インサイドセールスに向いている人、向いていない人の特徴とは?立ち上げやサポートのコツも紹介

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要約SUMMARY
  • インサイドセールスは既に国内の4割の企業が導入済、今後も需要は伸びる傾向に
  • マーケティングやフィールドセールスとの橋渡しを行いパフォーマンスを向上
  • ニーズを引き出す質問力、課題解決力、効率性を考える工夫などが求められる
  • ツールスキル獲得、将来性がある、数値で成果が見えるなどやりがいの多い仕事
  • 立ち上げ時には役割を明確にし、運用ルール、 KPI 、シナリオ標準化等を整備する

コロナ禍の影響もあり、従来の対面営業だけでなくオンラインツールを活用した営業手法を模索、実施する企業が増えています。そんななか、注目を集めているのがインサイドセールスです。

本記事ではインサイドセールスとはどんな業務か、どんな人がインサイドセールスに向いているか、逆にどんな人は向いていないのかをご紹介します。さらにインサイドセールスのサポートする際のポイント、部門立ち上げのコツもご紹介します。

インサイドセールスという業務に関心がある人であれば、業務内容を知ることで今後のキャリアを考える際にもご自身に向いているかの判断材料になります。

また、どんな人がインサイドセールスに向いているかを把握することで、関連する人材採用を検討している企業にとっては適材適所の配置、採用に繋げることができます。該当する方や興味がある方は是非ご参照ください。

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インサイドセールスの仕事とは?

インサイドセールスとは、見込み顧客(リードと呼びます)に対して、電話・メール・チャット・Web 会議ツールなどのコミュニケーションツールを通じて行う「非対面の営業」を指します。

もともとはアメリカで始まった営業スタイルで、国土が広く、顧客先までの移動が大変なアメリカにおいて効率的に営業をかけるための手法として確立、定着しました。

従来の訪問営業に比べて移動時間を省略できることや、上述のオンラインでのコミュニケーションツールを駆使して効率化を図れることが理由で多くの企業がインサイドセールスを取り入れるようになり、現在では主流の営業手法となっています

日本でもコロナ禍によるリモート業務が浸透したことに加え、Zoom や Skype といった WEB 会議ツールの普及を受けて業界や企業規模を問わず導入が進んでいます。

2021年12月時点日本国内のインサイドセールス導入率は2021年12月時点で4割に達しており、営業効率化・売上向上の効果が期待されています。

Hubspot Japan 社「日本の営業に関する意識・実態調査2022」

インサイドセールスの役割

インサイドセールスの主な役割は、リードナーチャリングと呼ばれる見込み顧客(リード)の育成です。顧客との関係を構築しつつ、ニーズや課題をヒアリングすることで顧客理解を深めます。より成約率の高いアポイントを獲得することが、インサイドセールスには求められます。

また、フィールドセールスとの分業で営業ステージごとに業務を分担することも可能で、多くの企業で分業体制を組むことが浸透しています。インサイドセールスがヒアリングした内容はフィールドセールスに引き継がれ、フィールドセールスは受注に向けた提案活動に自身のリソースを注力することができます。

インサイドセールスの仕事内容

インサイドセールスの役割は SDR と BDR の2種類に分かれます。以下にご案内いたします。

SDR( Sales Development Representative )

マーケティング部門等が獲得した見込み顧客(リード)にアプローチするインバウンド営業です。ここでいうインバウンド営業とは資料請求・ダウンロードや問い合わせなど、顧客からの能動的な行動をきっかけとして営業活動を展開する営業です。予め顧客が自社商品を知っているため、アポイント獲得のハードルは低めです。

効果的に顧客との関係を築くためにはマーケティング等のリード獲得部門とセールスとの間で案件引き継ぎのルールを決めておく必要があります。

BDR( Business Development Representative )

自社が顧客にしたいターゲット企業に対して直接アプローチを行い、新規顧客の開拓を行うアウトバウンド営業です。ターゲット企業側が自社に興味を示していない(自社の存在自体を知らないケースも多い)状態でアプローチすることになるため、アポイント獲得のハードルは高いと言えます。

