesforceによると、70%の顧客は「ひとりひとりのニーズを理解することによって、企業のロイヤルティーは改善される」と考えています。パーソナライズされた顧客体験を実現するためには、適切な情報を素早く届けることが重要となります。

しかし、膨大なユーザーにリアルタイムで対応可能なカスタマーサクセスチームを立ち上げることはとても困難です。例えばカスタマーサクセスチームをリードできる人材を採用し、数値目標や対応プロセスの策定を経て、多くのオペレーション人材を採用・育成などが必要となります。

また、適切な指標・ツールなどを用いることなく立ち上げられたカスタマーサクセスチームでは、ロイヤルティーを向上させるどころか、むしろチャーンを招く恐れすらあるのです。こういった課題を解決するためには、データやテクノロジーを用いることが鍵になります。

カスタマーサクセスでチャットボットを活用する

カスタマーサクセス領域で活用できるテクノロジーは年々増加しています。顧客のプロダクト内行動解析やQ&Aページなどの検索アルゴリズムのほか、注目を浴びているのが「チャットボット」です。

優れた顧客体験を生み出すためには、ユーザーの日常に寄り添ったタッチポイント設計が不可欠となります。例えばFacebookやTwitter・LINEなど、ユーザーが慣れ親しんだメッセージツールをプラットフォームとして、企業独自のAIチャットボットを制作するケースは増えています。

これにより
– 対応コストの削減
– リアルタイムな対応
– パーソナライズされたリッチコンテンツ

などのメリットを実現することができます。
では、実際に企業はどのようにチャットボットを活用しているのでしょうか。

【海外事例】Microsoft Zo

Microsoftが開発したAIチャットボット、Zoは2018年11月、年末の休暇シーズンを前にギフト選びを助けるサービス展開を発表しました。このサービスはBuzzFeedと連携してTwitterのダイレクトメッセージ等をプラットフォームとしてユーザーにパーソナライズしたギフト選びを行いました。洞察あるギフト選びなど、そのショッピングコンテンツで名の知られたBuzzfeedとのタッグにより購買行動を新たな体験として提供するものだったと言えます。
このサービスで注目すべきポイントは、そのボットキャラクター設計の綿密さです。
ユーザーの質問に沿った会話が可能なこともさることながら、その年齢や趣味などターゲット層に合わせた設計が施されていることが伺えます。

 

【国内事例】Domino’s pizza

日本国内ではLINE上の公式アカウントでピザの注文サービスが利用できます。ユーザーにその注文方法をアピールできるだけでなく、クーポンやお得情報の配信も可能です。
電話対応が不要になったり企業側からの積極的なアプローチが可能になるという、企業側にとってのメリットが見込まれます。それだけでなく営業時間でなくても注文が可能になるなどユーザーにとっても頼みたい時間に頼みたい場所から注文ができるようになるというメリットがあります。

【国内事例】NinNin tabitabi

株式会社NinNinの提供するtabitabiは、LINE上で希望条件を入力することで宿泊先から移動手段、現地ツアーまでの提案・手配を可能にするサービス。専任の担当者がついて問い合わせや相談にも対応します。
案内に従って旅行条件を入力し、提案を受けます。その後ユーザーからの反応が無かった場合でも予約確認の案内やQ&A更新のお知らせなど、ユーザーに対し積極的なアプローチを行っています。

【国内事例】農林水産技術会議 アグリサーチャー

農業生産者と研究機関とを繋ぎ研究成果を共有する検索システム、アグリサーチャー。農業者等から毎月7千件以上のアクセスがあるこのサービスは、2019年1月からLINE上でのチャットボット運用を開始しました。カテゴライズされた研究成果の検索や検索回数の多い研究結果ランキングの表示が可能となっています。「ご意見」ボタンも設置し、ユーザーからの意見・要望を受けることができますが、現段階ではレコメンドや回答を行うものではなく、4月からの本格運用を前に今後の運用改善に役立てるデータ収集の段階であると考えられます。

【国内事例】SELF株式会社 SELF

あたかも人間とチャットしているかのような、ユーザーにパーソナライズしたボットを提供しているSELFは、位置情報の取得などからユーザーの生活特性の解析が可能となっています。これによりユーザーの生活改善、問題点の特定、改善行動の具体的サポートができるサービスを作り出そうとしています。世界と比較してもチャットボットに関するAI技術で日本はリードできるポテンシャルを持っていると言えます。チャットボット先進国としてそのAI技術をもとにチャットボットを活用したカスタマーサクセスが期待できます。AIにとってデータの量こそがその価値を決めるものとなり、収集する必要があるからこそ、いち早くユーザーに寄り添った情報収集が必要となってくるでしょう。

チャットボット活用事例からみえること

チャットボットの活用には、その基盤となるAIの存在が重要です。そのAIの特徴として、蓄積されたデータからその関連性、相関性を分析する事が挙げられます。これは同時に、データとして蓄積されていない事象について、AIは分析することができないことを意味します。つまり与えられたデータ以外に最適解が存在したとしてもAIの分析結果としては抽出されようがないのです。
AIに与えられるデータに偏りがあった場合、その分析結果に大きなズレが生じてくることは想像に難くないでしょう。しかしチャットボットを活用しユーザーとの会話を繰り返すことで最新のユーザーから蓄積されたデータに基づいた、よりユーザーに適した対応が実現可能です。
上記のチャットボット活用例を見ても、その運用はBtoCでの活用であったりカスタマーサポートにとどまっているものばかりです。しかし今後BtoBでの活用やカスタマーサクセスとして顧客に積極的なアプローチを行うために、効果的にチャットボットを活用していく方法を構築していく際のヒントを得ることができるでしょう。

最後に

カスタマーサクセスを実現するために、多種多様な業界でチャットボットが活用されていることがわかりました。成果を残した企業は、大幅なコスト削減や顧客体験の向上に繋がり、企業としてのロイヤルティーも改善することができます。

しかし、適切な目標や人材・ノウハウなどが不足している状態でテクノロジーを導入しても、本質的な成果を生み出すことはできません。それどころか顧客体験の悪化を招き、多くのユーザーを離脱させる懸念があります。

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