BtoB 向け顧客管理システム( CRM )おすすめツール6選 価格/機能を徹底比較

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要約SUMMARY
  • CRM ツールとは顧客との関係を管理するシステムです。顧客の状態を把握することで、次に取るべきアクションを把握・実行できます。
  • CRM ツールを最大限活用するためには、自社の目的に合うものを選ぶことが最も重要なポイントです。
  • CRM ツールの導入を成果につなげるためには、起きがちな失敗を認識し、予め対策を講じておく必要があります。

多種多様な CRM ツールがあるなか、どのツールを導入すべきか悩んでしまう方は多いのではないのでしょうか。

国内の CRM 市場は、毎年およそ5%成長しており、多くの企業で導入が進んでいます。
しかし、各 CRM ツールはそれぞれに特徴があり、自社の課題や目的に応じて導入すべきものが変わってきます。

この記事では、自社に合った CRM ツールの選定方法と国内外のおすすめ BtoB 向け CRM 19選の特徴をわかりやすくご説明いたします。効果的な CRM の導入に、ぜひご活用ください!

また、弊社では国内唯一のSales Engagement Platformである、「Magic Moment Playbook」を提供しています。 

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CRM ツールとは

CRM ツールとは一般に、顧客に関する情報を管理するツールのことをさします。顧客や見込み客との関係を深め、築いた関係を維持するために欠かせないもので、現在、多くの企業が生産性や顧客サービスの向上を目的としてCRM ツールを導入しています。

CRM について詳しく知りたい方は、合わせて下記の記事をご参照ください。

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 CRM ツールを導入するメリット

CRM ツールを活用する一番のメリットは、顧客と営業担当のアクションが可視化されることです。顧客の情報を把握することで、見込み顧客へ的確なアプローチがとれるだけでなく、これまで見えづらかった営業担当者のアクションを把握することもできるようになります。社内を円滑にまわし、顧客との関係を深めるうえで大変有効なツールと言えるでしょう。

具体的なCRM ツールの導入のメリットは以下の例が挙げられます。

  • ダッシュボード画面でリアルタイムに新規の問い合わせ数などの全社の状況が可視化できる。
  • 営業活動の共有とマネージャーからのアドバイスなどが全て CRM ツール上で完結できる。

CRMのメリット BtoB SaaS企業において必要不可欠な理由

管理者にとってのメリットは以下のものでしょう。

経営層やマネージャーにとってのメリット

  • 営業メンバーの活動状況の確認がツール上で可能になる。
  • 営業担当者へのアドバイスなども CRM 上で完結できる。
  • 顧客情報を分析し、戦略の策定や顧客へのアプローチ精度が向上する。

CRM は顧客の情報を管理するだけでなく、それを分析・活用することによって、顧客のニーズに合ったより良いサービスを提供することができるようになります。

▼CRM の具体的な活用方法
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CRM ツールの選定手順

決して、「CRM 導入=売り上げが上がる」ではありません。(本頁後半参照)CRM ツールの導入は多くの企業で進んでいますが、当初の目的を果たせていないケースが多くあります。CRM はあくまで手段だと捉え、導入するツールが自社で十分な効果を発揮できるのかどうかを検討する必要があります。

では、適切な CRM ツールを見極めるためにはどうしたらよいのでしょうか。

SETP1 CRM ツールを導入する目的を明確にする

まず、 CRM ツールを導入する目的を明確にすることが第一です。多種多様な CRM ツールが存在する今、「ツール導入を通して本当に実現させたいこと」が何であるのか(顧客との強固な関係作り、潜在ニーズの充足、販売の効率化等)をはっきりさせることによって、目的や目標を見失わない必要があります。効果的な CRM ツール導入は、あくまでも最終的なゴールに即して考えるべきです。

図:ツール最適化の考え方(Magic Moment作成)

SETP2 必要なデータとそれを管理するための必要な手順を明確にする

次に、自社の営業活動に必要なデータを取捨選択し、それらを管理するために必要なシステムやリソースを把握する必要があります。例えば、売上を拡大したい企業であればアポ獲得数や受注率、そしてそれぞれを左右する KPI などのデータが必要になります。自社のビジネスの特性からどのようなデータが必要となるかを吟味し、必要な情報を一元管理できるシステムを選択したほうがよいでしょう。

SETP3 他ツールとの連携/拡張性を確認する

必要とするデータと合わせて、導入する CRM ツールが既存のシステムや他部門のツールと連携できるのかどうかを確認しましょう。連携が取れない状況では、営業に必要なデータを人力で移行する手間がかかるばかりか、営業担当者にとって利用価値が見出せず、利用されなくなってしまうケースがあります。また、用途の拡大が予定される場合や、自社に合わせたカスタマイズが必要な場合も、それができるのかどうかを導入前に十分に検討することが必要です。