アプローチに先立って企業情報は勿論、企業を取り巻く環境などターゲット企業の情報収集が欠かせません。

インサイドセールスの仕事の特徴

インサイドセールスは業務内容から以下のような特徴があります。

マーケティングやフィールドセールスの間の橋渡し役になる

顧客との関係構築を行うため、見込み顧客に継続的にコミュニケーションを取り、十分に案件の確度が高まってからアポイントを打診し、フィールドセールスに案件を引き渡します。

取り合えずアポイントだけを獲得するようなアプローチだと、その後の案件成約率に大きく影響が出るため、いかに自社に対する顧客の関心・期待を高めるかが重要です。

見込み顧客からの示唆や課題をマーケティングにフィードバックする

マーケティング施策を通じて獲得した見込み顧客(インバウンドリード)に対しアプローチを行っていく過程で、顧客の本当のニーズや、顧客が期待している内容がマーケティング施策を実施する際の自社の想定と異なるケースも多く発生します。

このような顧客の生の声は今後のマーケティング施策の改善に非常に有効です。

顧客に最も近い立場で活動するインサイドセールスの立場だからこその活きた情報が、マーケティング部門へのフィードバックにおいては非常に重要です。

企業によってインサイドセールスの役割はさまざま

インサイドセールスは他部署と連携して活動することが多い役割ですが、企業によってはインサイドセールス自身が商談もするケースもあります。

事業内容や会社(営業組織)の規模等によってその役割は異なります。マーケティング・営業活動において重要な顧客との関係構築をどのように進めるかがポイントです。

インサイドセールスと従来の営業との違い

従来の営業手法の場合、一人の営業担当者がターゲットリストの作成から顧客ヒアリング、アポイント獲得、さらに商談、契約後のアフターフォローまで全ての営業プロセスを行っていました。

顧客に対して全ての工程で同じ営業担当が付くため、顧客理解や過程の全てを把握できる点などメリットもありますが、リソース圧迫の点から一人の営業担当者が対応できる顧客数が限られる点や、属人ベースで案件が進行するリスクを抱えています。

一方、インサイドセールスは従来の営業が担当している業務のうち、主に見込み顧客に対するヒアリングとナーチャリングを行い、アポイント獲得までを担当します。その後は顧客ニーズや課題をフィールドセールスに共有しバトンタッチします。

インサイドセールスと営業(フィールドセールス)が業務内容を分担することで、

  • お互いの業務領域が限定されるのでパフォーマンスを高く維持できる
  • 特定の業務に特化して集中して取り組むため、業務理解が深まり効率化も進めやすい
  • 案件を体系的に管理するようになり案件把握がしやすく属人化しにくい

などのメリットが生まれます。現在では上述のような分業型の営業プロセスが広がっています。

営業プロセスを最適化・効率化する The Model(ザ・モデル)とは?

インサイドセールスに向いている人の特徴

インサイドセールスとは何か、従来の営業との違いについてお伝えしてきました。ではインサイドセールスを実施する際に向いている人にはどのような特徴があるでしょうか。何点かに分けてポイントを整理します。

コミュニケーション力が高い人

業務の特徴からもインサイドセールスは顧客とのコミュニケーションなしには成立しません。具体的には以下のような理由で高いコミュニケーション力を求められます。

  • 継続的に顧客アプローチを続けて、相手に信用してもらうため
  • 非対面で接することが多く相手の表情とかが分かりづらいため、意思疎通の難易度が高いため
  • 見込み顧客に対して、メールを使って読みたくなる魅力的な内容を簡潔に送る必要があるため

好奇心がある人

あくまで人と人の間のコミュニケーションですので、相手との会話を楽しみ、興味を持って聞く姿勢、同じ立場に立って共感できる感覚が高いほど、より顧客との距離を縮められるのがインサイドセールスの特徴です。

