【2022年最新版】おすすめの CRMツール20選

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カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(以下、CRM )は、企業と顧客との関係性を管理する業務であり、顧客と良好な関係を構築する取り組みでもあります。

顧客管理やマーケティング、顧客へのアプローチなどは、CRM の質を高める仕事といえるでしょう。

そして CRM ツールは、CRM を効率的に遂行するためのコンピュータ・システムです。

CRM の質を高めるには、CRM ツールは不可欠な存在になりつつあります。

この記事では CRM ツールがどのようなもので、企業にとってどのような点が有用で、企業は CRM ツールをどのような観点で選べばよいのか解説します。

そして主要な CRM ツールを20個紹介します。

さらに、CRM ツールの導入に失敗する企業があるのですが、なぜそのような事態に陥り、失敗を回避するにはどうしたらよいのかも解説します。

CRM ツールとは

CRM ツールは業務システムです。

企業が CRM ツールを導入すると、1)顧客管理、2)分析・レポート作成、3)プロモーションとマーケティングの支援、4)カスタマーサポートなどの業務がスムーズにできるようになります。

CRM ツールを使ってこれらの業務を効率よく、かつ正確に行うことで、企業は顧客との関係性を良好に保つことができるわけです。

顧客管理

顧客管理は CRM ツールの土台となる機能です。ユーザーは CRM ツールに次のような顧客情報を登録することができます。

■CRM ツールに登録する顧客情報

  • 氏名
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 仕事情報
  • 家族情報
  • 金融情報
  • 購買履歴情報
  • 商談内容
  • 過去の問い合わせ内容

顧客データベースを簡単に構築できることは、CRMツールを導入する大きなメリットといえます。

分析・レポート作成

顧客の数が増え、CRM ツール内の顧客データベースの情報が増えてきたら、企業はその内容を分析することが難しくなります。

しかし CRM ツールの分析機能を使えば、顧客データベース内の雑多な情報を整理して、さらに分析することもできます。

例えば、購入が半年以上途絶えている顧客の特徴を分析する、といったことも可能です。

CRM ツールのなかには分析した結果をレポート(報告書)の形式にする機能が備わっているものもあります。そのレポートはそのままプレゼン資料に使えるでしょう。

プロモーションとマーケティングの支援

 企業がすべての顧客に一斉に同じプロモーションを仕掛けることはとても非効率です。そこで企業は、顧客の特徴や属性ごとにプロモーション内容を変えて、刺さるプロモーションを実施したいと考えるはずです。

CRM ツールがあれば、「毎月の購買金額が1万円以上」や「1週間以内に購入した」といった条件で顧客を抽出できるので、ターゲット層ごとのプロモーションを展開することができます。

また、これまで製品や商品、サービスにフォーカスを当てたマーケティングを展開してきた企業は、CRM ツールを導入すれば顧客中心のマーケティングを展開できるようになるでしょう。

先ほど紹介した CRM ツールの分析機能を使えば、顧客が「みえて」きます。ターゲットになりうる顧客が鮮明になれば、マーケティング戦略を描きやすくなります。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは広い概念で、営業担当者が既存客にアプローチすることも、顧客の疑問や苦情に対応することもこれに含まれます。

そのため企業によっては、営業部門ごと、販売部門ごと、カスタマーセンターごとにカスタマーサポートを行っていることがありますが、これは無駄が多く非効率、非生産的です。

CRM ツールを導入すれば顧客(カスタマー)情報を一元化できるので、企業のカスタマーサポートに統一性が生まれます。営業部門、販売部門、カスタマーセンターが同じ顧客データにアクセスできます。

例えば、カスタマーセンターに苦情を述べた顧客に営業担当者がアプローチすれば、お詫びをしたうえで、新たなソリューションを提供できます。つまりビジネスチャンスが広がるわけです。

 CRM ツールの選定ポイント

 CRM ツールは、さまざまなシステム会社から発売されています。あとで紹介するものだけでも20個におよびますが、世の中にはまだまだ存在します。

そこで、これから CRM ツールを導入する企業がどのような判断軸を持って選定していったらよいのか解説します。ポイントは以下のとおり。

■CRM ツール選定の判断軸

  • 導入目的とのマッチングと課題解決の可能性
  • 使いやすいか、わかりやすいか
  • サポート体制
  • コスト

1つずつみていきましょう。

導入目的とのマッチングと課題解決の可能性

 ひと口に CRM ツールといっても、機能や性能はまちまちです。それは、それぞれのシステム会社がそれぞれの観点で企業のニーズや課題を分析して、そのソリューションになる CRM ツールをつくっているからです。