STEP4 費用対効果を考える

そして、もっとも肝心なポイントは費用対効果の観点です。利用料や、導入コンサルティング料、入力の手間といった日常の利用コストなどがあり、場合によっては年額で数億円規模のコストになることもあります。導入によって見込まれる成果と運用方法とを照らし合わせて、そのコストを受け入れられるのかを判断するべきです。

▼100人の営業担当者を持つ営業組織では、年額コストは2億円にのぼるという試算もあります。

図:コストのかかる営業領域のツール活用(Magic Moment作成)

STEP5:現場に定着するかどうか

最後に、ツールが現場の担当者に馴染むかどうか見極める必要があります。ツールは導入後、適切に使用されて初めて本来の価値を発揮します。払った金額に見合う成果が得られるよう、使いやすさ(UI)やサポート体制の充実度をあらかじめ確認しておくことが求められます。

BtoB 向けおすすめの CRM ツール6選

ここからは、以上の5つのポイントをふまえたうえで、おすすめの BtoB 向け CRM ツール6選をご紹介します。

HubSpot CRM

HubSpot−CRM

HubSpot CRM は、完全に無料で使える CRM です。見込み客から既存の顧客までの追跡と管理が可能で、顧客との関係構築に必要な機能が全て揃っています。

メリット

  • Gmail や Outlook との連携で、営業に必要な顧客とのコミュニケーション履歴を自動で記録。
  • 最大で100万件までコンタクトが登録でき、ユーザー数やストレージ数は無制限。
  • Web チャット、チームの共有アドレス、ボットなどのツールも無料で利用でき、マーケティング、営業、カスタマーサービス間のコミュニケーションを一元管理することが可能。

API との連携

また、簡単に API 連携ができるツールが多い点も HubSpot CRM の魅力です。 
HubSpot と API 連携ができるツールについては「HubSpotとAPI連携できる営業効率化ツール10選」で紹介しています。ぜひご一緒にご活用ください。

価格

無料

 Zoho CRM

ZOHO-CRM

ゾーホージャパン株式会社が提供する CRM ツール です。特にこのツール自体が中小企業・ベンチャー企業などでの活用を考えて開発されたものなので、中小企業・ベンチャー企業におすすめできます。

メリット

  • 顧客管理に必要な機能に加えて、 SFA 機能が含まれていて、営業の業務効率化に役立つ。
  • 顧客のアクションやチーム内のパフォーマンスをリアルタイムで可視化でき、効果の測定や分析が可能。
  • 定型のタスクを自動化するワークフロー機能など業務を効率化。

API との連携

Zoho CRM の REST API (アプリケーションプログラミングインターフェイス)という外部アプリケーションと CRM を連携させるツールがあるため、そちらを利用することによって提携が可能です。

価格

  • スタンダード 月額1,680円/ユーザー
  • プロフェッショナル 月額2,760円/ユーザー
  • エンタープライズ 月額4,800円/ユーザー
  • アルティメット 月額6,240円/ユーザー

eセールスマネージャーRemix Cloud

e-セールスマネージャー-CRM

SOFTBRAIN 社が提供する eセールスマネージャー Remix Cloud は製品名の通り、セールスに特化した製品です。営業活動にウエイトを置いている企業におすすめです。

メリット

  • 営業が外出先から利用することを想定し、スマートフォン・ タブレット での使うことが可能。
  • テキストよりも選択式の入力で活動報告ができ、大きな負担なく活用できる。
  • リアルタイムな営業活動の把握ができ、マネージャーから営業へのアドバイスも瞬時に可能。

API との連携

各種グループウェアや Google カレンダーなどのスケジュール管理ツール、地図機能や名刺管理ツールなど多岐にわたる連携実績があるため、提携しやすいです。

価格

スタンダード 月額11,000円~/ユーザー

その他

  • ナレッジシェア 月額6,000円~/ユーザー
  • スケジュールシェア 月額3,000円~/ユーザー

Sales Cloud

SalesCloud-CRM

Sales Cloud は、Salesforce が運営し、世界で15万社以上の導入実績があり、国内外でトップシェアを誇る No.1 CRM / SFA ソリューションです。営業活動に必要なあらゆる機能を提供しています。

メリット

  • 見込み客の育成から商談、取引先の管理に加え、売上予測が可能。
  • モバイル用のアプリでの利用が可能。
  • 直感的な操作で必要な機能がカスタマイズでき、 SNS 機能で情報の共有が可能。
  • レポーティング機能により、営業活動を見える化・改善。