そのため、好奇心があり相手のことを理解しようとする気持ちが強い人はインサイドセールスに向いていると言えます。また、ヒアリングした内容をもとに顧客に提案や解決策を案内する際にも、顧客の情報収集を事前に行い、提案内容を考える必要があります。

相手に対する興味を持てる人、自分に馴染みのない業界や業種であっても、好奇心を持って理解しようとするマインドがあれば、インサイドセールスの仕事を楽しみながら進められる可能性が高まります。

ヒアリング力が高い人

当たり前に聞こえるかもしれませんが、ヒアリング力が高いことは非常に重要なポイントです。

ただ相手の話を聞いてメモするだけではなく、なぜ顧客がそのような課題を抱えているのか、いつからそのプロジェクトをスタートするのかなど、思考を巡らせて相手の発言の背景や不足情報を補う質問を続ける必要があります。

インサイドセールスが顧客の課題・ニーズの根元を掴んでいるかどうかは、適切な提案を行う上で欠かせませんし、それが案件受注の分岐点になることも少なくありません。

ヒアリング力が高いとは、核心をつく質問ができるかという意味でも重要です。顧客の立場から考えてみましょう。自分から伝えなくても(または上手に伝えられなくても)自社の課題の核心をズバリつく質問ができる会社、さらに課題に対して正しくアドバイスをくれる会社に対しては信頼を寄せやすいと言えるでしょう。

インサイドセールスに向いている人の性格

インサイドセールスに向いているかどうかは、能力面だけでなく、その人の性格による部分にも起因しています。当てはまるかどうかを参考にしてみてください。

人の話を聞くのが好きな人

相手のニーズや課題を聞くためには、自分ばかり話していても仕方がありません。逆に特別な知識がなくても、適切な相槌や共感の姿勢を伝えて、相手に気持ち良く話してもらうことができれば、より深い情報まで聞きだせることも往々にしてあります。

人の話を聞くのが好きな人がインサイドセールスに向いていると言われるのはそのためです。

人に親身になれる人

例えビジネス上の会話であったとしても、自分が困っていることや、悩んでいることを聞いてもらえると、人は相手に対して興味を持ってくれたり信頼してくれることもあります。

相手の立場に立って親身に話を聞くことができる人は、顧客の信頼を勝ち取る上で有利とも言えるでしょう。

粘り強い人

ビジネスは結局、しつこい人、粘り強い人間が強いとよく言われますが、インサイドセールスにおいても粘り強い人は結果を出す傾向が高いです。以下の理由があります。

新しい営業スタイルであり、多くの企業にアプローチが必要

多くのアポイントを獲得するためには、ある程度以上の数のアプローチは不可欠です。

継続的なコンタクトによる顧客の信頼獲得なしにはアポイント不可の顧客も多い

情報の蓄積と小さな提案の積み重ねで、相手の中での距離感の変化が起きるとアポイントにもつながりやすくなります。

特に今すぐ何かを求めてはいない顧客などに対しては、中長期的な関係構築が肝になります。粘り強さはここで活きてきます。

インサイドセールスに必要なスキル

インサイドセールスの実際の業務で必要とされるスキルについてもご案内します。前述の特徴、性格と併せてご確認ください。

ニーズを引き出す力

非対面の営業で顔が見えないことも多いのがインサイドセールスの特徴ですが、そのような相手からもニーズを聞き出す質問力が求められます。

質問力は訓練によって伸ばすことができますので、学習と反省・振り返りの反復で数をこなしながら改善していくことができます。

課題解決力

ヒアリング力が高く、相手の課題やニーズを聞きだすことができても、共感するだけではその後のビジネスには発展しません。聞き出した内容に対して、自社のソリューションを使ってどんなことが解決・改善に繋がるかをご案内することで相手の関心を引くことができます。

重要なのは知識を持っていることではなく、知識を相手の課題に併せて分解して提供できるかであり、それが課題解決力の1つです。

あくまで視点は顧客のニーズ・課題を中心において話を展開することが欠かせません。顧客の理解度に合わせた説明にも工夫が必要です。

杓子定規に同じことを伝えても相手には刺さりません。ITに詳しくない人には相手の理解度に併せて抽象化したり、顧客が理解できる言葉に置き換える、相手の業務の内容を例にして説明するなど、提案は顧客目線で理解しやすいように整えて伝える工夫が求められます。