そのため CRM ツールの導入を検討している企業は、まずは自社の CRM 業務のニーズや課題を明確にしたほうがよいでしょう。「なぜ当社はCRMツールを導入すべきなのか」が明確になれば、それにマッチした CRM ツールを探すことができます。

そして CRM ツールを試すときは、自社の課題を解決できるかどうかみてください。

使いやすいか、わかりやすいか

 各社の CRM ツールの違いは、インターフェースにも出てきます。CRM ツールを試すときは、システムを使い慣れていない人に試してもらったほうがよいでしょう。その人が「使いやすい、わかりやすい」と感じたら、他の人にとっても使いやすい CRM ツールになるはずです。

また、すでにシステムやツールを導入している企業であれば、これから導入する CRM ツールとの連携が可能かどうかも確認してください。

サポート体制

 CRM ツールを販売しているシステム会社のなかには、運用サポートが充実しているところがあります。

CRM ツールは従業員たちが使いこなしてこそ効果が生まれるので、サポート体制は重視したいところです。

ただ、販売価格を下げるためにあえてサポート体制に力を入れていないところもあります。すでに CRM ツールに精通しているユーザー(企業)であれば、サポート体制がない代わりに料金が安い CRM ツールを選んでもよいかもしれません。

コスト

 CRM ツールを導入するにはコストがかかります。企業にとっては新たな投資になるので、費用対効果を見極める必要があるでしょう。

そして CRM ツールの料金体系は一律ではないので注意してください。無料期間があっても、有料期間に入ったら割高になることがあります。また、格安プランでは CRM ツールを使える人数が限られていて、それを超えて使うには別の高額プランに切り替えなければならないこともあります。

CRM ツールは従業員たちが「使いこなす」ことになるので、途中でコスト高であることがわかっても、使い慣れた CRM ツールを別の CRM ツールに切り替えることは難しくなります。

トータル・コストとトータル・メリットを比較して最適な CRM ツールを選ぶようにしてください。

20個の CRM ツールをおすすめする理由

おすすめできる CRM ツールを20個紹介します。それぞれについて、提供している会社、メリット・デメリット、価格、おすすめできる企業を紹介します。

またこの章の最後に、全20個の概要を一覧表にしたものを掲載しています。

e セールスマネージャー

 ソフトブレーン株式会社の e セールスマネージャーは、簡単入力、簡単反映というユーザー・フレンドリーな設計が特徴です。

e セールスマネージャーを使うメリットは、営業工数を大幅に削減できることです。一度データや情報を入力すれば、多くの業務を自動化できます。搭載されている機能は、ダッシュボード、タイムライン、スケジュール、顧客情報、人脈情報、商談リスト、予算情報、実績情報、グループウェアなどです。

e セールスマネージャーを使うデメリットは、大手企業向きではないことくらいです。

e セールスマネージャーの価格は以下のとおり。

  • スタンダード:1ユーザー当たり月11,000円
  • ナレッジシェア(閲覧のみ):1ユーザー当たり月6,000円
  • スケジュールシェア(グループウェアのみ):1ユーザー当たり月3,000円

e セールスマネージャーをおすすめできるのは中小企業です。初めて CRM ツールを導入する企業は、選定候補のなかにeセールスマネージャーを入れてもよいでしょう。

Microsoft Dynamics 365

マイクロソフトの Microsoft Dynamics 365は、やはり「あのマイクロソフトがつくっている」という点が最大の魅力になるでしょう。

Microsoft Dynamics 365を使うメリットは、最新のテクノロジーを自社の取り込めることです。例えばコカ・コーラ・アフリカは、Microsoft Dynamics 365を使って40以上の工場と65万の小売店をつなぎ業務の効率化を図りました。カスタマーサービス、フィールドサービス、リモートアシスト、マーケティングサポートなど、機能満載といったイメージです。

Microsoft Dynamics 365のデメリットは、企業によってはオーバースペックになってしまうことでしょう。中小企業には向いていないかもしれません。

Microsoft Dynamics 365のカスタマー・データ・プラットフォームの価格は以下のとおり。

  • 最初のアプリ:月163,070円
  • 2つめ以後のアプリ:最低月108,720円

Microsoft Dynamics 365をおすすめできるのは、大企業です。業務量が膨大で業務の種類が多種多様な企業は、Microsoft Dynamics 365の多機能ぶりと拡張性の高さは有益なはずです。