API との連携

Marketo や Pardot 、 Hubspot といった MA (マーケティングオートメーション)ツールなど営業との連携が可能です。外部ツールを利用することにより、 Sales Cloud をより使いこなせるでしょう。

価格

  • Starter 月額 3,000円/ユーザー
  • Professional 月額 9,600円/ユーザー
  • Enterprise 月額 19,800円/ユーザー
  • Unlimited 月額 39,600円/ユーザー
  • Einstein 1 Sales 月額 60,000円/ユーザー

kintone

kintone-CRM

kintone は、プログラミングなしで様々なアプリを作ることができるサービスです。業務改善や効率化にウエイトを置き、自社で今すぐ使えるシステムを作りたいという企業のニーズに答えています。

メリット

  • 顧客のデータ管理として必要なものだけをドラック&ドロップで作成し、利用をすることが可能。
  • 作成した各アプリの中ではコメントを付与することができ、チーム内での情報共有を効率化。
  • 案件管理・クレーム管理・日報などビジネスに必要なアプリを作れるテンプレートが豊富。

API との連携

Microsoft の各種サービス、地図機能、チャット、メール、 ZOOM などと連携可能なため円滑な営業活動が可能になります。

価格

  • 30日間無料お試しあり
  • スタンダードコース 月額 1,500円/ユーザー(最低5ユーザー)
  • ライトコース 月額 780円/1ユーザー

GINEE SFA/CRM (旧 ちきゅう

GINEE SFA/CRM は、クラウド型の SFA/ CRM で、シンプルで多彩な機能が営業活動の悩みを解決します。 顧客管理の他、商談管理・データ分析など顧客との接点を強化できる機能が多数あります。

メリット

  • ChatGPT4 を活用して面倒な要約作業をカットすることで、生産性向上が可能。
  • 営業の移動中にスマートフォンから接続が可能。
  • 商談管理とデータ分析により、顧客との接点を可視化。

API との連携

Slack や ChatWork との API 連携により、自社に合わせた項目のカスタマイズから活用の幅を広げやすい製品と言えます。

価格

  • スタンダード 月額 29,800円(10ユーザー分含む)
  • プロ 月額 49,800円(10ユーザー分含む)
  • エンタープライズ 月額 98,000円(10ユーザー分含む)

CRM ツールの導入でよくある失敗例

CRM ツールを活用する企業のうち約8割が、その活用について「定着している」と回答しており、活用シーンは顧客管理が中心となっています。

しかし、売上拡大や新規顧客の獲得をするという点においては成果には結び付いていないという現状があります。なぜそういったことが起きてしまうのでしょうか。以下3つの問題点が指摘されます。

図:CRM定着の実情(Magic Moment作成)

原因1 現場におけるツール入力の不定着

営業担当者によりデータの入力がバラバラであったり、そもそも入力されていないケースがあります。結果、顧客の情報が不明瞭なものになり、営業担当者も一部の機能しか使わなくなってしまうなど、営業フェーズでの活用されなくなります。
データの入力を促進するため、活用のルールと必要なデータの周知を徹底しましょう。作業が効率化されるなどの営業担当者にとってのメリットを伝えることも大切です。

原因2 部門間でツールやデータが連携していない

部門内で独自にツールを導入し、独自のルールで運用しているケースです。部門内で閉じてしまう個別最適的なツールの活用では、顧客のデータが部門間で共有されず、情報が分断されてしまいます。
結果、顧客に対して一貫性のあるアプローチができなくなるなどの思わぬ機会損失を生んでしまいます。

原因3 何を効率化するのかが見えていない

導入することがゴールとなってしまっているケースです。 IT 化の遅れへの焦りなどから生じることがあります。導入してどこを効率化するのか、そのためのリソースの配置と効果の測定をどうするのかが明確になっておらず、導入したもののうまく活用できなくなってしまいます。特に、 IT 化のプロジェクト単位で実施する際は、プロジェクト後に解散してしまうため、このようなことが起こりがちになってしまいます。専門部署の立ち上げやリソースの配分まで視野に入れる必要があります。

まとめ

ツールの導入で目的を達成するカギは部門全体でツールを最適化することです。管理部門から営業担当者まで、横断的にツールの情報連携を行うことで、売上や生産性の向上を実現することもできます。
しかし、現実的な問題として多くの企業でデータの統一にかかる手間などのコストパフォーマンスがボトルネックとなり、新規顧客の獲得や売上拡大などの成果にまで至っていません。

これは日本に限った話ではありません。アメリカではこうした課題を解決するために Sales Engagement Platform の導入が進んでいます。見込み顧客や既存の顧客とのコミュニケーションをテクノロジーにより効果的に実行し、ツール内に蓄積したデータをもとに営業担当者に最適な行動を促します。

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