説明が適切に伝わると、それまで関心がなかった顧客が急に積極的に自社サービスについて聞いてくるといったことも現場ではよくあることです。

それは提案内容を自社にとってのメリットとして顧客が認識したことによるものです。相手の立場で、内容をかみ砕いて(あるいは要約して)伝えることも課題解決には欠かせません。

効率的に業務を進められる

多く顧客にアプローチできるほど確率論的に成約数は高められます。そのためにもインサイドセールスには効率的に業務を進める工夫が求められます。多くの顧客に対して継続的にアプローチをするため、メールを送る作業にしてもテンプレ―トやツールをうまく活用し効率化を図る必要があります。

また、闇雲にアプローチ数を増やすのではなく、案件の重要度や顧客の温度感、緊急度などから優先順位をつけて対応をすることで、案件化の確率を高めることができます。

アプローチをする際にはアタックリストを使って整理したり、繋がりやすい電話の時間やメールを効率的に送る方法、改善につながる営業記録の付けかたなど様々な工夫するポイントがあり、それだけのマルチタスクをこなす能力が求められます。

インサイドセールスは自身の活動を記録し、数字で成果を可視化することができるのも特徴です。掛けた時間と成果、アプローチ状況を適切に分析し、改善策を検討することで PDCA サイクルを回しやすいため、後述する KPI を活用して自身の効率化を進めることも重要です。

インサイドセールスに向いていない人の特徴

インサイドセールスに向いていない人の特徴についてもご案内します。努力によって改善できる面も多々ありますが、人によって得手・不得手はあるため、特性を把握する上で参考にしてください。

コミュニケーション・ヒアリングが苦手な人

顧客から話をうまく引き出せなかったり、聞いた内容に対して適切な提案ができないことがあります。普段から話下手な人や話を聞くのが苦手な人は業務自体が苦痛に感じることもあるかもしれません。

また、説明がうまくまとめられず話が長くなると、顧客が内容を理解できなかったり、サービスへの興味を失って会話が途中で終わってしまうこともあります。

他人や世の中への関心が低い人

他人、他社に対して関心が薄いと課題やニーズを聞き出す際にも、会話の節々に他人事感が出てしまいます。顧客としてはそのような担当者が窓口の企業に対して自社の大事な情報は伝えないでしょう。

また、インサイドセールスは今でも進化を続けている新しい営業スタイルで、今後も効果を高める営業手法やツールの登場が見込まれる分野です。

担当者として常に最新の情報にアンテナをはりキャッチアップする姿勢が求められるため、世の中への関心が低い場合には新しい流れに乗り遅れる可能性があります。

完璧主義な人

インサイドセールスはまだこれから発展する余地があり、また企業内でも役割が明確に定まっていないことが多い業務です。より成果を出すために日々改善を求められる役割ですので、何かしらのアクションを常に起こしていく必要があります。

またマーケティングやフィールドセールス、データ分析チームなど他部門との連携も多いため、様々な立場の人と一緒になって改善を進めるチームワークが求められます。

自分の気が済むまで突き詰めるというよりは、まず動いてみて成果をメンバーで確認し、結果をもとに改善を進めるといったスピード感のある対応が重視されます。そういった意味で完璧主義での仕事の進め方はインサイドセールスにはマッチしづらいと言えます。

インサイドセールスに向いている人が感じるやりがい

インサイドセールスは常に顧客やメンバーと向き合いながら、明確な目標に向かってアクションを取り続ける仕事ですので、他の業務では味わえないやりがいが多くあります。どのようなやりがいを感じられるか、順に見てみましょう。