GENIEE SFA/CRM (旧ちきゅう)

株式会社ジーニーの GENIEE SFA/CRM は、手軽に営業活動の見える化と効率化を図ることができる、といった特徴があります。

GENIEE SFA/CRM を使うメリットは、使用する機能に合わせて料金プランが設定されているので「無駄遣い」が発生しにくい点です。また、管理画面のデザインをシンプルにしているので、直感的に操作できます。導入支援やサポート体制がしっかりしています。さらにグーグルカレンダーやオフィス365カレンダーとも連携しています。

GENIEE SFA/CRM のデメリットは、ハイスペックを求めている大企業には向いていないかもしれない点です。値ごろ感のある価格設定からもわかるとおり、中小企業などの利用を想定しています。

GENIEE SFA/CRM の価格は以下のとおり。

  • エンタープライズ:1ユーザー当たり月9,800円
  • プロ:1ユーザー当たり月4,980円
  • スタンダード:1ユーザー当たり月2,980円
  • ライト:1ユーザー当たり月1,480円

GENIEE SFA/CRM をおすすめできるのは、中小企業です。初めて CRM ツールを使う企業は、選定作業をするときはこれも候補の1つに加えておいてもよいでしょう。

Salesforce Sales Cloud

株式会社セールスフォース・ジャパンのSalesforce Sales Cloud は、顧客とリアルタイムでのエンゲージメントができる、といった特徴があります。

Salesforce Sales Cloud を使うメリットは、営業目標の設定や予測が行え、顧客との商談に向けた準備がスムーズに進むことです。顧客管理、コラボレーション、マーケティングをサポートします。

Salesforce Sales Cloud のデメリットは価格が高いことでしょう。

Salesforce Sales Cloud の価格は以下のとおり。

  • エッセンシャル:1ユーザー当たり月3,300円
  • プロフェッショナル:1ユーザー当たり月9,900円
  • エンタープライズ:1ユーザー当たり月19,800円
  • アンリミテッド:1ユーザー当たり月39,600円

Salesforce Sales Cloud をおすすめできるのは、営業業務の効率化を図りたい企業です。ただ価格は決して安くないので、売上高にボリュームがある企業であれば費用対効果が出ると思います。

Zoho CRM

社名などを公開しない非公開会社が販売しているZoho CRM は、顧客管理と営業支援を強みにしています。

Zoho CRM を使うメリットは、顧客データと顧客活動を紐づけて記録、管理しているので顧客管理コストを低減できることです。また、営業支援の多くを自動化しているので、「待たせない顧客対応」が可能になります。

Zoho CRM のデメリットは、提供している会社が「非公開会社」であることです。なぜ社名を非公開にしているかは不明ですが、「社名を知りたい」という人は少なくないでしょう。

ただ、Zoho CRM の提供会社は世界中でビジネスを展開し、従業員は7,000人もいるとのことなので、その点は安心できると思います。

Zoho CRM の価格は以下のとおり。

  • スタンダード:1ユーザー当たり月1,680円
  • プロフェッショナル:1ユーザー当たり月2,760円
  • エンタープライズ:1ユーザー当たり月4,800円
  • アルティメット:1ユーザー当たり月6,240円

Zoho CRM をおすすめできるのは、顧客データを充実させたい企業です。顧客が増えてきた企業はもちろんのこと、ターゲット層が幅広く顧客管理の整理がついていない企業にもおすすめできます。

kintone

サイボウズ株式会社の kintone には、仕事の数だけ機能を追加して使える、といった特徴があります。つまりユーザーは、kintone が用意したさまざまな機能のなかから、必要な機能を選んで使えるわけです。簡易カスタマイズができるイメージです。

kintone を使うメリットには、バラバラな情報を1つにまとめることができる、見える化でチームメンバーの意識を1つにできる、使いやすいインターフェースなどがあります。また低価格も魅力です。

kintone のデメリットとしては、外部システムや外部アプリとの連携が苦手である点が挙げられます。

kintone の価格は以下のとおり。

  • スタンダード:1ユーザー当たり月1,500円
  • ライト:1ユーザー当たり月780円

kintone をおすすめできるのは、CRM ツールをよく知らない企業です。kintone は初めてCRM ツールを使う企業に向いているでしょう。

Knowledge Suite

ナレッジスイート株式会社の Knowledge Suit eは、名刺を使った顧客情報管理が得意、といった特徴があります。

Knowledge Suite を使うメリットは、さまざまな業務をサポートできるところでしょう。営業支援、顧客管理、グループウェア、働き方改革、テレワーク支援、コミュニケーションツールをこれ1つでまかなえます。

またID数無制限で月11,000円からというのは格安の部類に入るでしょう。

Knowledge Suite のデメリットは、名刺活用に重点を置きすぎているところです。名刺のデータをそれほど重視しているわけではない企業にとっては、メリットを見出しづらいかもしれません。

Knowledge Suite の価格は以下のとおり。ID数はいずれも無制限です。

  • グループウェア:月11,000円
  • スタンダード:月55,000円
  • プロフェッショナル:月88,000円

Knowledge Suite をおすすめできるのは、CRMツールを使う従業員が多い企業です。ID数を無制限にしているサービスは貴重です。

Freshsales

Freshworks 社の Freshsales は、コンテキスト営業で収益成長を早めることができ、売り手の効率を向上できるといった特徴があります。

Freshsales を使うメリットには、AIを使ったチャットボットで顧客にリアルタイムで対応できる、カスタマイズができるWebフォームを使って顧客を確実に獲得できる、といった点が挙げられます。

Freshsales のデメリットは、顧客データベースの構築がそれほど得意ではないところでしょう。

Freshsalesはどちらかというと、顧客へのアプローチを得意にしています。そのため、顧客データを大量に集めてそれを処理して分析するといった使い方には向いていないかもしれません。

Freshsales の価格は以下のとおり。

  • フリープラン:0円
  • グロース:1ユーザー当たり月18ドル
  • プロ:1ユーザー当たり月47ドル
  • エンタープライズ:1ユーザー当たり月83ドル

Freshsales をおすすめできるのは、顧客へのアプローチを増やしたいと考えている企業です。プッシュ営業を強化したい企業は、CRM ツールを探すときに、これを候補に入れるとよいでしょう。

Zendesk

株式会社 Zendesk の Zendesk は、顧客視点のサポート体制を構築する、といった特徴があります。

Zendesk を使うメリットは、オムニチャネルのカスタマーサポートを強化できる点です。また、分析・レポート機能が充実していて、顧客満足度や対応効率といったデータを見える化することができます。

Zendesk のデメリットは機能が絞られている点です。「なんでもそろっている」タイプの CRM ツールと比較すると、Zendesk を使ってできることは限られます。

Zendesk の価格は以下のとおり。

  • 1ユーザー当たり月19ドルから

Zendesk をおすすめできるのは、オムニチャネルを展開している企業です。Zendesk はオムニチャネル特化型の色合いが強いので、これにマッチする企業は重宝するはずです。

GEOCRM

ナレッジスイート株式会社の GEOCRM は、顧客のところに訪問した営業担当者が、ヒアリングシートに入力して顧客カルテをつくることができる、という特徴があります。

GEOCRM を使うメリットは、営業担当者が獲得した顧客情報を社内で共有し、営業活動を強化できるところです。訪問履歴、顧客の状態、訪問経過日数などが記録されます。

 GEOCRM のデメリットは、営業活動の強化以外のニーズに応えることが苦手な点です。

GEOCRMはよくも悪くも、顧客カルテをつくり、顧客アプローチの戦略を練る資料をつくることに特化したツールです。そのため、営業活動の強化には向いているのですが、それ以外のツールとして使おうとすると、「使い勝手がよくない」と感じるかもしれません。

GEOCRM の価格は以下のとおり。

  • スタンダード:1ユーザー当たり月1,980円(初期費用55,000円)
  • プロフェッショナル:1ユーザー当たり月2,640円(初期費用なし)

GEOCRM をおすすめできるのは、訪問営業が多い企業です。営業担当者が GEOCRM を使えば顧客情報を社内で共有できるので、他の営業担当者の参考になりますし、顧客をサポートする部門も活用できます。

sansan

Sansan 株式会社の sansan は、営業強化につながるデータベースに強みがあり、市場の把握や見込み客の発掘に効果を発揮するといった特徴があります。 

sansan を使うメリットは、膨大な顧客データを使って顧客との接点を増やすことができる点です。また、企業データベースが標準で搭載されているので、営業先企業の業績や従業員数、売上高、役職者情報などを簡単に入手できます。