売上に貢献できていると感じる

インサイドセールスは自らが顧客を開拓し、案件の可能性を見つけた上で関係者にトスアップしていきます。

その案件が無事に成約に結びついたり、既存顧客からより単価の高い商材を受注した場合など、売上という会社の中で最も目に見える成果を感じられる達成感があります。

小さな成功を多く得られる

日々の営業活動を可視化しやすいこともインサイドセールスの特徴です。

担当する顧客も多く、PDCA のサイクルが早いため、「こうしたら上手くいった」など毎日のように成長を感じることができます。工夫が成果に結びつきやすい分、やりがいを感じやすい業務です。

最先端の働き方ができる

より効率的に業務に取り組むため、常に最新のマーケティング手法やコミュニケーションツールを活用するため、IT リテラシーを高められます。

企業によっては SFA/CRM や MA (マーケティングオートメーション)ツール、 BI ツール等の様々なツールを駆使して業務に取り組むため、経験値を積んでスキルアップしたい方には適職と言えます。

インサイドセールスの仕事がきついと感じる理由

働き甲斐を感じやすい一方で、他の職種と同様、インサイドセールスならではの辛いと感じやすい場面もあります。

顧客の反応が冷たい

顧客との関係を築く役割を担うのがインサイドセールスであるが故に、最初は顧客との会話自体が成り立たないことも少なくありません。例えば、担当者となかなか連絡が取れなかったり、メールや電話に対して反応が薄かったり、ぞんざいな対応をされることがあります。

顧客から問い合わせをしてきたなどの例外を除いて、最初は顧客もどんな人が何の目的でコンタクトを取ってきたのか分からないため、残念ながら最初の自身に対する顧客の印象はマイナスであることが多いです。

板挟みになってしまう

苦労して顧客から面談等のアポイントを獲得した場合でも、その時点では顧客がサービスに対して完全に前のめりになっていない場合があります。それでも可能性があるものを逃す手はないため、フィールドセールスに案件を渡すと確度が低いとクレームを受けることが時々あります。

一方で、マーケティング部からは獲得したリードを案件化できないと「せっかく獲得したリードをなぜ受注まで育てないのか」と、インサイドセールスが案件の芽を無駄にしたかのように言われることもケースとしては散見されるようです。

このように、顧客の橋渡しをするのがインサイドセールスの業務であるがゆえに、中間の立場での板挟みの苦しみを感じてしまうことは現実にあります。

ただしこれらをデメリットとして捉えるのではなく、案件の渡し方や顧客への案内内容を含めて丁寧にフィールドセールスに引き継ぐことや、リードの電話での反応を元にマーケティングで訴求しきれていなかった部分をフィードバックするなどはできます。こうして部門間のコミュニケーションを密に図ることで、チームとしての一体感が増し、上述のような板挟みの苦しみも緩和されやすくなります。どうせこんなものと諦めず、工夫して取り組んでみましょう。

インサイドセールスの仕事をするメリット

仕事としてインサイドセールスに携わる以上、自身のスキルセットや知見を広げるなど、待遇以外での仕事のメリットを掴んでおきたいですよね。以下に考えられるメリットをご紹介します。

多くのツールスキルを得られる

インサイドセールスの業務を進めるに当たって、チャットボットや、MA (マーケティングオートメーション)、CRM 、Web 会議ツールなど多くのツールを活用します。ツールに慣れてしまえば業務の効率は上がりますし、結果として多くのツールを扱えるようになることはインサイドセールスとして働くメリットの1つです。

将来性がある

今後インサイドセールスに対する需要はさらに高まることが見込まれています。理由は

企業にとってインサイドセールス導入に伴うメリットが多いからです。具体的には以下が挙げられます。

企業が求めるニーズと役割が合致する

営業担当者のリソース不足、DX を活用した働き方改革、営業ノウハウの標準化など、企業が今まさに必要としている改善策が、インサイドセールス導入によって実現する可能性が高いと言われています。このような背景において、

  • 専門的な知識を持つスペシャリスト人材の不足
  • まだ発展途上の分野であるため、今から活躍すれば日本市場でも上位クラスの人材に成長できる可能性がある

といった点から、インサイドセールスは将来性があると言えます。

サブスクリプションビジネスの普及

またサブスクリプションビジネスの普及に伴って、顧客の LTV (ライフタイムバリュー)を高める施策が求められます。顧客との関係を構築し、様々なツールを用いて顧客の温度感を高めていくインサイドセールスの役割は LTV とも非常に相性が良いのです。

サブスクリプションビジネスの概要は以下の記事をご覧ください。

サブスクリプションビジネスとは?大企業が直面する課題とその解決策

リモートワークの影響

今後もリモートワークは続く可能性が高いことも関連します。コロナ禍の影響で多くの企業で実施されたリモートワークですが、新しい働き方として企業内でも浸透してきており、コロナが落ち着いた後でもそのメリットを活かして継続されると見込む企業も多いようです。

以下は Mckinsey & Company 社が2021年に調査したレポートの一部です。

「コロナ禍の影響で BtoB 企業の意思決定者にとって、リモートワークスタイルが継続するかどうか」について日本を含む世界各国に対して行った調査結果(下記グラフは日本で絞り込み)です。

左のグラフ質問

新しいセールスモデルは顧客へのリーチ、サービスの点からどのくらい効果的ですか?

右のグラフ質問

コロナ禍において自社の商業モデルおよび GTM 戦略に行った変更について今後はどうなると思いますか?最も適切だと思う回答を選んでください。

参考:A shift to digital_ How COVID-19 has changed selling models : Mckinsey & Company

グラフからも多くの BtoB 営業の意思決定者は今後もリモートスタイルが続くと見込んでいることが分かります。

インサイドセールス立ち上げのコツ

インサイドセールスを自社で導入しようと検討中の企業、営業ご担当者も多いのではないでしょうか。実際にインサイドセールスを立ち上げる際のコツについてご案内します。

インサイドセールスの役割を決める

インサイドセールスと一口に言っても、自社の課題や導入の目的によって、役割は変わります。課題が新規顧客の獲得なのか、受注率の向上なのか、営業活動全体の効率化なのか等、まずは自社がインサイドセールスによって、現在のどの課題を解決しようとしているかを整理した上で適切なインサイドセールスの役割を検討しましょう。

インサイドセールスの代表的な役割を以下にご紹介します。

リード発掘型

新規顧客の中でもリード(見込み顧客)そのものを新たに開拓していく場合にはリード発掘型のインサイドセールス導入を検討しましょう。その役割としては、

  • アウトバウンドでリードを獲得する
  • 電話、メール以外にも広告等のマーケティング施策を駆使して、ターゲットにアプローチ

ターゲットの選定、絞り込みを適切に行った後は、対象となる見込み顧客にどれだけ多くアプローチできるかが重要になります。効率的に、かつ見込み顧客の反応率をあげるために改善を続けるスピード感が求められます。

リード育成型

既に自社内にアプローチ対象のリードはあるが、なかなか商談に結び付かない、受注にならないといったケースに導入したい役割です。実施する主な施策としては以下です。

  • リードナーチャリングをして、フィールドセールスに引き渡す
  • 顧客に合わせたコンテンツの拡充やメールで継続的にコミュニケーションをして、ホットなリードを作る

メールやオンラインコンテンツに対するリードの反応に応じた次の施策を取ることで、ホットリードの育成を図ります。MA (マーケティングオートメーション)ツールなどを活用すれば、オンライン上の顧客の反応を可視化しながら、適切な施策を自動化していくことが可能です。

営業クロージング特化型

購買単価が高い商材や、リードタイムが長い案件に有効なインサイドセールスの役割です。

顧客の課題をヒアリングして、その顧客に合った提案をすることで信頼を積み重ね、成約に繋げるのが理想の流れです。

顧客のニーズ・課題を適切に聞き出すヒアリング力や、成功事例や他社との違い、顧客の不安を取り除くための知識など、複合的な知見をベースとしたソリューション営業のスキルが求められます。