sansan のデメリットは、料金がわからないことです。Sansan 株式会社は料金を公開しない理由について「導入後もお客様にご満足いただくために必要なプロセスとして、お客様の課題やお悩みなどをお伺いした上で、最適なプラン・料金をご案内しています」と説明しています(*)。しかし CRM ツールの導入を検討している企業は、早く料金を知りたいはずなので、目安の金額でもよいので公式サイトに掲載しておいて欲しいものです。

sansan の価格は不明です。

sansan をおすすめできるのは、営業の活動量を増やしたい企業です。情報の仕込みに時間がかかって営業活動量が増えない企業は、sansan を導入すれば「速い営業」「量の多い営業」を実現できるかもしれません。

*参考:https://jp.sansan.com/plan/

HubSpot CRM

HubSpot 社の HubSpot CRM は、無料で始めることができます。

HubSpot CRM を使うメリットは、多機能な割にコストを抑えられることです。それでいて、ダッシュボード機能、営業活動レポートや生産性レポートの作成、メール自動化機能などが搭載されています。

 HubSpot CRM のデメリットはあまり多くありません。例えばサポート体制としてヘルプ・チャットを用意するなど「ユーザーに寄り添う」姿勢が感じられます。ただあえてデメリットを挙げるのであれば、有料課金の料金が比較的高いことが挙げられます。

HubSpot CRM の価格は以下のとおり。

原則無料ですが、使用する機能を増やすには有料プランに登録する必要があります。

  • 原則:無料
  • スターター:月5,400円
  • プロフェッショナル:月96,000円
  • エンタープライズ:月384,000円

HubSpot CRM をおすすめできるのは、ある程度 CRM ツールに詳しい社員が複数人いる企業です。無料で始めることができるので、他の従業員が CRM ツールに詳しい社員に教わりながら使っていけば、コスト安に運用できます。

 Oracle CRM

あのオラクル社も Oracle CRM を販売しています。Oracle CRM には、広告、マーケティング、セールス、コマース、サービスなどの業務を結びつけることができる、といった特徴があります。

Oracle CRM を使うメリットは汎用性が高いことです。BtoB 企業のニーズも、BtoC 企業のニーズにもマッチするようにつくられています。

 Oracle CRM のデメリットは、料金が公開されていないところです。

企業のIT担当者がCRMの購入を検討するとき、まずは公式サイトで料金を調べると思います。せっかくOracle CRMを候補に挙げても、料金がわからないので費用対効果などをすぐには計算できません。

オラクル社と付き合いのない中小企業などは、二の足を踏んでしまうかもしれません。

Oracle CRM の価格は不明です。価格を知りたい場合は、直接問い合わせることになります。

Oracle CRM をおすすめできるのは、オラクル社というワールドワイドなシステム会社の CRM ツールを使いたいと考えている企業です。そのため中小企業は敷居が高いと感じるかもしれません。

B→dash

株式会社データXの B→dash は、ノーコードでデータの取り込み、加工、統合、抽出、活用ができるといった特徴があります。

B→dash を使うメリットは、ノーコードで、つまり SQ Lを使わず、誰でも簡単に GUI でデータを扱える点にあります。また、メールや SNS との連携、プッシュ通知、アプリ接客、顧客分析、レコメンド、アンケートと、機能が満載である点も魅力です。

汎用性が高く、初めてCMRを導入する企業は選考候補の1つにしてもよいと思います。

 B→dash のデメリットは、汎用性が高いために突出した強みとなる部分がないことです。何か特定の専門的な目的が明確にある場合には不向きなツールと言えます。

B→dash は価格を公開していません。

B→dash をおすすめできるのは、CRM ツールを使ったことがない企業やIT化が遅れている企業です。ユーザーフレンドリーなインターフェースは「システム・アレルギー」を持つ人でも無理なく使えると思います。

satori

SATORI 株式会社の satori は、見込み客を増やすのに役立つマーケティング・オートメーション・ツールといった特徴があります。

satori を使うメリットは、Web サイトのコンバージョンを増やしたり、購買意欲が高まった見込み客に自動でアプローチしたりできるところです。Web 対策が得意なツールといえます。

satori のデメリットは、Web に特化した製品なので、EC や Web を使ったビジネスにそれほど力を入れているわけではない企業ではメリットを見出しにくい点です。

satori の価格は以下のとおり。

  • 初期費用:330,000円
  • 月額費用:162,800円から

satori をおすすめできるのは、EC 企業や Web をビジネスで多用している企業です。また、これから EC に進出したいが、どこから手をつけてよいかわからないという企業が satori を使うと、EC 導入業務も、EC 導入後のルーチンワークもスムーズに進めることができるかもしれません。

SugerCRM

 Suger 社の SugerCRM は、プラットフォームを活用して、セールスとマーケティングとサービスの業務を簡素化する、といった特徴があります。

 SugerCRM を使うメリットは、営業活動のサポートがしっかりしている点です。

営業活動は見込み客の掘り起こしから、ファースト・アプローチ、契約締結までの最終プッシュ、契約後のアフターフォローなど、複数の過程がありますが、SugerCRMはそのすべての過程をサポートしてくれます。

つまり営業活動のそれぞれの過程において成果を出しやすくなるので、最終的に成約率を高めることができたり、リピーターを増やしたりすることができるわけです。 

SugerCRM のデメリットは、外国企業の製品なので、サポート体制に懸念が残ることです。SugerCRM を利用する場合は、サポート体制や不具合が出たときの対応などを確認したほうがよいでしょう。

SugerCRM の価格は以下のとおり。

  • セル・コース:3ユーザーまで月49ドル
  • サーブ・コース:3ユーザーまで月80円
  • エンタープライズ・コース:3ユーザーまで月85円

SugerCRM をおすすめできるのは、CRM ツールを使い慣れた企業です。現行の CRM ツールに違和感を持っていたら、海外製品の SugerCRM がマッチするかもしれません。

i-CRM

 アイテックス株式会社の i-CRM は、「中小企業のための顧客管理」を大々的に PR している特徴があります(*)。

i-CRM を使うメリットは、SFA と MA の2つの機能をこれ1つで使える点にあります。同社は「顧客管理を簡単に行え、顧客管理に必要な機能がすべてそろっていて、コスト安」と PR しています。

CSV を使った顧客情報登録、名刺スキャン、営業活動を分析した商談確度の算出、商談状況の見える化、顧客とのコミュニケーション、顧客への営業的なアプローチ、資料管理といった機能が搭載されています。

i-CRM のデメリットは、大企業の複雑かつ大量の業務を想定していないところです。

i-CRM の価格は以下のとおり。

  • エントリー:20人まで月31,900円
  • スタンダード:50人まで月52,800円
  • プレミアム:51人以上、月52,800円~

i-CRM をおすすめできるのは、顧客管理のIT化が遅れていて、それを取り戻すためにローコストでCRMツールを導入したいと考えている中小企業です。それでいて基本的な機能は大体搭載されています。

*参照:https://www.icrm.jp/#

Synergy!

シナジーマーケティング株式会社の Synergy! は、本当に必要な機能だけを厳選した製品、といった特徴があります。

Synergy! を使うメリットは、集客、顧客情報の統合、クロスチャネル・メッセージング、分析を必要とするユーザー(企業)に、必要な機能だけを提供している点です。

Synergy! のデメリットは「何でもできるCRMツールが欲しい」というニーズに対応できないところです。

Synergy! の価格は使う機能ごとに設定されています。

  • メール配信機能:月11,000円~(初期費用33,000円)
  • アンケート機能:月16,500円~(初期費用33,000円)
  • LINE への配信機能:月0円~(初期費用33,000円)

Synergy! をおすすめできるのは、CRMツールの利用目的な明確な企業です。「この業務を効率化したい」「この仕事を自動化したい」といった明確な課題があれば、Synergy!がそのソリューションになるかどうか確かめることができます。価格は比較的低めなので、自社のニーズとマッチすればメリットが大きくなると思います。

monday sales CRM

monday.com 社の monday sales CRM の特徴は機能の多さです。販売パイプライン、連絡先の管理、見込み客管理、見込み客獲得、顧客プロジェクト、マーケティング、恩ボーディング、チームの共同作業などをこれ1つで行うことができます。

monday sales CRM を使うメリットは、これだけで済むことでしょう。CRM ツールを必要としている企業で、先ほど紹介した機能以外の機能を必要とするところはまれだと思います。

monday sales CRM のデメリットは、開発・販売元が海外企業なので、サポート体制が懸念される点です。もし企業が monday sales CRM の購入を検討するなら、自社がどの程度のサポートを必要としているのかを明確にして、そのニーズに応えてくれるのかどうか、monday.com 社の担当者に尋ねる必要があるでしょう。

monday sales CRM の価格は以下のとおり。

  • 個人用:最大2人、無料
  • ベーシック:3人、月3,375円
  • スタンダード:3人、月4,650円
  • プロ:3人、月2,700円

monday sales CRM をおすすめできるのは、CRM ツールを多用したい企業です。「とことん CRM ツールを使いこなしたい」と考えている企業は、機能が多い monday sales CRM はコスパがよいかもしれません。