ソリューション営業のステップやポイントは以下の記事をご覧ください。

ソリューション営業とは?基本戦略や必要なポイントについて解説

フィールドセールス協業型

インサイドセールスとフィールドセールスが各々の役割に専念することで効率化を図る営業スタイルです。インサイドセールスは特長を活かしてヒアリングリード獲得や育成を行い、商談からは提案専門のフィールドセールスがクロージングに専念することで、専門性を高めながら成約率向上に結び付けていきます。

上述の注意点でもご案内したように、協業型では各役割の明確化、引き継ぎ案件の定義、情報共有を密にして連携がしっかりとれる体制づくりを行うことが欠かせません。

部門・部署間の連携のルールを検討する

目的や役割、業務範囲を決めても、その後の運用ル―ルが曖昧ではうまく行かない場合もあります。

実施段階になって、決めた内容を担当者が理解、徹底できないことで、成果が出ないだけでなく業務効率も落ちる結果になってしまいます。これを回避するには、運用上のルールを決め、それが機能するかの検証までを運用しながら確認し、改善していくことが必要です。運用時には下記の点などを意識してみると良いでしょう。

情報の連携方法を決める

どんな情報を、どんな手段で、いつ共有するのかを予め決めておき、簡潔でも良いので後でメンバーが参照できるように資料にまとめておきます。担当者が共有について迷ったときの判断材料を残しておくことが重要です。

案件の状態定義と引き継ぎのタイミング

インサイドセールスからフィールドセールスへは、どんな状態で案件を引き継ぐのかを確認しておきましょう。また、それをどう定義するのかについても忘れずに決めておくと後々問題がおきづらくなります。

案件については、顧客の基本情報などに加え、以下のような情報をフィールドセールスに伝える項目として網羅できていると、その後の提案がしやすいと言えます。

  • 案件概要、顧客の基本情報
  • 抱えている課題やそれが起こった理由、(現在も解消していない背景)
  • 今後やっていきたいこと
  • いつまでに課題の改善や施策の実施を行いたいか
  • 誰がプロジェクトの決裁権を持っているか

なお、全てが満たされていなければ引き継ぎできないなど、ヒアリング内容にも必須項目とそうでないものを定義しておくとインサイドセールスのチェックリスト等に反映しやすいですね。

適切な KPI の設定

KPI はチームとしての目標到達状況を測る上でも、個人の達成状況を確認する上でも欠かせませんが、設定時には適切な基準と部門横断的な KPI を意識する必要があります。設定に当たっては以下を意識すると良いでしょう。

目的から逆算して、各部署ごとに目標の KPI を設定する

例えば商談数や商談化率は営業全体に分かりやすい指針と言えます。各部門の KPI が線となり、目的達成につながるようにすると共通の目標に向かってメンバーの意識が高まります。

自社のプロジェクトに関する目的を見直し、それを達成するためには何を目標として掲げれば良いかを逆算して、目標 KPI を設定するようにしましょう。

成果 KPI の達成に必要な行動 KPI を決める

例えば商談数を KPI 設定した場合、達成できるかは個人の能力以外の要素も含まれます。正しく PDCAサイクルを回すためには、成果 KPI の達成に必要な行動 KPI を決めることが有効です。

例えば、架電数やメール送信数であれば個人の努力や工夫で、行動 KPI は十分に達成可能であり、またシステムを使って自動的に記録・参照することが可能なため振り返りが容易にできます。

まずは行動 KPI をクリアすることを第一目標とし、その上で商談数に繋げるために、行動の中身を紐解いていくようにすると、各営業担当者のパフォーマンスを測りながら最適なアクションを促せます。個人のリソースや能力も加味して、見直しを進めましょう。

ツールを活用する

他の業務でもそうですが、インサイドセールスにおいては特に、ツールを有効活用することが社内の情報共有と顧客に合った適切なアプローチのために欠かせません。顧客の行動や属性をリアルタイムで参照できるように一元管理して、チーム全員が見れるようにしておく必要があります。