Mico Cloud

Micoworks 株式会社の Mico Cloud は、LINE と連携してサービスを提供するという特徴があります。同社は LINE 公認テクノロジーパートナーと LINE 公認セールスパートナーを取得しています。

Mico Cloud を使うメリットは、集客した消費者をファンにできることです。LINE と連携させて、セグメント配信、顧客管理、API 連携、複数店舗の一元管理などを行えます。

またサポート体制が充実していて、専任チームがクライアント企業(ユーザー企業)の体制構築を支援します。

Mico Cloud のデメリットはLINEとの提携色が強すぎることでしょう。LINE もビジネス色を強めていますが、それでもやはり一般の人のイメージは個人どうしのコミュニケーションツールです。取引先によってはLINEを使ったアプローチを好ましく思わないかもしれません。

Mico Cloud は価格を公表していません。

Mico Cloud をおすすめできるのは、すでに LINE を使ったマーケティングや集客をしている企業です。LINE をビジネスツールとして使っている企業なら、Mico Cloud との親和性は高くなるはずです。

20個の CRM ツールの比較一覧表

上記の20個の CRM ツールの概要を一覧表にしました。

製品名費用メリットデメリット
eセールスマネージャー●スタンダード:1ユーザー当たり月11,000円
●ナレッジシェア(閲覧のみ):1ユーザー当たり月6,000円
●スケジュールシェア(グループウェアのみ):1ユーザー当たり月3,000円
営業工数を大幅に削減できる大手企業向きではない
Microsoft Dynamics 365●最初のアプリ:月163,070円
●2つめ以後のアプリ:最低月108,720円
最新のテクノロジーを自社の取り込める企業によってはオーバースペックになってしまう
GENIEE SFA/CRM●エンタープライズ:1ユーザー当たり月9,800円
●プロ:1ユーザー当たり月4,980円
●スタンダード:1ユーザー当たり月2,980円
●ライト:1ユーザー当たり月1,480円
使用する機能に合わせて料金プランが設定されているハイスペックを求めている大企業には向いていない
Salesforce Sales Cloud●エッセンシャル:1ユーザー当たり月3,300円●プロフェッショナル:1ユーザー当たり月9,900円
●エンタープライズ:1ユーザー当たり月19,800円
●アンリミテッド:1ユーザー当たり月39,600円
営業目標の設定や予測が行え、顧客との商談に向けた準備がスムーズに進む価格が高い
Zoho CRM●スタンダード:1ユーザー当たり月1,680円
●プロフェッショナル:1ユーザー当たり月2,760円
●エンタープライズ:1ユーザー当たり月4,800円
●アルティメット:1ユーザー当たり月6,240円
顧客データと顧客活動を紐づけて記録、管理しているので顧客管理コストを低減できる提供会社が非公開で不安
kintone●スタンダード:1ユーザー当たり月1,500円●ライト:1ユーザー当たり月780円低価格外部システムや外部アプリとの連携が苦手
Knowledge Suite●グループウェア:月11,000円
●スタンダード:月55,000円
●プロフェッショナル:月88,000円
さまざまな業務をサポートできる名刺のデータをそれほど重視しているわけではない企業にとっては、メリットを見出しづらい
Freshsales●フリープラン:0円
●グロース:1ユーザー当たり月18ドル
●プロ:1ユーザー当たり月47ドル
●エンタープライズ:1ユーザー当たり月83ドル
AIを使ったチャットボットで顧客にリアルタイムで対応できる顧客データベースの構築が得意ではない
Zendesk●1ユーザー当たり月19ドルからオムニチャネルのカスタマーサポートを強化できる機能が絞られている
GEOCRM●スタンダード:1ユーザー当たり月1,980円(初期費用55,000円)
●プロフェッショナル:1ユーザー当たり月2,640円(初期費用なし)
営業担当者が獲得した顧客情報を社内で共有し、営業活動を強化できる営業活動の強化以外のニーズに応えることが苦手
sansan不明膨大な顧客データを使って顧客との接点を増やすことができる料金がわからない
HubSpot CRM●スターター:月5,400円
●プロフェッショナル:月96,000円
●エンタープライズ:月384,000円
多機能な割にコストを抑えられるサポート体制が不安が残る
Oracle CRM不明汎用性が高い料金が公開されてなくコスパを計算できない
B→dash不明機能が満載特徴が薄い
satori●初期費用:330,000円
●月額費用:162,800円から
Web対策が得意メリットが得られる企業が限られる
SugerCRM●セル・コース:3ユーザーまで月49ドル
●サーブ・コース:3ユーザーまで月80円
●エンタープライズ・コース:3ユーザーまで月85円
成約率を高めることが期待できる外国企業の製品なので、サポート体制に懸念が残る
i-CRM●エントリー:20人まで月31,900円
●スタンダード:50人まで月52,800円
●プレミアム:51人以上、月52,800円~
SFAとMAの2つの機能をこれ1つで使える複雑かつ大量の業務を想定していない
Synergy!●メール配信機能:月11,000円~(初期費用33,000円)
●アンケート機能:月16,500円~(初期費用33,000円)
●LINEへの配信機能:月0円~(初期費用33,000円)
必要な機能だけを提供している何でもできるCRMツールではない
monday sales CRM●個人用:最大2人、無料
●ベーシック:3人、月3,375円
●スタンダード:3人、月4,650円●プロ:3人、月2,700円
多機能、これ1つで済むサポート体制が懸念される
Mico Cloud不明集客した消費者をファンにできるLINEとの提携色が強すぎる