多くの企業でインサイドセールスが活用する代表的なツールを以下にご紹介します。既にご存知のツールもあると思いますが、改めて自社に合ったツールを選ぶようにしましょう。

なお、CRM ツールの活用ポイントを以下の記事で詳しく説明しています。

CRM 活用のポイントとは CRM 活用・運用のポイントを徹底解説

CRM(Customer Relationship Management:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)

顧客情報を一元管理するツールで、基本情報やアンケート、問い合わせなどの行動データをまとめて管理します。CRM に蓄積された顧客データを分析し、施策を実施することで顧客ごとに最適なサービスを提供することができます。

MA(Marketing Automation:マーケティング・オートメーション)

マーケティング活動を自動化、最適化することで顧客満足度および収益の向上と業務効率化を図るためのツールです。

具体的には顧客のオンライン行動を可視化、点数化するスコアリングや、メールマーケティング、条件に達した見込み顧客を知らせるアラートなどがあります。最適なマーケティングシナリオをどのように設計できるかが MA 活用の肝となります。

SFA (Sales Force Automation:セールス・フォース・オートメーション)

営業支援システムとも呼ばれ営業活動の効率化を実現するためのツールです。

案件管理や顧客管理、見積書作成、営業プロセス管理、売上予測、スケジュール・タスク管理、報告機能等、多彩な機能を包括したパッケージです。

営業活動に関連する一連のデータを集約・管理することで営業担当者の負荷を減らしつつ、体系的な営業チームの運営管理を行います。

オンライン商談ツール

ZOOM や Skype などで馴染みのある、オンラインで顧客と商談をするためのツールです。

PC や携帯などからアクセスして複数名で画面上でコミュニケーションが取れるため、リモートワークでの意思疎通は勿論、顧客との商談でも活用できます。画面共有、録音・録画、ホワイトペーパー、ドキュメント共同作業などの機能があります。

成約までのシナリオを作る

顧客とのファーストコンタクトから成約に至るまでには様々なステップがありますが、各ステップをどう進めれば、次のステップに進められるかの戦略を検討しシナリオに落とし込むことでチームで営業活動改善を進められます。

シナリオ作成における2つのポイントをご案内します。

顧客の動きや状態に応じてどんなアプローチをするのかを作る

顧客の行動・反応に対して即座に適切なレスポンスができるよう、予めアプローチ内容を検討しルール化しましょう。

例えば、以下のようなルール・シナリオを設定しておくことで属人ベースでの対応のバラつきがなくなります。

  • セミナーに参加したら、当日中にアプローチする
  • 返信がなければ、1週間後にアプローチする

注意すべき点は、顧客が~した場合には~するといった具合に、常に顧客の視点でシナリオを作るようにすることです。

シナリオを誰もが使えるように標準化しておく

対応ルールと併せて、対応する内容に関してもベースの内容・項目はシナリオとして標準化して共有しましょう。営業担当が誰でも使えるようにしておくことで、対応スピードと併せて対応品質を担保できます。

運用と改善を行う

インサイドセールスは顧客と接する業務柄、調整力やコミュニケーション力が求められる一方で、業務内容を適切に記録して可視化し、KPI に沿って改善を進められるのが大きな特徴です。

始めるまでの準備も勿論ですが、運用しながら体制や上述のシナリオを常にブラッシュアップしていくことが、成功のカギとなります。

例えば、うまく成果がでない、KPI の進捗が悪いなどの事象が発生した場合には、そのボトルネックとなる課題を可視化していくように心がけましょう。1つ1つの事象を分解して整理する中で得られた改善点はチームメンバーで共有することで全体の効率化・改善にも繋がります。

インサイドセールスの立ち上げから運営時の注意点までご案内しました。

運用を開始するまでの社内体制の整備やツールの選定など、最初は手探りで確認しながら進める必要がありますが、目的達成のために本記事を参考にしつつ検討を進めて頂ければ幸いです。

Magic Moment では、インサイドセールス立ち上げステップに関するスタートブックを無料で提供しています。ぜひ、ご活用ください。

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