CRM ツールの導入が失敗する理由とその対策

企業の経営者もIT担当者も、「 CRM ツールを導入しさえすれば、CRM 業務がすぐに効率化する」とは考えないほうがよいでしょう。

CRM ツールはあくまで道具であり、それを使いこなしてこそ業務が効率化して生産性が上がります。

【失敗理由】スキルがない

その理由はいくつかありますが、最大の理由は「 CRM ツールを使いこなせなければ、CRM 業務は効率化できない」というものです。

CRM ツールは原則、使いこなすのが難しいシステムです。例外的に直感的に操作できるものもありますが、しかし多くの CRM ツールは搭載されている機能が多く、使いこなすにはそれなりのスキルが必要になります。

したがって、最悪、CRM ツールを社内に導入したものの、従業員があまり使わない、という事態も起こりえます。

また、CRM ツールには分析機能がありますが、これを使わないユーザーがいます。管理業務サポートだけで満足してしまい、分析機能を使わないと、CRM 業務はあまり進化しません。

【失敗理由】データや情報の入力量が足りない

 そして CRM ツールは、データや情報を入力して初めて「使いものになる」点にも注意が必要です。CRM ツールで顧客サポートを行うには、顧客情報を入力しなければなりません。

そのため、CRM ツールの導入当初はデータ入力が担当者たちのメイン作業になるでしょう。この作業を怠ると、CRM ツールは本領を発揮できません。

データや情報の入力量が足りないと、CRM ツール導入が失敗します。

【対策】習うより慣れろ、分析を多用しよう

 以上のことを踏まえて、CRM ツールを使いこなして、これで業務効率を高める方法を紹介します。

■CRM ツールで業務効率を高める方法

●CRM ツールを使いこなすスキルを身に着ける(マニュアルをみずに操作できることが理想)

●CRM ツールをとにかく使う(習うより慣れろの部分もある)

●CRM ツールの分析機能を使う(分析することで業務が進化する)

●担当者はとにかく顧客情報を大量に入力する

CMR ツールを導入したら、経営者も管理職もスタッフも使い倒すくらいの勢いで使い込んでいってください。そうすれば「もう CRM ツールなしでは CRM 業務はできない」状態になるでしょう。

まとめ 

さまざまな CRM ツールがあるので、まずは自社の CRM 業務においてどのような課題があって、どのようなソリューションを必要としているのか明確にしましょう。

そのうえで、課題解決につながる CRM ツールを選ぶわけです。

また、CRM ツールは、売上拡大を目的に導入されることが多いのですが、実際にその目的を達成できている企業は多くありません。

CRM ツールの導入によってたまったデータを最大限活用して売上拡大につなげるための技術に、セールスエンゲージメントプラットフォーム があります。

「 CRM データを最大活用する最先端テクノロジー」という資料で、セールスエンゲージメントプラットフォームについて解説しています。

ぜひ CRM データの最大活用の際にお役立てください。